329_記憶力がいい人がしていること #記憶 #行動

「ロシア文学を代表する文豪レフ・トルストイは著書『読書の輪』にて『知識は、記憶力によってではなく、自分の思想上の努力によって獲得された時にのみ知識であり得る』と語っています。覚えているだけでは、知識とは言えません」


「やっほー、人生の悩みが解消しているに違いない読者様。知ってて損のない知識を配達している世界一の美女サクラです! 今回は『記憶力がいい人がしていること』のお話です」


「では、よろしくお願いします」


「読者様は勉強したことをきちんと記憶できてますか?」


「いくら効率のいい勉強法を知っていても、記憶力がお粗末では宝の持ち腐れです」


「世の中には、記憶力のいい人と悪い人がいます。その差は何なのか調べてくれた研究があります」


「なので、今回は記憶力がいい人は何をしているのか、についてお話ししたいと思います」


「読者様には、効率のいい勉強法と、記憶力の強化で、時間の有効活用をしてもらえれば幸いです」


「参考にさせていただくのは、アメリカのスタンフォード大学の研究です。是非、心して聞いてください。今回のお話を覚えられなければ元も子もないですよ」


「研究者は平均年齢21歳の健康な男女80人を集めました」


「その被験者に何をしてもらったのかと言いますと、ちょっとした記憶力のゲームです」


「一旦、画面にオブジェクトが表示されるので、それをを覚えます。その後、覚えたオブジェクトと新しいオブジェクトが表示されるので、ルールに従って分類するという内容です」


「ゲームの際、被験者には脳をスキャンするため、EEGを装着してもらい集中力も調べました」


「他にもアンケートにも答えてもらいました。衝動性、ゲームのプレイ時間、集中力、マインドワンダリング、記憶力、マインドフルネスなどを調べる質問を行いました」


「集めたデータを分析した結果、記憶力のいい人の特徴が判明しました」


「さて、読者様は記憶力がいい人は、どんな人だと思いますか?」


「ゲームをしている人は頭がいい、というお話をしたことがあります。ゲームのプレイ時間が多い人が記憶力もいいのでしょうか?」


「それとも真面目な人が記憶力がいいのでしょうか? 健全な精神が健全な記憶力を育んでくれるのでしょうか?」


「もしくは、記憶力は生まれつきのもので、後から鍛えることは不可能なのでしょうか?」


「一体、何が正解なのでしょうか?」


「それでは、答え合わせです」


「分析の結果、記憶力がいい人の特徴は…………シングルタスクでした!」


「目の前のことだけに集中している人は、記憶力がよかったのです」


「他のことをしながら、何かを覚えている人は記憶力が悪い、という結果でした」


「目の前のことに集中して、他の余計なことを考えないことが記憶の近道なんです。余計な情報はシャットアウトに限ります」


「マルチタスクが著しく生産性を下げるというのは常識になりつつあります。読者様の中にも知っている人が多いでしょう」


「だから、勉強中は音楽をかけなかったり、テレビを点けないといった対策をしているかと思います」


「しかし、マルチタスクの悪影響はマイナス効果は、マルチタスクを行っている時に限らないかもしれません」


「今回の研究によって、普段からマルチタスクを行っていると、いざという時に記憶力が発揮できないことも示唆されています」


「マルチタスクが多いと答えた被験者は、記憶力のゲームの成績が低かったのです」


「どうやら、普段からマルチタスクをしていると脳の機能が低下して、記憶力も下がったと考えられます」


「読者様も普段からマルチタスクを行っていませんか?」


「テレビを見ながら、食事をしていませんか?」


「動画を見ながら、SNSの更新をしていませんか?」


「小説を読みながら、音楽をかけていませんか?」


「仕事中にデートの予定を考えていませんか?」


「旅行中にスマホで関係ないことを調べていませんか?」


「これらのようなマルチタスクを行っていると、脳の機能が低下するかもしれませんよ。気を付けてください」


「ただ、確認されたのは相関関係です。マルチタスクが必ずしも、脳の機能低下を招くとは限りません。他の要因で記憶力が低下していた可能性もあります」


「元々記憶力が悪い人がマルチタスクが好きなのかもしれません。記憶ができないから、効率がいいと誤解しているマルチタスクに飛び付いているのかもしれません」


「人の脳はマルチタスクができるようにはなっていません。マルチタスクと思っているのは、ただのタスクの切り替えです」


「Aという作業とBという作業を同時にしているように見えても、本当はAとBを高速で行き来しているにすぎません」


「AをやってBをやる、BをやってAをやる、を延々と繰り返しているのです」


「このタスクの切り替えがあるから、マルチタスクは効率が悪いのです。しかも、高速で切り替えが行われるので、まるで同時に複数のことができているような勘違いをしてしまいます」


「Aだけをやり続けて、終わった後にBに移行すれば、タスクの切り替えの回数は1回です。無駄が少ないので早く終わるのは当たり前です」


「それに、あっちに行ったりこっちに行ったりしていると、記憶が散らかってしまいます」


「バラバラに情報が記憶されるので、本来覚えられるはずのものも覚えられなくて仕方ありません」


「マルチタスクは普段からしないのが肝心、ってな感じで今回のまとめです」


「研究者は被験者を集めて記憶力を試すゲームをしてもらったよ」


「その結果、マルチタスクをしている人は記憶力が悪かったよ」


「普段からマルチタスクの人は、脳の機能が低下している可能性もあるよ」


「『覚えておいてね』って言いたいけど、普段からマルチタスクの読者様は覚えられないかもね」


「だから、今回は『覚えられるなら、覚えてみろ』って言うことにします」


「とはいえ、私も油断するとマルチタスクをしちゃうことがあるんですよね。ほんと、気を付けないといけないですね」


「ということで、今回は『記憶力がいい人がしていること』のお話でした。読者様の人生の潤いになれば嬉しいです」


「最後まで、ありがとうございました。高評価、コメント、お願いします」


「読者様の『あれが知りたい』というリクエストも受け付けてます!」


「次回の『「失業するかも」という不安が性格を悪化させる』で、会いましょう!」


「もしくは、読者様が気になるお話でもいいですよ。目指せ、知識の宝物殿。バイバイ」



参考文献

Memory failure predicted by attention lapsing and media multitasking

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