137_朝食を抜いたら太る? それとも痩せる? #食事 #ダイエット

「今回はレオナルド・ダ・ヴィンチの言葉を紹介しましょう。『老年の欠乏を補うに足るものを青年時代に獲得しておけ。そしてもし老年は食物として知恵を必要とすることを理解したら、そういう老年に栄養不足にならぬよう、若い内に努力せよ』」


「やっほー、人生よくなってる読者様。使える知識をお届けする世界一の美女サクラです! 今回は『朝食を抜いたら太る? それとも痩せる?』のお話をしますよ」


「では、よろしくお願いします」


「読者様は朝食を食べますか?」


「え? 『食べる時と食べない時がある』ですか。なるほど、忙しい朝は朝食を抜いてしまうのですね」


「食べる時は食べて、食べない時は食べない。そういった読者様も多いかと思います」


「ですが、こんなことを聞いたことがありませんか? 『朝食を食べると痩せる』という言葉です。朝食を食べないと太りやすくなる、と言い換えてもいいですね」


「ですが、本当に朝食を食べることが痩せることに繋がるのでしょうか?」


「朝食を扱った研究では、朝食を食べると太る、という結果も出ています。実際の所、どうなんだろうか?」


「ということで、オーストラリアのモナシュ大学などの研究チームが、1990年~2018年に行われた朝食と体重の関連を調べた研究を集めて、そこから13件をピックアップしてメタ分析を行いました。主にアメリカとイギリスの研究を分析しました」


「さて、結果はどうなるのでしょうか? 読者様は朝食を食べる派ですか? それとも朝食は食べない派ですか?」


「ちなみに朝食を抜くと太る、と言われる原因は体内時計が関係しています。朝食を食べることで体内時計がリセットされます」


「逆に言えば、朝食を食べないと体内時計がリセットされません。体が起きているのか寝ているのかフワフワした状態になります。そのため、体がエネルギーを多く使わなくなるので、結果として太る。というものです」


「他にも、朝食を抜いたら、昼食や夕食を食べすぎてしまい、三食きちんと食べるより総合して多く食べてしまう、という意見もあります」


「はたして、真実はいかに?」


「結論を申しますと、朝食を抜いたら1日の総摂取カロリーが260キロカロリー減っていました!」


「朝食を抜いた分、昼食や夕食を多く食べてしまうのではないか? と思っていた読者様もいらっしゃるかもしれませんが、朝食を抜いても昼食や夕食を食べすぎるということはないようです」


「総摂取カロリーが物語っています」


「そして体重にも表れてまして、朝食を抜いたら0.44kgの体重の減少が確認されました」


「結論を聞いて読者様はどう思いましたか?」


「多くの人が『たったそれだけ』と思ったのではないのでしょうか?」


「その通りです。朝食を食べようが食べまいが、体重に大きな変化はありません」


「260キロカロリーなんて、ご飯一杯よりほんの少し多いくらいです」


「0.44kgなんて、500mlのペットボトルより軽いくらいです」


「はっきり言って、朝食を食べた時と食べない時の体重は、誤差です」


「朝食を抜いたら痩せる、というのは間違いありません。ですが、それは少し運動したり、食事の量を調整したら取り返せる差でしかありません」


「つまり、朝食を食べるか食べないかでダイエットはできません!」


「ダイエットしたければ、運動しなさい! とありきたりな結論に落ち着きました」


「うーん、残念。世の中はそんなに甘くありませんでした」


「読者様も朝食を食べるのも食べないのも好きにしてください。個人の好みになります。体重には影響ありません」


「朝食を食べるメリット、食べないメリットはいくらでも思い付きます。読者様はご自身の体調と相談して、朝食を食べるか食べないか決めてください」


「朝食を食べるメリットの例として、まずは先に述べた通り、体内時計がリセットされます。朝からシャキッとできるでしょう」


「朝食を食べないメリットは、時間とお金の節約です。朝食を食べる時間が丸々空きます。朝食を買う必要がないので、お金を使いません」


「朝食のメリットをそれぞれ紹介した所で、今回のまとめです」


「過去に行われた朝食と体重の関係を調べたぞ」


「すると、朝食を抜いている人は朝食を食べている人より、1日の総摂取カロリーが260キロカロリー少なかった。しかも、体重が0.44kg少なかった」


「でも、この差は誤差と言えば誤差だぞ」


「朝食を食べても食べなくても体重への影響に違いがないことが分かったぞ」


「体重を気にしている読者様は朝食を食べるか食べないかは、完全に個人の好みで決めていいぞ」


「ただ、今回分析した研究の中には研究期間が短いものも含まれていました。塵も積もれば山となる、というように1日の総摂取カロリーの差が小さくても長期間続くと結果が変わるかもしれません」


「さらに、摂取カロリーについては厳密に計算したわけではなく、個人の記憶頼りな一面もありました。人は嫌なことについては低く見積もる傾向があります。なのでカロリーを正確に記録できていたかは不明です。記録以上にカロリーを摂取している可能性があります」


「他にも、二つの研究では被験者が医療従事者でした。一般的に医療従事者は健康志向が強いです。健康的な食生活が結果に影響を与えた可能性もあります」


「分析した研究がアメリカもしくはイギリスのものが多かった点も考慮しないといけません。欧米とアジア圏では食生活が異なります。すべての食生活に当てはまるのかは不明です」


「研究の質やバイアスのリスクを完全に排除はできていません。結果には注意する必要もありそうです」


「うーん、どんな研究にも穴はありますね」


「読者様も、私の言葉を鵜呑みにすることなく、ご自身の耳や目を使って判断してくださいね」


「何が正しいかなんて、その人次第ですから」


「誰かの言ったことに唯々諾々と従っているだけでは、人生はよくなりませんよ。なので、最終的なジャッジは読者様が下してくださいませ。私ができるのは、知識の提供です」


「ということで、今回は『朝食を抜いたら太る? それとも痩せる?』のお話でした。読者様の人生の潤いになれば嬉しいです」


「最後まで、ありがとうございます。高評価や応援コメント、読者様が知りたい情報のリクエストも待ってまーす!」


「次回の『日本人のソウルフード【味噌】をオーストラリアの研究者がまとめてた件』で、お会いしましょう!」


「もしくは、読者様が気になるお話でもいいですよ。目指せ、知識の宝物殿。バイバイ」



参考文献

Effect of breakfast on weight and energy intake: systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials

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