三題噺.098:中間、開く、虹(120字)

 病院の屋上から飛び降りた私を虹が受け止めた。綿のように柔らかい七色のアーチの天辺てっぺんで濡れながら、こちらへホースを向け目を輝かせる少年を見る。「すげー!」そう叫ぶ彼も闘病中で、殆ど他人に心を開かないと聞く。彼の為にもう少しだけ生きてみようかな。

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