敗因 / みょうせい

追手門学院大学文芸部

第1話

 1918年11月俺たちは、ドイツは敗北した。


 なぜ負けたのだろう、わからない、俺たちは勝っていたはずなのに。ロシアを下しフランスにもパリ近くまで侵攻していた、そして奴らにドイツの土地に踏ませなかったというのに屈辱的な講和を受け入れ植民地を失い、領土も失い、多額の賠償金を背負ったのか。

 俺たちが帰還した時宰相閣下が演説をして下さった時も言われていた、「いかなる敵にも諸君らは破れなかった。」と、ならなぜドイツが負けたのかがわからない。



 今日の新聞に英雄であるヒンデンブルク閣下の証言が書いてあった、「軍は国内線戦で社会主義者に裏切られたが戦場で敗れ無かった。つまり帝国は戦争に負けたのではなく、背後から鋭い刃物で一突きにされたのである。」と。

 あぁそういうことだったのか、やはり俺たちドイツは負けていなかったのだ!かの英雄が言っているから間違いない、社会主義者どもに扇動された結果敗北主義者どもが発生し、あんな講和を受け入れたのか!


 そして社会主義運動を主導していたのはユダヤ人だった、つまり俺たちドイツ人はユダヤ人のせいで負けたのだ、そうだそうに違いない。ユダヤ人が俺たちドイツを敗北させた原因なのだ!



後書き


 みょうせいです。今回は小説を書こうとした結果なんかすごく短いものが出来ました。正直これで大丈夫かわからないですが題材は「背後の一突き」です。これはドイツが第一次世界大戦で敗北した後に流れた噂で、なぜその噂が流れたかの過程を書いたつもりなのですがきちんと書けているかわかりません。次回はもっと多く書けるよう努力します。

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