88 命日のお出かけ
こんにちは。
今日はひぃちゃんの命日でした。(ひぃちゃんは私の同級生で去年、長年の癌闘病の末に他界しました。詳しくは拙作「ひぃちゃん、つれづれ」をご覧ください)
ひぃちゃんは29日の朝、看護師さんの巡回でいつも通りの雑談をした後に急変して、そのまま……という話だったので、昨晩も明日の朝にはもう一年が過ぎてしまうんだなぁ……と思うとなかなか眠れなくて。
そんなこんなでも、朝はやって来ます。
今日は共通の友達のあーちゃんとひぃちゃんの実家にお邪魔させてもらって、お花とお供え物を持って行く予定にしていたので眠れなかったとしても、そこそこの時間起きたのですが、急に思い立って朝からアップルパイを焼きました。
本当に急に思い立ったので冷凍のパイシートに、まだ冷蔵庫に残っていたグラニースミスを切って生のまま乗せて焼くだけの味付けも何もしないパイです。
それでもりんごを剥くところから一時間以上はかかってしまう。
必死でパイも焼き、朝の準備もして、ちょっと遅刻気味であーちゃんと合流して、久しぶりのいつもの道を通って彼女の家までドライブです。
途中、去年もお悔やみの花を買った花屋さんでアレンジを購入。
去年は退院したら、あーちゃんが桜の枝を買って行くから、それを見ながら家でお花見をしようと言っていたのですが、それも叶わないままだった。でも何も事情の知らない花屋さんが偶然、お悔やみの花なのに桜の枝をアレンジに入れてくれていて、それが嬉しくて二人で泣いたのだけど。
今年も桜の枝をお願いします、とオーダーをしたので今年も、まだ蕾だけど三人でささやかなお花見です。
車中はもちろんバカな話をいっぱいして、勇者シリーズや特撮の歌をあーちゃんが鳴らしながら、ひーひー笑って。でも時々彼女が生きていた頃は、楽しくて仕方なかった外の景色に、胸を詰まらせて。
言葉が途切れると、説明のしようが無くて、二人ともなんとなく「あーーーー、」と言ってしまう。
どうしようもない気持ち。
お宅に到着して、ご自宅の一年で変わった事などのお話を聞いたり、私が発掘した写真を見たり、愛猫とじゃれたり。
もちろんお線香をあげさせていただきました。
涙は出なかった。不思議なことに。もう枯れたのかもしれない。
家を出る時は焼きたてだったアップルパイを渡してお家を後にしました。
グラニースミスはおばさんも覚えてくれていた。良かった。
帰りに、私とあーちゃんは恒例の回転ずしで、石垣へ行く相談を始めたのだけど、いつの間にか全部予約を取ってた。ずっと動かなかった計画なのに、動く時は早い。
来月ひぃちゃんの念願だった南十字星を見に行ってきます。
やっと叶えることができる。ほんと晴れてくれるかなぁ……そこが心配です。
見られるといいなぁ。彼女の形見にもらったアクアマリンとベリルを持って行ってきたいと思います。
今の世界情勢、もし彼女がまだ生きていたら、すごく心を痛めていただろうな。そういう人だったから。なので、それを知ることが無いままで良かったのかもしれないと思う気持ちと、彼女はどんなに心を痛めても生きていたいという人なんだろうな、と思う気持ちと。
生前、彼女と話していたサザンクロス駅を思い浮かべながら、何もないハズの宇宙に彼女だったら祈るだろう世界平和と鎮魂を祈ってきたいと思います。
今日は本当に疲れた。
脳が疲れているみたいだ。思い出したり喋ったりしすぎて、脳の言語野辺りが疲弊しているのかボキャブラリーが壊滅的。
さっき、ジンクスって言葉が出てこなくて長い時間うんうんと唸ってました。
……今日は寝られるかな。
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「ひぃちゃん、つれづれ」は、なろう・iらんどで公開しています。
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