270_間違った考えに固執する人が生まれる理由が判明した #思 #頭脳

「経営者と言えばこの人、のピーター・ドラッカーは『あらゆる知識が、やがては間違った知識となる』と言いました。どのような知識もいずれは風化します。常に知識は更新しなければなりません」


「やっほー、賢明なる読者様。読むだけで人生よくなる知識を提供する世界一の美女サクラです! 今回は『間違った考えに固執する人が生まれる理由が判明した』のお話をしたいと思います」


「では、よろしくお願いします」


「読者様の身の回りに、頑なに間違った考えに固執する頭の固い人はいませんか?」


「え? 『いる。とても困っている』ですか。それは、大変ですね」


「どんなに間違っている証拠を出しても、駄々をこねる子供のように自分の間違いを認めない人がいます」


「そういった有害な人には関わらないのが一番ですが、不思議に思いませんか?」


「どうして、『間違った考えに固執するのだろう?』と」


「ロチェスター大学で行われた研究から、間違った考えに固執する理由が判明しました。ですので、今回は間違った考えに固執する残念な人についてお話しします」


「読者様は間違った考えに固執しないために、そして間違った考えに固執している人の考えを変えるために有効活用してください」


「研究者は552人を集めて、24種類におよぶ様々な図形を見せる実験を行いました」


「図形は大きさ、形、色が違うものが表示されて、『これはdaxxyですか?』と質問されるので、イエスかノーで回答します」


「図形は全24種類なので、問題数は24問となります」


「回答すると、『これはdaxxyです』もしくは『これはdaxxyではありません』と答えを返してくれます」


「表示する図形を何度も変えて、質問を繰り返して、最終的にdaxxyとは何かを探る実験をしました」


「10問20問と何度も質問を繰り返すことで、被験者はパターンを発見し、daxxyとは何なのかを推測してもらったというわけです」


「ちなみにdaxxyとは、研究者が作った言葉なので特に意味はありません」


「今回の実験を行うことで、人がどのような時に確実性を判断するのか判明しました」


「要するに、確信を抱いたのはどの時点か判明したのです」


「読者様はどの時点で被験者がdaxxyの正体を確信したと思いますか?」


「序盤? 中盤? 終盤?」


「普通に考えると序盤に確信を抱くことはないでしょう。情報が出揃っていないです。判断するには早いです」


「では中盤でしょうか? 情報もある程度集まっているので、推測も可能となります」


「それとも終盤でしょうか? ほとんど情報が集まっているので、確信を抱いてもおかしくありません」


「分析の結果ですね、最後の4問~5問で確信を抱いていました」


「え? 『やっぱり最後に確信するんだ』ですか。いいえ、そう簡単な話でありません」


「どうやら実験の結果、人は途中経過なんか関係ないことが判明しました」


「序盤から中盤までの質問に正解していようが、間違っていようが関係ありません。最後の数問に正解していればdaxxyの正体に確信を持っていました」


「daxxyの正体を探るために学んでいた過程は無意味だったのです!」


「途中の質問を軽視したりといったことはありませんでした。きちんと質問に回答していました」


「あくまで、daxxyの正体を推測するのに使ったのは最後の情報だけでした。途中で集めた情報は使っていなかったのです」


「もったいないと言いますか、それとも無駄なことに時間を使っていると言うべきか……」


「ともかくですね、何かを判断する時に大事なのは……最後だけだったのです」


「途中にどれだけ正しい答えがあっても、最後に間違った答えを提示されると、それが正しいと思ってしまうのです」


「終わり良ければすべて良し、と言うように最後がよければ、全てよく見えてしまいます」


「逆に、最後の最後で失敗すると、今まで積み上げてきたものが全て失ったように感じます」


「それほどまでに、最後というのが大切なんです」


「読者様も気を付けてください。これは誰にでも起こることです」


「会社で重要な判断を下す時、最後に集めた資料だけで判断していませんか? ちゃんと集めた資料の全てに目を通してください」


「最後が間違っていたら、それ以外が正しくても、パーですよ。努力も時間も労力も水の泡です」


「最後のほうが知識と経験があるから、精度が高いと勘違いしていませんか?」


「そんなことはありませんよ。それは、ただの錯覚です」


「人には、後から出てきた情報のほうが価値が高いと判断しちゃうんです」


「賢明なる読者様は誤った判断を下さないようにしてくださいね」


「全体を俯瞰することが大事、ということで今回のまとめです」


「研究者は人を集めて、色々な図形を見せて、daxxyという架空の言葉の意味を探らせたよ」


「すると、参加者のほとんどは最後の数問の質問でdaxxyの正体を確信していたよ」


「つまり、途中経過なんてどうでもよくて、最後が正しかったら自信を持って、それが正しいと思っちゃうよ」


「途中経過を蔑ろにしているのではないけど、判断材料にすることはないよ」


「読者様も最後の情報だけで判断しないように気を付けてね」


「目標のために頑張る際は、最後に行ったことばかりに注目しないでください。途中にもヒントが散らばっているはずです」


「最新の情報しか集めていないと、判断が偏ります」


「また、この研究は詐欺師に騙されやすい人を説明できる可能性があります」


「とにかく、詐欺師は最初にターゲットと親密になります。この際の会話の内容はどうでもよくて、最後に取っておきの情報を持ってきます」


「あら不思議、途中経過なんかどうでもよくなって、最後に提示された素晴らしい商品に食いつくではありませんか」


「本当に売り付けたい商品を最後に持ってくることで、ターゲットに買わせているのです」


「ひゅー、恐ろしい」


「ちなみにですね、一度間違った考えに固執すると外部が『あーだこーだ』言っても意見を翻しません」


「自分で気づかないと意見を変えることはありません。ですので、他人の考えを変えたければ自分で再度調べるように誘導するしかありませんよ」


「ということで、今回は『間違った考えに固執する人が生まれる理由が判明した』のお話でした。読者様の知識になれば幸いです」


「お付き合いいただきまして、ありがとうございます。高評価や応援コメント、質問やリクエストも待ってまーす!」


「次回の『毎日の睡眠時間を少し削るのは徹夜しているのと同じ』で、お会いしましょう」


「もしくは、読者様の気になるお話でお待ちしております。バイバイ」



参考文献

Certainty Is Primarily Determined by Past Performance During Concept Learning

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