第180話 前章までのあらすじ+茶番

岸田陸雄は甲子園出場を夢見る高校球児。


夏の甲子園に向けて、兵庫県大会二回戦が近づいていく。


陸雄は刻々と近づいてくる二回戦を前にして、ある夜の出来事から朝練を遅刻してしまう。


そして古川マネージャーとのラッキースケベの代償で原因不明の高熱を起こし、入院を余儀なくされる。


登板の機会を失った陸雄はメインヒロイン石渡清香の看病の中で―――試合に勝てるかどうか祈り続けるしかなかった。


そしてエース陸雄不在の中で、始まった二回戦。


相手は兵庫としては常連の伝統のある野球部―――西晋高校(せいしんこうこう)。


異能の天才海外打者ジェイク・ウインタースとキャプテンであり投手の戸枝剛との試合。


そして対するはマウンドでかつての埼玉シニアベスト2・サウスポー松渡と―――超打力持ちの配球理論派のハインのバッテリーが織りなす活躍!


だが、ジェイクには錦とは別次元の選球眼を越えた異常な打者としてのポテンシャルを秘めていた。


それに賭けた戸枝はキャプテンとして―――球児として試合を諦めなかった。


陸雄が退院する日に始まる中で―――二校との試合は終わりを迎える。


そして―――大森高校は勝利を収める。


観客の中には他校の偵察もいた。


そして次なる相手は、二回戦前に出会った真伊已率いる淳爛高等学校(じゅんらんこうとうがっこう)。



「やあ! みんなお久しぶり! 弱小野球部の名誉挽回の主人公、岸田陸雄です!」


「皆さん、お久しぶりです。そうでない方は初めまして―――この作品の作者の碧木ケンジです。うわっ! 陸雄君! いきなりアームロックをかけようとしないでくれっ!」


「碧木ケンジ先生、かけられる訳は知ってるでしょ? なぜなら三章で全然俺の出番なかったんだけど―――つーか試合に出てないよね? 主人公不在で試合が始まるとか、どうしてくれんの?」


「まぁまぁ、穏便に―――二章でのあらすじでの茶番からそうなる予兆を言ってたでしょ?」


「あんなんで気付く訳ないでしょ!? 今度からは俺の試合での登場は確実なものにして下さいよ! ただでさえ俺の主人公としての存在感が―――」


「大丈夫だよ、問題ない。今後そう言うことは起きないから……多分、きっと、おそらく」


「今度そう言う事態になったら、鬼のソバットかましますよ」


「そうならないように前向きに対応するよ。本編執筆前にプロットは最終回までしっかり書かれてるから、出番と見せ場はあるよ」


「ってかさ。碧木ケンジ先生……それはそれとして―――さっきからカメラの奥で凄い視線感じるんだけどさ」


「誰からだい? カメラ回してるハイン君や松渡君ではないと思うけど?」


「えーと、中野監督が日本酒飲みながら、イカの塩焼きとカルパス食べて―――こっちめっちゃ睨んでるよ」


「ああ、監督の好きな食べ物はそれなんだよね。本編で使われることはない無駄設定だから気にしないで、彼女の睨みは『下らねぇ茶番してないで、さっさと本編行け』って言う意味だからさ」


「えぇ……キャラのイメージ壊れるなぁ……。まぁ、あらすじもとっくに終わってるし、そろそろ本編行きますかね」


「うん。それじゃあ、今日の午後七時に続きの本編始まるから、お楽しみに!」

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