三題噺.041:髪、横、デビュー

 疾風になびいたたてがみが眼前を横切っていく。遠ざかるひづめの音。後方で溜めていた四脚が栄光へ駆けていく様を、僕の左眼は確と捉えた。晴れ渡る競馬場に嵐を呼び寄せた新馬戦で、僕は彼が築き上げる伝説の礎となった。

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