366_健康になりたければ、健康のことを考えるな #健康 #思考

「イギリスの哲学者アダム・スミスは『人間は仕事がないと、健康を損なうばかりでなく精神的にも退廃する』と言いました。適度に働かないと人間、ダメですよね」


「やっほー、人生が楽しいに違いない読者様。悩み解決請負人の世界一の美女サクラです! 今回は『健康になりたければ、健康のことを考えるな』のお話です」


「では、よろしくお願いします」


「読者様は健康について考えていますか?」


「え? 『健康かどうか不安で不安で仕方ない』ですか。健康かどうか心配があるんですね」


「その考え、今すぐ捨てたほうがいいです」


「健康について考えるのは、よろしくありません。健康のことを考えれば考えるだけ、読者様は不健康になるのです」


「矛盾しているように感じますが、真実なんです」


「ということで、今回は健康について考えることを考えるお話をしたいと思います」


「読者様には健康になってもらいたいですから」


「今回の参考文献はノルウェーのベルゲン大学が行った研究となります」


「研究者はノルウェーで行われた健康調査のデータを使用しました」


「1953年~1957年に生まれた7052人を対象に、健康、ライフスタイル、学歴などのアンケートが行われました」


「アンケートの他にも、身長、体重、血圧、血液などの身体データも収集しました」


「さらに、意識についても調査しています。参加者に対して、健康についてのどのような考えを持っているのか調べました」


「その後、10年以上追跡をして、健康についてどのような考えを持っているかで、違いがあるのが調べました」


「要するに、健康について考えているか、健康に不安があるかないか、健康に気を使っているか、などで病気のリスクが変わるのか調べたのです」


「さて、読者様はどう思いますか?」


「健康について考えている人が、健康な人生を送れていると思いますか?」


「健康のことを考えるということは、健康に気を使っているでしょう。長生きしてもおかしくありません」


「それとも、逆に健康なんかどうでもいい、と考えている人が長生きするのでしょうか?」


「楽天的な性格の人が長生きする事例はたくさんあります。健康についても同じなのでしょうか?」


「はたして、健康とどう向き合うのが一番なんでしょうか?」


「分析の結果ですね、健康について考えている人は病気に…………なりやすいことが判明しました!」


「健康について考えれば考えるほど、不健康になっていたのです!」


「正確には健康に不安がある、という考えを持つ人は病気になりやすかったです。まさに病は気から、だったのです」


「まあ、健康について考えるのは、健康に不安があるからに他なりません。健康に不安がない人は健康について考えませんから」


「だから、読者様も健康については考えないようにしましょう。読者様の健康は、健康を気にしなくなることから始まります」


「ちなみにですが、健康について考えている人は、健康を考えていない人の2倍も病気になりやすいです」


「分析の結果、心臓発作や狭心症などの虚血性心疾患に罹る割合が2倍でした」


「健康について考えない人は3%が病気になりました。ですが、健康について考えている人は6%が病気になりました」


「これは、健康について考えている人が73%も多く、心疾患のリスクが増えていることに他なりません。しかも、不安が強ければ強いほど、リスクが上がります」


「読者様も心臓を守るために、健康について考えるのはやめましょう」


「急に考えるのをやめろ、と言われて『はい、分かりました』というのは難しいでしょう」


「そんな読者様は、毎日『私は健康だ』と言うようにしましょう。毎日続けていれば、健康だと思い込めるに違いありません」


「また、読者様の身の回りに健康について不安を抱えている人がいましたら、楽天的な言葉をかけましょう」


「健康のことを考えさせると余計に不健康になってしまいます。健康なんて気にしなくていい、と声をかけてあげましょう」


「健康のことを考えても仕方ないですよ」


「まあ、私が何度も何度も健康は大事だと語っているので、説得力が薄いですが……」


「あくまで問題は、健康に不安を抱えることです。健康について考えるのは問題ありません」


「『もしかして、私って不健康かも』という考えでなければ大丈夫です」


「不安は怖い、という所で今回のまとめです」


「研究者は7000人以上の人に健康問題についての意識調査を行ったよ」


「すると、健康のことをよく考えて、健康に不安があると思っている人は病気になりやすいことが判明したよ」


「心臓発作や狭心症のリスクが大きく増えるから、健康についてはあんまり考えないほうがいいよ」


「読者様、健康については過度に不安にならないでください。その思考が読者様を不健康に導きます」


「健康的な食生活、健康的な睡眠、健康的な運動を心がけていれば、健康でいられます。食事、睡眠、運動に気を付けて、堂々と健康だ、と言い張れるようにしましょう」


「思い込み一つで健康は作れますよ」


「ただ、今回の研究は観察研究です」


「不安と心疾患に確実な因果関係があることが確認されたわけではありません」


「不安を抱えているとメンタルがやられます。うつ病や不安症を発症することもあります。その結果として、心疾患になったのかもしれません」


「因果は不明ですが、あまり健康については不安に感じる必要はないでしょう」


「悲観的な人より楽天的な人のほうが長生きする、というデータもあります」


「考えた所でどうしようもないことは考えないほうが無難ですよ」


「ということで、今回は『健康になりたければ、健康のことを考えるな』のお話でした。読者様の人生の潤いになれば嬉しいです」


「最後まで、ありがとうございました。高評価、コメント、お願いします」


「読者様の『あれが知りたい』というリクエストも受け付けてます!」


「次回の『思い込みの力がすごい件』で、会いましょう!」


「いくぜ、知識の宝物殿。バイバイ」



参考文献

Health anxiety and risk of ischaemic heart disease: a prospective cohort study linking the Hordaland Health Study (HUSK) with the Cardiovascular Diseases in Norway (CVDNOR) project

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