434_疑り深い人より信じる人のほうが嘘を見抜ける #言葉 #性格

「物理学者の寺田寅彦は『疑うがゆえに知り、知るがゆえに疑う』と言いました。科学の発展は常識を疑うことから始まります」


「やっほー、役立つ知識を伝える世界一の美女サクラです! 今回は『疑り深い人より信じる人のほうが嘘を見抜ける』です。よろしくお願いします」


「以前に信じるものは救われる、という内容のお話をしました。”345_どうやら「信じる者は救われる」は科学的にも正しいみたい”のことです」


「この話の対象は神様でしたが、実は、他人を信じることも結構なメリットがあることが判明しました」


「そこで、今回は他人を信じるとどういうメリットがあるのかお話ししようかと思います。読者様もこれからは、神様の他に他人を信じましょう」


「参考文献はカナダのトロント大学が行った研究となります」


「研究者はまず、8つの模擬面接を撮影しました」


「ただ普通に撮影したのではありません。半分の撮影に関しては、面接を受ける人が面接官の質問すべてに正直に答えました」


「残りの半分の撮影では、面接を受ける人が面接官の質問に嘘と真実を交えて答えました」


「その次に参加者を集めて、先程撮影したビデオを見てもらいました」


「そして、嘘が見抜けるのか実験を行いました」


「ただし、参加者には事前に性格診断テストを受けてもらいました」


「テスト結果によって、他人を信じる人と他人を疑う人に分けていました」


「要するに、他人を信じる人と、他人を疑う人で、嘘を見抜く能力に違いがないのか調べたのです」


「読者様はどう思いますか?」


「他人を信じる人は嘘を見抜けると思いますか?」


「騙されるほうが悪い、なんてことが言われてたりしているので、他人を信じる人は嘘を見抜けないのでしょうか?」


「疑り深い人は嘘を見抜けるのでしょうか?」


「常日頃から疑ってかかっている人は目が肥えて、嘘も見抜けるようになるのでしょうか?」


「はたして、どちらのグループが嘘を見抜けるのでしょうか? とはいえ、最初に信じるもののメリットを紹介すると言っていますので、答えは一目瞭然ですね」


「そう、分析の結果ーー他人を信じる人のほうが嘘を見抜けていました!」


「疑っていたほうが嘘を見抜けそうなものですが、実際は他人を信じる人のほうが嘘を見抜けるみたいです」


「疑り深い人ほど、悪い人に騙される確率が高くなります。他人を信じられない読者様はカモにされないように気をつけましょう」


「読者様も嘘を見抜きたければ、みんなを信じることにしましょう。信じるものは救われる、ですよ」


「どうして、他人を信じる人が嘘を見抜けるのか詳しい理由はわかっていませんが、研究者は仮説を二つ立てています」


「一つ目の仮説は、嘘を見抜く能力が高い人はわざわざ人を疑う必要がない」


「元から嘘を見抜けるのなら、わざわざ他人を疑う必要はありません。そのため、最初から他人を信じるのです」


「他人を疑う労力というのはバカになりません。エネルギーを節約するためにも、疑うことをしないのでしょう」


「嘘を見抜く能力がない読者様はご愁傷様です。常に周囲を疑わなければならないので、たくさんの労力を割く必要があります。毎日、疲労困憊になっていることでしょう」


「大変ですね」


「二つ目の仮説は、他人を信じることで嘘を見抜く能力が鍛えられる」


「他人を疑っている人は、この人は何か隠し事をしているに違いない、と固執して頭が凝り固まっています」


「そのため、視野が狭くなります。相手の一つの面しか見ません」


「対して、他人を信じる人は、相手の色々な面を見ることになります。正直な部分と嘘の部分の両方を見比べることができるので、自然と嘘を見抜く能力が鍛えられるのです」


「あくまで仮説なので詳しいことは不明です。鶏が先か、卵が先か、みたいな話です」


「とりあえず、読者様がすぐに人を信用する性格なら、嘘を見抜く能力が高いことでしょう」


「また、周囲に他人をすぐに信用する人がいるのなら、その人には嘘をつかないほうがいいです。見破られる確率が高いです」


「どうしても、嘘をつきたいのなら、疑り深い人にしましょう。気持ちよく騙されてくれるでしょう」


「ただし、一度嘘をつくと取り返しがつかなくなります。以前にも”187_嘘つきは大嘘つきの始まり”で紹介したように、一度嘘をつくと、どんどん嘘がエスカレートします」


「人生、嘘はつかないほうがいいですよ」


「それに嘘は半分の確率でバレます」


「一般人でも、心理学者でも警察官でも、嘘を見抜けるのは半分少々です。嘘がバレるリスクを考えたら、嘘をつく理由はありません」


「嘘は損失が大きいです。なので、読者様は嘘をつかないようにしましょうね」


「ということで、今回のまとめです」


「研究者は正直者しかいない面接風景と、嘘つきがいる面接風景のビデオを撮影したよ」


「そのビデオを、他人を信じる人と他人を疑う人の両方に見せて、嘘を見破ってもらったよ」


「すると、他人を信じる人のほうが嘘を見抜いていたよ」


「嘘を見抜きたければ、他人を信じることだよ」


「読者様も嘘に騙されないように、他人を信用してみようね」


「他人を疑うほうが騙されるからね」


「疑ってかかったほうが騙されにくいイメージがありますが、結果は真逆でした」


「読者様も世間のイメージに流されないように気を付けてください」


「ということで、今回は『疑り深い人より信じる人のほうが嘘を見抜ける』でした。知識の足しになれば幸いです」


「ありがとうございました。高評価、コメント、リクエスト、お願いします」


「次回の『「正しい情報を集めたら最善な判断ができる」は間違っている!』で、会おうね! 目指せ、知識の完全制覇。バイバイ」



参考文献

Not Pollyannas: Higher Generalized Trust Predicts Lie Detection Ability

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