手首を集めたい男を描く作家さんの作品です。冒頭からの雨の描写からラストの台詞まで心が和みます。素敵です！

焦ってしまう夕立、そこに差し出される一本の傘。
時間にすれば短いだろうけれど、変化していく「僕」の心の動きがよかったです。
そして雨というカーテンが上がって、二人のこれからが始まる気がして……。

本作はカクヨムWeb小説短編賞2021に応募されており、そのコンテストの受賞作品はコミカライズされ、賞金も10万円もらえます。
私も応募しているので自作品をコミカライズしてもらいたいですし10万円もほしいです。
ただ、一番漫画で読みたいのはどの作品かと問われれば、驚いたことに自分の作品ではなく、こちらの作品です。
ついつい、何度も読んでしまいます。なんと美しいストーリーと文章でしょう。
この物語は小説として完成されています。
だからこそ、漫画や短編映画といった別の表現でも見てしまいたくなるのです。
そんな希望や引力を持っています。
でも私も10万円はほしいです。
10万円あればニンテンドースイッチとPS5を買ってもまだおつりがあります。
すごいぞ10万円。

夕立と傘、これからつながる縁。
物語は短いのですが、想像を掻き立てる作品。
空が晴れるのと同時に読者の心も晴れ渡ります。

1000文字の中で描かれる、心地よいドラマ。
雨の日、雨やどりしながらつい考えてしまいそうなことが、見事に描写されています。

素直に、羨ましいなあと思いました。

突然の大雨。

雨宿りをしている一人の少女を見つけた主人公。自分が持っている傘を渡すか渡さないか悩む。そんな日常の一場面。でも、これも、ひとつの運命かなっと。

土砂降りの中、雨宿りしている女の子が気になる。
声を掛けて、傘の中に入れてあげたい。
声を掛けたい。
でも怖い。緊張する。

そう言った少年の心のせめぎ合いが、とても写実的に描かれていました。
たった1000文字弱のシーンの切り取り。でもその切り取りがあまりに鮮やかで、いつまでも余韻に浸っていられるような、そんな作品でありました。

傘を巡る短編小説です。
作者【坂井令和】様の作品を数多く読んできた自分としましては、いつもと違う雰囲気を感じざるを得ませんでした。

とにかく爽やか！！
そこに降る雨が上がったあとの青空のような爽やかさ！！

1000文字という短い文章の中に、繊細な心の動きが描かれ、そしてスカッと終わる。

こんな爽やかなアオハル世界も書けるのですね、作者様。
やはり、この作者様には底知れない才能を感じてしまい… 続きを読む

　極めつけにまともで面白い。健全だ。清々しくすらある。コンパクトな中にもスカッと切り口よく決めた展開が光る。まさに尊いと称するにふさわしい。

　以上全てが、作者のご作品をあれこれ読んできた私としては百パーセント正直な気持ちであると同時に違和感を何故か禁じ得ない。

　必読本作。

雨の日の何気ない一コマ。
その女の子は、傘を持っていないみたいだけど…さあ、どうする？

『傘』が運ぶ、さりげないけど優しい気持ち。
きっと読者の心にも、ほっと温かな心を届けてくれるはずです。