慎吾ママ、ウィルコム、羞恥心……懐かしいですよね⁉︎
少しでも懐かしさを感じた方、難しいことは言わないのでぜひ読んでみて下さい。
「何それ?」となった方、平成の青春を覗いてみせんか?
物語は平成中頃を舞台に、兄弟とご近所の女の子という幼馴染間の甘酸っぱい三角関係が描かれます。
恋愛小説要素はあるのですがそれだけではなく、複雑な人間関係を描く現代ドラマでもあり、濃密な心理描写に自然と引き込まれます。
平成に青春を過ごした全ての方はもちろん、「平成の若者ってどんなこと考えてたのかなー」と思った方や、「胸を抉るような心理描写が読みたい!」と思った方々にとてもお勧めです!
一人の女の子をめぐって、兄弟どっちとくっつく———?
あらかじめ見出しでも掲示されてる通り、どちらかとくっつくこの物語。
『タッチ』みたいな感じの話かと思いきや、どっちがくっつくかまるでわからない。どっちとくっつくんだろう?って楽しみながら読み進められます。
この作品の素敵だなあって思う点は2つあります。
1つはこの時代の空気感。2000年代初頭のSMAP、松浦亜弥、おっはー、ぷよぷよ、ウィルコムなどなど、彼らの回想と、その時代に忠実な流行したものが出てくるので、懐かしい、エモい、一周回って“新しい”。
2つ目は心理描写。繊細な心の動きがつぶさに描かれていて、かつ説得力があります。例えば兄貴と好きな子のキスを見た幼稚園児の反応の描き方。幼い子がどんな反応するかなんて考えたこともないけど、きちんと丁寧に描かれているので、“あ、わかる、そーかも…”とか思います。
眼に見える時代の躍動と眼に見えない心の微動がハーモニーとなっている素敵な作品です。おすすめ!
2・1②まで読みました。
「おはーでマヨチュッチュ」
この一文がメロディ付きで読めちゃった人は全員この小説を読んだ方が良いですよ。
あの頃の空気がぎゅーっと凝縮されて再現されてます。
当時の子ども目線からこの時代のことを此処まで濃密に書いてる小説もそんな無いですよ。
あまりの懐かしさに狼狽えました。
この小説の凄い所はそんなノスタルジーだけでは無い所です。
あらすじにも書かれていますが、ヒロイン夏とくっつくのは兄の早人か弟の勇人どちらなのかを推理していく構成になっております。
早人と勇人二人の視点から描かれる胸キュン青春ラブストーリーを「どっち!?」とハラハラドキドキしながら読むのがとても楽しいです。
今の所、私が好きになった方の人とはくっつかないんじゃないのかなあーという気がしてます。
でも、二人の心情がそれぞれみっちり描かれている訳ですから、最終的には正統ラブストーリーとしてもBSSとしても非常に美味しくなるんじゃなかろうかと期待してます。
今後も楽しみにしております。