第262話 ハグ
僕が仕事から帰って来たら、珍しくおくさんが迎え出て来た。
「おや、どうしたの?」
「ん」
おくさんは具体的なことは言わず、両腕を広げた。ちょうどハグを求めるような……。
お帰りのハグなんて、急に洒落た習慣身に付けたじゃないか。
僕もそれに応じておくさんを抱き締めると、
「ちょ、ちょ、何してるの!?」
おくさんは急に僕の右肩によじ登ろうとし始めた。
「いつか私を担いで逃げる日の為に、練習しといてもらおうと思って」
「負傷兵になって後送される予定でもあるの?」
重いとは口が裂けても言うまいが、背が高いのでおくさんを担ぐのは苦労する。
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