冴えないクラスのモブだと思っていたら、リアルとネットで人気者だった件
滝口深夜が中学生の頃、両親が離婚した。理由は妹の花音が深夜の父親と血縁関係になかった為だ。つまるところ、母は不倫をしていたらしい。
しかし、数年かかった裁判の末、妹の親権は母親に奪われ、花音は連れられてしまった。
深夜は父親に引き取られ、そのまま家に残された。
最愛の妹は、最後まで深夜に何も言わなかった。
3年が経ち、家に残っていたアルバムを開いた時、一枚の手紙を発見する。
『――――――――』
残された言葉を発見した深夜は、前向きに生きることを決める。
酷い顔色の登校中、電車の中で、老害に困らされていたクラスメイトの銀髪美少女に会った。嫌なことを嫌だと言えない性格を妹に重ねて、つい声をかけてしまう。
その日から、クラスの空気だった深夜の生活が変わった。いや、違う。変えざるを得なかった。
深夜はクラスのモブ的な立ち位置にいると勘違いしていたが、実は『寡黙な王子』という二つ名で呼ばれ女子の中で人気があった。
4つの派閥で分かれた各々のクラスメイト達から、痛々しい二つ名を払拭するため、深夜は持ち前の口の悪さを解き放つ。しかし、嫌われようと無茶な行動は妹の存在がストップをかけてくる。さらに、深夜をカーストトップにしたい派閥がいて……激動の高校生活に巻き込まれることになる。
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