第279話 看板

 肉屋の看板とかで、牛や豚や鶏みたいな食材サイドがシェフの格好して笑顔で客を呼び込んでたりする。


「ねぇ、ああいうのって『食われるお前が客を呼び込むのかよ!』ってなるよね」


定番ネタだがおくさんの反応は冷たい。


「あんなのは全然良いでしょ。既に精肉された同胞が生ゴミになって犬死にするくらいなら、せめて栄養になって意味を持たせたいのが人情ってもん」

「それは、そうかも……」


もしかしたら彼らのあの行為は、必死に同胞の死に尊厳をもたらす為の弔いなのかも知れない。


おくさん、深いこと言う……


「だからあれはあれでいい。問題は『キャベツ◯郎』なんだが? パッケージのアイツは誰なんだよ」


台無しだよ、おくさん……。


後で調べたらカエルポリスなのはキャベツと関係無いようで実は意味があるらしい。

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