06 その6
翌日、領主の娘であるマリアが起こしに来る。ザックが鍛錬の為に起きる時刻より早く…。それから準備をしてチャーターした馬車が待っている馬車停へと向かうと雇われた御者と冒険者たちが待っていた。マリアに渡された手紙に書いてある通り、探索者ギルドで準備してあると書かれていた通りだ。その後、マリアの荷物が届けられ、冒険者たちと協力しあって荷物を荷台に、マリアの着替えなどは女性冒険者がキャビン内へと運んだ。やがて出立の準備が完了してザックは馬車に同乗し、冒険者たちは徒歩で馬車の周囲を歩くことになる。これからの3日間、一行は無事に領主邸に辿り着くのだろうか?
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- 最初の休憩地 -
道中、特に問題なく…いや、ウルフ系の魔物とゴブリンが数体程度現れたが、特に苦戦することなく冒険者たちが撃退し、討伐部位やウルフの皮などを剥ぐ時間は掛かったが…予定の時間よりやや遅れて到着した。
「みなさん、お疲れさまでした」
「これも仕事だからな。問題無い」
取り敢えず労いの言葉を掛け、馬車や馬の世話を御者に丸投げして(自分の仕事だからといっていたので)昼食の準備に取り掛かる…とはいえ、初日は買っておいた弁当を配って食べるだけなので、テーブルと椅子の準備。そして弁当の配布だけで済む。強いていえば、飲み物の準備作業がある程度だろうか?
「食事の準備をするので、ちょっと待って下さいね?」
「ん?あぁ…じゃあ周囲の警戒だけしておく」
冒険者の皆さんは僕が食事の準備をすると知ると、適当に散らばって周辺警戒を始める。マリアさんにも「食事の意準備ができたら呼びます」と伝え、馬車の中で待機して貰った。
「よし…じゃあ、「土テーブル生成」っと…」
ずももも…と、地面が盛り上がってテーブルモドキが生成される。流石に細い足で支えるだけの強度を持たせようとすると面倒なので、天板は土台よりやや広げて足のスペースを確保する。続けて椅子を創造する。
「「土椅子生成」…」
ぽこぽこと丸い簡単な椅子が創られて行く。土テーブルの周囲に人数分…7つの丸椅子が生成され、土がお尻に着かないように表面処理を施していく。勿論、土テーブルにも同様に表面処理が施され、ツルツルのガラスのようになっていった。椅子は硬いとお尻が痛くなるので、表面はやや軟らかめに、内部はクッションでも仕込んであるように工夫してみた(具体的には、空気がやや抜けているゴム風船みたいな物が中に仕込んでいるような?)
「これで完成。後は弁当を配ってっと…」
巾着袋に手を突っ込んで、さぞそこから弁当を取り出すかのようにストレージから取り出して椅子の前に1つづつ配膳していく。以前試食した改良型弁当箱の改善型だそうで、今回は銅貨1枚だけ代金として払ったが食べた感想を後で必ず伝えるということで、割安料金となっているとのこと。完成の暁には銅貨3枚くらいになるらしい…
(それって弁当としてはどうなんだろうねぇ…誰も高くて買わない気がするけど)
どんな工夫が施されてるかわからないし、見てのお楽しみということで…
(飲み物は…まぁ水でいいかな)
取り敢えず土からコップを生成して表面処理はテーブルと同じく口を付けても問題ないようにツルツル加工を施してから
「さてと…って、あれ?」
準備が終わって呼ぼうとしたら全員が全員、こちらを凝視していた…なんだ、これ?…ちなみに、マリアさんもキャビンで座って待ってと伝えておいたんだけど、割と間近でこちらを凝視していた。御者の人は馬車の方から眺めてるんだけどね…仕事してよって思ったけど。
「え…っと?」
困惑して疑問形の言葉を零すと、
「なぁ…今、何してたんだ?」
とドレッドさん。周辺警戒の仕事ほっぽって何してるんだろ…
「それ、土魔法と水魔法…それに火魔法と風魔法も使ってたよな?」
サンジャさんかと思ったらゴウンさんだった。え、割と魔法に詳しいの?
「ザックくんだっけ?…相当な高等魔術を使う魔法使い…いや、魔導師なのか!?」
こちらがサンジャさん。下手に魔法を使えるからか誤解してるっぽい。いえ、探索者ですよ?…
「凄ぉ~い…ザックくん、魔導士なんだぁ~!?」
一部、絶句して黙り込んではいるものの、声を出している面々はザックのことを凄腕の魔導士か何かと勘違いしているようだった。マリアに至っては魔法使いのサンジャの勘違いを鵜呑みしている節があるが…
「あ…いえ、僕は…生活魔法しか使えないですよ?」
「何故疑問形?」
「「「うっそだぁ(うそつけぇ)~!!」」」
1人だけ僕の台詞に突っ込みを入れ、残りは嘘吐き扱い…酷いですよ…本当に生活魔法しか使えないのに…
・
・
「悪いな、飯を貰うとか…」
「いえ、これ、試食で安く売って貰えたもので。一応、食べた感想を伝える必要があるので、この紙に書いて頂ければ…」
と、ペンは1つしかないので感想文を書く用紙を全員に渡し、ペンとインクは回して貰って(持ってる人はその場で書いて貰ってるけど)待つ。食べ終えた弁当箱も回収しておく。弁当箱の傷み具合でコストダウンの材料にするそうで、まだまだ改良する気満々らしい。
「「「ご馳走様」」」
「いえ、お粗末様でした」
全ての食器と弁当箱を理由を話して回収し、洗浄せずに袋に入れて巾着袋に仕舞い込む…振りをしてストレージに収納する。
「それ、アイテムボックスかい?」
「え?…えぇ、まぁ」
遊撃アタッカーのゴウンさんから質問が飛んで来た。ダンジョンの時みたいに突っ込まれたらどうしようかと思ったけど、特に突っ込んだ質問は無かったから良かった。ゴウンさんは物欲しそうな目で見てたけど、はぁと溜息を吐いて目を逸らした。リーダーのドレッドさんが睨んでたからだろうね。
「各自トイレや準備を済ましておけ。終わり次第、野営地へ向かって出発するぞ」
休憩地には森や林を切り開き、馬車が数台停められる程度の空き地にトイレや水汲みの為の井戸があるだけの簡易施設しかない。が、サンフィールドに行く時に比べて水汲み用の井戸やトイレがある分マシだろう。
「僕もトイレ行っとくか…」
男性小用のトイレに立ち、用を済ませると女性2人もほっと息を吐いて出てきていた。何となく視線を逸らして馬車へ向かうと御者さんもトイレを済ましたらしく、今頃馬を馬車に繋いでいた。
「手伝いましょうか?」
と訊くが、
「大丈夫ですよ」
と返されて、取り敢えず馬を繋ぐ作業を眺めていた。もし、御者さんに何かあれば自分がやらなくてはいけない時もあるかもと見学してたんだけど、マリアさんが戻ってきたのでキャビンの中へ入って貰った後、再び見学を続行した。チラっと中を見たらご当人は膨れっ面をしてたけど気付かない振りをしておいた…後が怖そうだけどね(苦笑)
・
・
「じゃ、そろそろ出発するか」
ドレッドが声を張り上げて歩き出す。他の3名もドレッドに続くがとある場所に視線が集中している。ザックはその先を見ると、土テーブルと土椅子があった。
「あ~、あれってやっぱり消しておいた方がいいですか?」
「あ~、まぁ…残して行くとひと悶着あるかもな」
「「…」」
ザックはしょうがないと、土テーブルと土椅子に視線を向けて、一言。
「解除」
と呟くと、その全てが土塊と化して崩れた。
「「「え…」」」
あっさり崩れ落ちたテーブルと丸椅子に
ぎょっ!?
となる全員。いや、御者とドレッドは前方を見ていたし、マリアはキャビンの中で外を見ていなかったので気付いてないが。
「「「…」」」
無言となる3人に、ザックが
「どうしましたか?」
と訊くと、サッ!と前を向いて視線を合わさない冒険者たち。ザックは首を傾げていたが、まぁいいかと歩き出す。今回は馬車には乗らず外を歩くザック。何でかというとマリアと共通する話題が全く無く、貴族のお嬢様を目の前にして緊張しているという…「何この罰ゲーム!?」…という地獄から逃れたい…というのは本音で、建て前としては冒険者たちの護衛の仕事ぶりを間近で見学したいといって逃れてきたのだった!w
・
・
「あ。」
「どした?」
「前方に誰か居ます。後、左右と後方にも人らしいのが回り込んでます」
ザックの突然の報告に、ドレッドが「は?」という面持ちでアイシャを見る。
「…いや、わからないけど。どれくらいの距離だい?」
アイシャが数秒程集中してみたが何も感じず、本当かどうかわからないがザックに視線を寄越して一応訊いてみたのだが…
「そうですね…5分くらい歩いたくらいかと?」
時速4kmで5分歩くと凡そ333mとなる。少なく見積もっても300m程だ。森の中の街道はやや曲りくねっていた為、直線距離で300mともなると道なりに進めばそれなりになる。
「本当かどうかわからんが…挟み撃ちに遭うとすると厄介だな」
ドレッドが唸りながら前後左右を見えないとわかりつつも視線を動かして呟く。
「余りキョロキョロしない方がいいかも知れません。こちらが挟撃に気付いているとなると警戒すると思いますし…」
ザックがドレッドにアドバイスすると、「そ、そうか…」と落ち着かない心を無理やり落ち着かせていた。仲間たちは「やれやれ…」といいつつどう対策すればいいか近寄った時だ。
ひゅ~…かつーん……ころころ……
馬車に矢が射られ、そのまま金属の塊に当たったかのように跳ね返されて転がった。
「「「は?」」」
メガテン…もとい、目が点になる一同を他所に、ザックが転がった矢を拾いに行く。
「矢文です。また古風な…」
いや、今でも普通に常用されている情報伝達の1つである。ザックは結ばれていた手紙を解いて見る。
「…えと、脅しのようです」
「どれ…」
ザックからドレッドが矢文を受け取って読むと、そこにはこう書かれていた。
『マリアンヌ=フォーチューヌを大人しく引き渡せ。さもないと、全員の命は無いと思え』
「相手の名は無いか………」
ガタガタと震えだす…御者。いきなり「ハイヨー!シルバー!!」…とはいわないが、びしぃっ!っと馬の手綱を叩いて馬車を急発進させる。
「「「なっ!?」」」
冒険者連中は驚いてそれだけいうとめいめいに走っておいかけようとするが後手後手に回ったせいか追いつける筈も無く、次第に横っ腹を抑えて動けなくなる。俗にいう、「食べてすぐ動くと横っ腹が痛くなる病」である(そんな名前の病気はないw)
「…
ザックが遠い目をしながら
「なっ!?」
手綱を操作して御者が馬を止めようとするが、馬車は急には止まれない…土壁に馬と馬車が諸共に激突し…ぐにゃんと土壁がたわんで受け止められた。
「「「はぁっ!?」」」
固まる御者と冒険者たち。その中でザックだけが走りながら叫ぶ!
「待て!」
混乱して硬直していた御者が我に返り、御者台から飛び降りてキャビンからマリアを引き摺り出していた。その手にはナイフを持ち、マリアの首筋へと向けている。
「待てといわれて待つ馬鹿が何処に居るか!…へっへへへ…そこを動くなよ?動いたら殺すぞ!?」
ざざーっと足を止めたザックが睨むが、御者はナイフを突き立てるようにして優位に立つ。
「…くっ」
遅れて冒険者たちもザックの立っている辺りまで駆けて来るが、それ以上動けないでいる。
「まさか、賊の仲間が御者をやっていたとは…無念」
「…」
後衛火力担当が呪文を小声で詠唱を始めるが、
「お~っと、そこの魔法使い!…下手な真似はするなよ?…ずぶぅ~っといっちゃうぞ?」
「…くっ」
御者が僅かに力を入れると、マリアの首から僅かに血が流れだす。どうやら本気のようだと気付き、詠唱を破棄して歯をぎりりと噛み締める。
「今は我慢の時だ…サンジャ」
ドレッドの握る手から血が滴り落ちる。恐ろしい力で握り込み、指先が手の平に食い込んでいるのだろう…。
ぴゅぅ~いっ!
御者が口笛を吹くと、ぞろぞろと賊たちが集まりだした…その数は10数名。完全に周囲を囲んでしまっている。
「くっ…このままでは」
ぴくっと筋肉を震わせると、御者が見逃す筈もなくこう叫んだ。
「お~っとぉ…ドレッドさんよ。動くんじゃないぞ?…動いたらお嬢様が死んじまうぞぉ~?…そうしたら、依頼は失敗だよなぁ?」
仕事中の無表情の顔と打って変わって、人を小馬鹿にしたような愉悦の顔を向けて来る御者。そして…
「くっくっくっ…さて、と。おい、領主邸にはもう送ったか?」
「へい。こんな小娘でも大事な人質だ。身代金をたっぷり吹っかけてやりやしたよ!」
「当分遊ぶに困らない額にしただろうなぁ?」
「そうっすね…大金貨100枚っすね。まぁ、値切ったら殺さずとも片腕とか片足とか送り付けるって添えておきやしたけど」
「そりゃあいい!…出血多量で死ぬ前に身代金を出してくれりゃいいけどなぁ?」
「「「ぎゃははははは…」」」
などと騒ぎ始める始末。こちらが動けないのをいいことに、口が軽い様子にザックは溜息を吐き、冒険者たちは頭に血が昇って顔を真っ赤にしていた。
「リーダー。落ち着いて」
アイシャが声を掛けるが、何とか「わ、わかっている…しかし!」とやり取りを小声でしていた。
「さて…と。ここで無駄話しててもしょうがねーな。おい」
「へい」
ひゅんっ!
「ぐああっ!?」
見れば、小弓を構えた賊がサンジャに矢を放っていた。彼の右肩と左足を貫き、転がって呻いている。
「ぐうううっ…」
「ほい次」
ひゅんっ!
「がっ」
ドレッドの右足の
「ぐぅっ!?」
ゴウンの両足のふともも、
「…!」
アイシャの右腕と右足のふとももを貫く矢。冒険者パーティ「疾風のドレッド」は全員矢で貫かれ、転がるか
「ぎゃはははは…これで簡単に殺すことができるだろ?…お前らの腕前でもよぉ~?」
「え~、まぁ、これだけお膳立てして貰えば…」
「じゃ、サクっと
じりじりと包囲網を縮めてくる賊たちに、冒険者たちは絶体絶命の危機に瀕していた。だが唯1人、何故か攻撃を受けていない者が居る…そう、我らがザックくんだ!w
「舐めてんですか?」
「あぁん?…ガキか。てめえ1人で何ができるって?」
鼻から相手にしてないと御者は鼻で笑っている。しかし、ザックはその隙を見逃さなかった!
(
御者がマリアの首からナイフを離した瞬間、無詠唱で
「うおぉっ!?」
きんっ
地面から伸びた極細の土壁…見た目には針金のように細い棒が瞬時に伸びて、御者の手を貫き、ナイフも弾き飛ばす!
「ぎゃああああっ!?」
その隙に身体強化を掛けたザックは一気に御者とマリアの元へ駆け寄り、御者を蹴り飛ばすとマリアをお姫さま抱っこで抱えあげて馬車まで退避する。
「マリアさん、この中へ」
「え、は、はい!」
ドアを開けて中に入ると、馬車に強化を掛けて防御力を上げて保護を掛ける。勿論ドアは開かないように固定済みだ。
「てめぇっ!」
「何しやがる!?」
「殺ったらぁっ!!」
賊たちが駆け寄ってくるが無視してドレッドさんたちの元へ走るザック。
「皆さんごめんなさい。御者さんの隙を伺っていたら…」
「いやそれはいい。今の内にお嬢様を逃がしてくれ…ここは俺たちが何とか」
「いえ、それではドレッドさんたちが殺されてしまいます」
「しかし…」
ザックはこれ以上の問答は無駄だと判断し、
「痛いですが辛抱してください」
といって矢を引き抜く。それも、肉に絡み始めている所を強引に!
「「「ぎゃあああっ!?」」」
ぶっしゅううう!!!…と血が噴き出て絶叫を上げる4人。その声に、ビクッ!と流石にビビリが入って立ち止まる賊たち。
「じゃ、回復します」
「え?」
「これは…」
「「
矢を強引に引っこ抜いたせいで肉が少々失われてしまっているせいか瞬時に回復とはいかなかった。だが、ザックが3秒程ヒールハンドを掛け続けた結果、やや皮膚に跡は残ったもののほぼ完治していた(皮膚の傷跡を消したり筋肉の違和感を治すにはまだ時間が掛かるが)
「…十分だ」
「あぁ!」
「いくわよ」
「おう!」
疾風のドレッドの4人は、ほぼ消えてしまった傷口を…僅かに開いている服やズボンの穴をチラ見してから瞬時に立ち上がって叫ぶ。既に護衛対象は安全な馬車の中へと確保済み。自分たちの怪我もほぼ回復し、動くには問題はない。
「はは!…これで反撃しなくては…」
「「「男(女)が廃る(ってもんよぉ~っ!!)」」」
ザックの目前には盾で吹っ飛ばされる賊たち。矢で貫かれ返される賊たち。炎の魔法で焼かれる賊たち。大剣で吹っ飛ばされる賊たちと、様々なバリエーションの…
「き、ききき、きさまぁ~!」
御者…いや、元御者の賊がザックに迫っていた。
「「「ザックくん!?」」」
4人が賊たちを蹴散らしている間、いつの間にかザックに迫る魔の手…だが、
「はぁ…多分、このおっさんが賊のトップなんでしょ?…殺したら不味いかな…色々と訊き出す必要があるだろう…しっ!」
ぎゃりぃぃぃんっ!
とん
と首に手刀を叩き込んで気絶させるザック。
「ぐ…そ、んな…ばか、な………」
どさりと崩れ落ちる
「「「すご…」」」
唖然とするドレッドたち。
「そんなに凄くないですよ…ちょっと身体強化で素早く動けるだけですし!」
といいつつ照れるザック。
(((いやいや、それだけでそんなに動ける奴、見たことないわ…)))
ドレッドたちの心の声が、異口同音に一致した瞬間だった…
- 領主邸 -
「こ、こここ、これはぁっ!?」
「ご主人様、落ち着いてください!」
領主邸に身代金請求の脅迫状が届き、大混乱&大慌ての領主だったが…
「ただいま帰りました!」
と、当のマリアが前触れもなく帰宅する。
「…え?」
唖然とする領主に、遅れて到着したドレッドが説明責任を果たした。誘拐犯である賊たちとはいうと、
「領主邸に連れて行くよりは、マウンテリバーに引き返した方が早いだろう?」
ドレッドたちのいうことも尤もな意見ということで、領主邸にはザック、ドレッド、マリアの3名のみが向かい、賊たちはザックが生み出した土ロープで縛ってから他の3人が連行して行ったのだった。幸い賊たちに死んだ者はおらず、大怪我をした者はザックのヒールハンドで適度に治療して歩かせたという。
「そうか…とんだハプニングがあったようだが、ご苦労だったな…」
「いえ。ですが奴等には身代金の請求はついで。という気がします」
「ふむ…マウンテリバーに引っ立てた賊には取り調べが成されるのだろう?…それでわかれば良いのだが…」
「そうだといいですね…」
ドレッドは領主から特別報酬を受け取ってそのまま辞退し、ザックは残るようにいい渡されるのだった…
「え?…何故?」
「あ~…俺は先に帰るから。達者でな!」
「え、ちょ!…一緒に帰りますよぉ~!」
「だぁ~め! ザックくんはこっち!」
「えぇ~!?…へっ、へるぷみぃ~!!」
━━━━━━━━━━━━━━━
囚われのザックに明日は来るのだろうか?(謎)
備考:
探索者ギルド預け入れ金
金貨250枚、銅貨1617枚(変化なし)
ストレージ内のお金
金貨23枚、銀貨10枚、銅貨61枚(変化なし)
財布内のお金:
金貨1枚、銀貨12枚、銅貨69枚
本日の買い物:
なし
ザックの探索者ランク:
ランクC(変化なし)
護衛報酬:
未払い(後日受取予定)
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