34 その2
1日でサウスネクシティからマウンテリバーに帰還した「
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- 夕食?…既に食べ終えてて夜ですよ -
何だかこの10日は物凄く精神的に疲れてて今日くらいはぐっすりと…明日も1日中は寝て過ごしていたいくらいには疲れていたザック。
「う~ん…」
ちょっと寝苦しかったので毛布だけ掛けて出しておいた木製のタライに製氷して置いといたんだけど、なんだか寝苦しい…というか暖かくて柔らかい物が…抱き枕なんて置いてなかったよ…な………
ぽにょん…
「きゃっ!?」
右にころんと回ったら馴染みの無い柔らかい物体に触れて、しかも何か鳴いたし…
「…」
ぽにゅん…
「きゃっ!?」
左にころんと回ったら…以下略。元の位置…仰向けに…顔の方向を天井に向ける。うん…よく知ってる天井だ。そう…いつも見ている…まぁ、今は夜で薄暗いので殆ど見えないけど、寝る際には良く見知った天井が…って。
「「何冷静に状況判断してるんですかっ!?」」
と、左右からステレオで良く聞いた女性の声が飛び込んで来る。
「「っていうか、何で貴女が此処に居るんですかっ!?」」
(といわれても、知らないものは知らないしなぁ~…)
取り敢えず黙秘権を行使して黙っていると、両方から抱き着かれた後に腕を引っ張られた…何処ぞのアレみたいで…つか痛い痛い痛い!…腕が千切れる…
ごきっ…
関節が外れかけました…全治…いや、
(まぁ、リンシャさんは兎も角、サクヤさんにとっては紙代だけでも痛いだろうなぁ…全部上質紙っていってたし…)
それに低品質紙じゃないんだから、書ける最小の文字(読める範囲)で書けっていわれてたし…2人とも、ぞぉ~!っとした顔で「2度としません」ってぺこぺこと謝罪してたし、多分2度はやらないんじゃないかな…ていうか、何でこんな子供に夜這いをかけるかなぁ?…理解できないや。
- 翌日、昼 -
「ふわぁ~…」
結局、再び寝床に入れたのが深夜で、まだ朝まで数時間あったので寝たんだけど…完全に朝飯に時間帯を寝過ごしてお昼の時間帯に目が覚めた。
「ん~…今何時だろ?」
取り敢えず普段着に着替えて…あぁ、今日は完全オフにしたので朝の鍛錬は最初からやらないことに決めてたんだけど…
「井戸の方は大丈夫か見に行った方がいいかな?」
設置してからまだ1回も経過観察してないからね。塀の方も様子を見た方がいいかなと、顔を洗いがてらに井戸に立ち寄ることにした。
- 裏庭・井戸と塀のある風景 -
「…何、この行列?」
今はお昼時で、一応宿の食堂も探索者相手に解放されてるんだけど、食堂ではなく裏庭に続く廊下に行列が並んでて…興味が湧いて行列に沿って外に出ると、「最後尾はこちら!」ってサクヤさんが持ち看板を持って立ってた。
「…は?」
と呆けるも、行列にはこれ以上は並ぶ人は出て来ないっぽいしサクヤさんに話そうとしても忙しそうにしてるので取り敢えず放置。昨夜の件もあって、少し恥ずかしいしね…
(で、裏庭の方は…)
裏庭の出入り口を見ると、矢張りこの行列は裏庭を目指しているということに…時々、裏庭から戻ってくる人が居るので間違いないだろう。見れば水瓶を持って重そうに歩いている所から…
(ひょっとして、裏庭に設置してる井戸水?)
と当たりを付ける。いや、並んでる人全員水瓶とか持ってるしそれ見ればちょっとおつむが悪くても想像は付くけどさ…
(でも何でギルドの宿の裏庭にある井戸ばっかり…)
そちらはちょっとわからない。町のあちこちにも井戸があり、家からはそちらの方が近いと思うんだけど…と思い、偶々近くに居た女性に質問することにした。
・
・
「あの…」
「ん、何だいボク?」
「あの、えっと…この行列は何だろう?って…」
「あぁ…この宿の裏庭に井戸があるだろう?」
「え、えぇ…知ってます」
「あたしらはそこの井戸水を汲みに来たんだよ」
「お…お姉さんの家の傍には井戸が無いの?」
おばさんといおうとして額がぴくんと動いたので、慌ててお姉さんというと、にっこりと機嫌よく答えてくれた。世の中の女性、恐るべし…
「いやあるんだけどね…最近、この宿の飯が美味いって聞いてね」
「は、はぁ…」
「そこであたしゃぴん!と来たのさ…宿の水が変わったんじゃないかなとね」
「は、はぁ…」
「仕入れてる食材なんてそうそう変わるものじゃないからね。なら何が変わったのか?…そう、水さ」
「は、はぁ…」
「だから、旦那に食わしてやる飯もちったぁ美味くなるかと思ってね…何でもそのまま飲むだけでも美味いって聞くしね…」
「は、はぁ…」
「…大丈夫かい?…さっきから同じ台詞しかいってないけど?」
「は、あ、いえ…十分参考になりました。有難う御座います!」
「いいさね。じゃあまたね?ボク…」
肝っ玉母さん的な女性は少し離れてしまった行列を詰めて行き、暫くして裏庭へと入って行った。僕は…取り敢えず宿の主人たるギルド職員に会いに行く。現状を聞いておかないと様子を見に行くにしても横入りされてると勘違いされてしまいかねないし…
- 探索者ギルド直営宿・ギルド職員室 -
「ザックです。失礼します…」
ギルド職員に声を掛けて案内されたギルド職員室に辿り着き、案内を終えたギルド職員にお礼をいってからドアをノックし、声を掛ける。
「開いてるからどうぞ~」
間延びした声が聞こえて「失礼します」といいながらドアを開けると、余り広いでもないギルド職員室に入る。丁度、宿の部屋を2部屋。壁をぶち抜いた構造になっていて、テーブルを中央に2つ置いて職員用の椅子を幾つか置いた構造になっている。ちなみに1階は食堂と受付とこのギルド職員室と、宿の主人として住み込みで働いてるギルド職員と女房の女将さんの住んでいる部屋で満杯となっている。廊下でそれぞれは区切られているけど割とギリギリの配置で他のギルド職員さんたちは自宅からの通勤ということらしい。僕は2階の部屋に3年間住めることになってるけど、自立できそうなら今すぐにでも出ていって欲しいらしい…と、サンフィールドから帰還してから報酬額を聞いたのか遠回しにいわれてんだよね…女将さんが庇ってくれてるんだけど、そうそう引っ越し先が決まる訳ないし。
(って、仮住まいでいいならあるな…引っ越し先)
そう…「
(まぁ、部屋にある荷物なんて殆どないし、引っ越すなら身一つで動けるから問題無いんだけど…この宿よりセキュリティ高そうだし…。何しろ、元男爵の持っていた屋敷の1つだからね。きちんとした鍵が付いてる部屋だろうし…)
希望的観測だけど…と考えながら部屋に入る。
「ザックくんだっけ。どうしたのかい?」
初めて見る顔…じゃないか。確か入居した時、最初に顔合わせした宿の主人の…名前なんだっけ?
「えっと…裏庭の井戸と塀の様子を見ようと思ったんですけど…」
名前を忘れたけど何でしたっけ?…と訊くのは失礼かなと思い、取り敢えず用件を先に訊くことにした。名前に関しては女将さんにでも訊けばいっかなと思いつつ…
「あ~、あれか。何でも町中の井戸の水が劣化したのか不味いって聞いてね。一応ギルドを通して調査して貰い、原因がわかるまではうちの裏庭の井戸を使って貰っているんだよ」
確か、さっきの肝っ玉母さんも「水が美味しいって聞いた」といってたっけ…まぁそれはいいけど。
「あの…ひょっとしてお金を取って汲ませたりは…」
と、少し思ったことを訊くと、
「あぁ…そんなことしたら信用問題に関わるからね。無論、無料で汲んで貰ってるよ?」
「では、汲んでる人が他所で売ってるってことは?」
「あ~…そこまで見てはいないけどね。でも水の販売業は指定された湖や河川から汲んで売っているだろう?…まさかうちの裏庭から…」
「水の販売業をやってる人はその指定地から汲んだ場合、無料で汲めるんですか?」
「いや詳しくは知らないけど…。確か、水瓶100杯で銅貨80枚から銀貨1枚くらいだったかな?…水質にも左右されるからそれだけ揺れ幅があるって聞いた覚えはあるけどね」
それを聞いたザックは暫く考え込んで、
「うちの井戸水だとどれくらいだと思いますか?」
「ん~とそうだね…水瓶1杯で銅貨5枚くらいは取れるんじゃないかな?…それだけ水質もいいし何より美味しいしね!」
それはそうだ。
「…あの、いいですか?」
「何かな?」
「水を汲んで行く人たち…あ、えっと…調べるもなく住人と思われる人は除いて、ちょっと怪しいと思える人が居たら、現住所と名前を控えさせて貰うってことはできますか?」
「…何故そう思ったのかな?」
「いえ…行列を見てたら、水を汲むのに主婦さんたちならわかるんですが…家の料理とかに使うんだと思いますし…。でも、どう見ても料理と関係無い、人足ぽい人とか多かったように見えて…」
「ふむ…」
ザックが危惧してるのは、先もいっていた「水の販売業」をやっている業者が
(権力を持った良からぬ考えを持った爵位持ちが、この宿の裏庭の井戸に目を付けたら…)
間接的とはいえ、迷惑を掛けてしまうかも知れないと危機感を持ったザックは先手を打っておきたいと考えるのも無理は無いだろう。だが、事態はそんなことはお構いなしに進みつつあるのだった…
- 翌日 -
「さて…久しぶりに朝の鍛錬でもしますかねっと!」
昨日は早く寝床に寝転んだせいもあって早くに目が覚め、時刻はいつもより早い6時より少し早い頃合いだ。コップに純水を少量出して洗い流した後、純水で満たしてから飲み干す。コップをストレージに仕舞い込んだら鍛錬時に着る薄着に着替え、1階の裏庭に向かおうとする…が、階段でその足を止めた。
(?…階下で何か聞きなれない足音がしたような…)
宿の人なら静かではあるが普通に足音をさせながら歩く筈。だが、聞こえてくる足音は、足音がしないようにと潜ませた感じのそれだ。ザックはほぼ無音の足運びで階段を…使わずに手擦りを使って滑り降りて行く。子供の体格だからできる芸当でもある!w
(…知らない大人が数人。この時間帯だと受付も人が居ないからな…呼び鈴を鳴らさないと無人ってのはなぁ…)
だが、厨房では朝飯の仕込みやら何やらで戦場になっている。その分、厨房の中はやかましいので受付や廊下で静かにしてる分には誰にも気付かれずに行動できるということでもある…
(やっぱりこういうこともあるから、進言した方がいいよね?…現に水泥棒が入り込んでるんだし…はぁ)
げんなりしながらも探知を発動させるザック。今、侵入者が3人、廊下から裏庭へ到達した所で、外には荷馬車が待機している模様。荷馬車にも1人待機していて、水を運び終えたらすぐにでもずらかれるぜ!…てな状況らしい。
(…荷馬車待機の人はすぐ動けなくしとくかな…)
土ロープを生成し、口と両手両足を縛って置く。下手に叫ばれたらすぐ逃げだしちゃうだろうし、両手両足を縛って荷馬車に括りつけておけばすぐには逃げ出せないということで。念の為、荷馬車も車輪を固定して動け無くしておくっと…え、どうやって固定したって?…宿の前は石畳で、石畳を凹ませて車輪を固定しておけば車輪が壊れる程の力でも動かせないと思って…こう、ぎっちりと挟み込ませてね。え、それは生活魔法じゃないって?…失礼な。立派な生活魔法ですよ!
(なんてアホなこと考えてたら水泥棒さんたちも廊下に戻って来ましたね…)
3人とも廊下に入り込んだ時点で裏口のドアを
「む?…何だ、ドアが開かないぞ?」
水泥棒その1が出入口のドアに手を掛けますが開かないことに気付きます。そして全力でドアノブを握って開こうとしますが…
「むぐぐぐぐ!…駄目だ、びくともしない!!」
と、今まで静かに行動してたのに思わず叫んでしまいます…アホですか?
「ちょっと貸せ、つか叫ぶな、アホか?」
静かにキレてる水泥棒その2がその1の頭を小突いてからドアノブに手を掛けますが…同様にビクともしませんw
「…こりゃあ
その2が2人に視線を投げて小声で話します。
「まさか…バレてる?」
その3がさっさっと視線を左右に走らせます。ですが、こちらは既に階段の上に戻ってるので視界からは影になっていて見ることはできません。残念でした!
「…ずらかるぞ!」
その2が小さく叫ぶと従うその1と3。水瓶はその場で粉々に破壊して走り出します。目標は廊下の窓ですが…
がっ!
体当たりで割って出ようとしたのでしょう。鈍い音が響いて…割れずに弾き飛ばされて床に叩き付けられて、
どだぁんっ!
と、割と派手な音が響きます。
「誰だ!…廊下で遊んでるボケはっ!?」
厨房の長、料理長が怒鳴りながら廊下に出て来ました。恐らくは宿泊してる探索者が寝惚けて暴れてると勘違いしたんだと思います…が、そのまま誤解したままでは危険と感じた僕はここぞとばかり叫びます!
「料理長、違う違う!…その人たち、水泥棒だよ!!」
僕の声に厨房の人たちがわらわらと出て来て…3人は僅かに抵抗をしましたが、流石は元ランクBの探索者でもあった料理長とその部下さんたち(部下さんたちは探索者ではなく冒険者だったみたいです)すぐさまお縄頂戴となったようです。縛り方が以前見た、スモーク用の豚肉を縛ったアレじゃなければサマだったんですが…うっかり見た時に吹いちゃいましたよ…(苦笑)(ハムの縛り方といえば想像が付くでしょうか?w)
とまぁ、現場の実況風味でお送りしましたが、水泥棒一味の一部を現行犯逮捕と相成りました。後はそれ専門の…要は町の衛兵に渡して色々と調べて貰って、バックの組織とかあれば芋づる式にお縄に付いて貰うって感じですかね…ヤレヤレ。
「ザックくん、お手柄だったな」
「あ、いえ。朝の鍛錬しようと思ったら不審な姿を見たもんで…知らせに行くにしても、既に侵入されてたのでこちらの姿を見られちゃいますし…」
「まぁそうだな。下手に姿を見せたら死人に口なし…なんてこともあるからな」
と、事後ではあるけど報告をして後は丸投げとなったんですけどね。んで、昨日は見れなかった井戸と塀の様子を見に行ったら…
「井戸に蓋?…これは…最新式の手押しポンプか…」
所謂、手でぎっこぎっこと押し込むと、反対側の口から井戸の水が出てくるって奴。その先に水桶とか水瓶を置いておけば水桶をかっぽ~ん!と落としてずるずると引き上げてから移し替えるより早く水が汲めるという物だ。魔導具でもなんでもなく、機械式の手動ポンプは定期的にメンテナンスを必要とするけど魔導具に比べれば相当に安価で導入できる。その上、井戸に蓋をする必要があるので上から中のモノが自然と隠せることができるというメリットもあると…
「成程ね。だから一般開放も普通にできたってことかぁ…でも、こんな悪い虫も誘因しちゃってるけどね…う~ん、難しい問題だね…」
ま、それならそれとしてどーせ無料で汲んで貰ってるんだし、1つ面倒でも何もせずに通すんじゃなくて一手間掛けるだけで通すように進言してみようかな?…例えば、この町の住民を示すあの身分証を提示を前提にするとかね?
- 数日後…、探索者ギルド・ギルド長室 -
「いやぁザックくん!色々進言して貰っちゃって有難うね!」
とは探索者ギルドのギルド長からだ。何で感謝されてるかってーと…
「まさか、水の販売業者に闇業者が混じってるとは思いもよらなかったよ!」
とのこと。以前から貯水池や河川など、無断で採水しては他の地方へ無許可販売してる闇業者が後を絶たなかったらしいのだが、水質の劣化が進んだ所に探索者ギルドの直営宿の裏庭の井戸水のことが知れ渡り、ここ数日で列を成す人数が急増していたことはわかっていたがその8割ほどが闇業者の依頼で水を汲みに来た人足ギルドのギルド員だったようだ。そして数日前の朝方に忍び込んでいたのは、人足ギルド員をすら雇えぬ弱小業者の者で総勢4人の業者だったらしい。つまり、バックには誰も居ない訳で調書を取った衛兵さんたちも無駄な努力と相成った訳だけど…
「ま、それはそれで有効だと思うよ。一旦足が付けば芋づる式に組織が御用になると知れば手を出し難くなるしね。それに今は水源地がどうなってるか…水質が劣化してる原因を冒険者ギルドの方で調査して貰ってるんだけど…まぁおいおい判明すれば対処もできるだろうし、それまではうちの裏庭の井戸でも使ってくれればいいしね。転売目的じゃなければ幾らでも汲んでくれていいんだし?」
「はぁ…それでも限界はありますよ?…ギルド長も砂漠みたいに乾いた空気の中、呼吸したくないでしょ?」
「は、はは…流石、本場の砂漠地帯に行って来たザックくんの言葉には…重みがあるね?」
乾いた笑いのギルド長にザックがコップにウォーターで水を汲むと、目の前に差し出す。
「おお、こりゃ有難い…んく…んく…んく…ぷはっ…ザックくんの
「いえ、それはウォーターですよ。普通の奴よりは美味いとは思いますけど」
「…」
一本取られたとギルド長が額をぴたん!と叩くが、普通の人には水なんてそれくらい舌が肥えてないと判別がつかないだろうし、今回のは水温を冷やした特別製なので更にわかり辛いと思う。
「じゃ、今日はこれで戻っても?」
コップを返して貰いながら訊くと、
「あぁ…後、受付で報酬を貰っておいてくれ。一応後付けになるけど探索者ギルドからの依頼ってことで処理しておいたからね」
という訳で、偶然遭遇した水泥棒たちの発見者且つ通報者ってことで、僅かだけど報酬が出るらしい…別に要らないんだけどね。
「わかりました。では受付に寄ってから戻ります」
「おう、ご苦労さん!」
ってことで、受付に向かうことに…
- 探索者ギルド・受付 -
「ザックくん、お久しぶり!」
とは受付嬢のサンディさんだ。リンシャさんはまだ謹慎中とのことで、リンシャさんのファンの探索者からは睨みの視線がちょっとだけ痛い(そんなに人数が居なかったので、せいぜい数本程度?)…つか、謹慎中の原因が何で僕とバレてるんだろう?…解せぬ。
「えと、お久しぶりです。マウンテリバーの方は、もう解放されたんですかね?」
気になる情報といえばこれに尽きるので訊いてみた。すると…
「うん!もう解放されてから2~3日は経ってるかな?気が早い探索者や冒険者は潜ってると思うよ?ザックくんはまだなの?」
「えっと…ちょっと色々ありまして…」
と、説明し辛い色々が脳裏を過って「あはは…」と曖昧な笑みを浮かべてると、
「そっかぁ~…あ、はいこれ。例の事件の解決報酬ね!」
と、トレイの上に小振りの革袋と詳細が書かれた書類が置かれた。
「あ、はい。有難う御座います」
軽くぺこりと頭を下げてから2つを受け取って巾着袋に収める。
「じゃ、またねぇ~!」
軽くバイバイ!と手を振る彼女にザックもぺこりと会釈を返して歩き出す。ギルドを出た所で数人の人影がその進路を塞ぐが…
「よお、ザック。数日ぶりだな!」
と、濃密な数日を過ごしたザックにとっては何となく1箇月振りのような気がするその人、マシュウたちが現れるのだった!
━━━━━━━━━━━━━━━
「あれ?…護衛の2週間は過ぎて、晴れて縁が切れたのでは?…」とお思いでしょうがw…とか、「タイトルのぼっち生活魔法使いの意味は?」…とかあるでしょうがw 暫くは付き合いが続きそうですな!(ちょっ!w)
備考:
探索者ギルド預け入れ金
金貨950枚、銅貨1617枚(変化なし)
ストレージ内のお金
金貨184枚、銀貨1020枚、銅貨781枚(変化なし)
財布内のお金:
金貨2枚、銀貨58枚、銅貨80枚(変化なし)
今回の買い物(支出金):
なし
ザックの探索者ランク:
ランクC(後日アップの予定はあり)
本日の収穫:
チーム共有資金として金貨800枚の分配金(まだ分けてないので据え置き)
水泥棒の件の報酬は未確認の為、据え置き。
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