三題噺.097:ひまわり、ゼリー、船(140字)

 突如、海水がゼリー化した。一人で海を渡っていた男は水流を失い沈みゆくいかだを捨て、脆い凝膠体ぎょうこうたいを掻き分け近くの無人島へ必死に泳いだ。以後は窒息した魚を引き上げ食い繋ぐ日々。男は故郷から持ち出した向日葵の種を島に蒔いた。その花の眩しさがいつか目印に代わることを祈り、男は今なお救助を待つ。

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