134_友達が多い奴は痛みに強い #友達 #苦痛
「スイス最初の宗教改革者であるフルドリッヒ・ツヴィングリの言葉を紹介しましょう。それは『友情は知恵に基づく。したがって、神こそ、真実で永遠な友情の原理であり、基礎である』さすが、宗教改革者です」
「やっほー、人生負け組の読者様。読まないと人生損する知識を提供する世界一の美女サクラです! 今回は『友達が多い奴は痛みに強い』のお話をしたいと思います」
「では、よろしくお願いします」
「読者様はお友達が多いですか?」
「ちなみに私はかなり少ないです。自他共に認める少なさです」
「まあ、私のことはさておいて、読者様の友達の数です」
「実はですね、友達が多いとあることに強くなることが判明したのです。だから読者様の友達の数を聞いたんですね」
「今回の研究はオックスフォード大学のものとなります」
「研究者はまず、18歳~35歳の健康な被験者を107人集めました。男性が30人、女性が77人。被験者の平均年齢21.7歳とかなり若いです」
「集められた被験者には、ビッグファイブと呼ばれる性格診断テストと、人間関係に関するアンケートに答えてもらいました」
「他にも、ストレスレベルや運動経験についてもアンケートしていますが、些細なものなので気にしないでください」
「で、アンケートに答えた被験者に何をさせたかと言いますと、背中を壁につけて膝を90度にする等尺性大腿四頭筋運動をしてもらいました」
「まあ、小難しい言葉で説明していますが、簡単に言えば空気イスのことです。空気イスに何秒耐えられるか調べたのです」
「空気イスはできるだけ長く耐えるようにお願いされました。うん、研究者はSっ気が強いですね」
「いえ、嘘ですよ、嘘。空気イスが採用されたのは、特別な器具が必要なく、どこでも実施できるからです。壁されあればできのでお手軽です。研究者の趣味ではありません」
「結果ですね、被験者の空気イスの平均タイムは113秒でした。短い人で26秒、長い人だと394秒にも及びました。比較的若い人の被験者が多かったので、平均時間もそこそこ長いのでしょう」
「それで、空気イスに長く耐えられる人は他の人と何が違うのか、調べました」
「さて、読者様はどのような人が空気イスに長く耐えたと思いますか? 言い換えれば、我慢強い人はどんな人だったのでしょうか?」
「当然ですが、筋トレしている人は不正解になります。運動以外の要素ですよ」
「答えはですね、友達が多い人でした!」
「友達が多い人は疼痛に強かったのです。疼痛とは痛みを意味する医学用語のことです。一般的に末梢神経への刺激が疼痛となります。言葉で説明するのが難しいので、体験したかったら今すぐ空気イスをしてください。身を持って味わえます」
「大事なことなのでもう一度聞きます、読者様は友達が多いですか?」
「この研究での友達の定義は、少なくとも週に一回は連絡をする相手のことです」
「ちなみに私の友達は、この基準だと片手の指で数えられるくらいになります。……ちょっと、寂しい」
「読者様は私と違いますよね。ちゃんと友達いますよね? もし、いないなら"008_孤独からの卒業! 大人が友達を作るヒント【学生も使える】"を参考にしてください」
「……まあ、友達の少ない私が言っても説得力はないですが……」
「気を取り直して! どうして友達が多いと痛みに強くなるのかと言いますと、エンドルフィンが関係しています」
「エンドルフィンとは、神経伝達物質の一つです。この物質には多幸感や鎮静作用があります。友達と出会うだけでも分泌されます。他にもランナーズハイの時に分泌されます」
「つまるところ、友達とたくさん会うと脳内ではエンドルフィンが分泌されます。その結果として、痛みに強くなる、と考えられます」
「それと、エンドルフィンの鎮静作用というのは痛み止めとして有名なモルヒネより効果があります。お手軽に痛みを止めることができるのが友達なんです」
「面白いですね。私は友達と全然会わないので、エンドルフィンの分泌は少なそうです。残念」
「読者様は私のような惨めになったらダメですよ。私を反面教師にしてくださいね」
「またですね、この研究では性格診断も行っています。ですが、性格による痛みの強さは確認されませんでした。特定の性格になることで痛みに強くなるのは望めません」
「もう一つ言いますと、普段から運動をしている人の空気イスのタイムは長かったです。これは当然の結果でした」
「つまり、性格や普段の運動には痛みに強くする効果はありません。逆に痛みに弱くなる効果もありません」
「ただ、ストレスの多い人はストレスの解消に時間を使って、友達作りの時間が減ります。そのため痛みに弱いと考えられます」
「仕方ないですね。ストレスが多い時に友達と会おうとは思いません。友達に当たってしまうのは最低です。それくらいはストレスが溜まっても、間違えません」
「読者様も友達を作って痛みにもストレスに負けない肉体を手に入れましょう」
「読者様の健康を祝した所で、今回のまとめです」
「被験者を集めて空気イスをしてもらったよ。すると、友達が多い人が長く空気イスを続けられたよ」
「友達っていうのは週に一回は連絡を取る人のことだよ」
「長く空気イスを続けられるのはエンドルフィンが関係しているよ。多幸感や鎮静作用のある脳内物質だよ」
「読者様も痛みの耐性が欲しい場合は友達を作ってね」
「読者様の空気イスの時間が延びたら、友達が増えた証拠です」
「逆に空気イスをすれば友達の数が判明するかもしれません」
「罰ゲームか何かで空気イスをさせてみましょう。友達が多い人が長く続けることでしょう」
「読者様に友達が多い自信があるなら、空気イス対決もありですね。長く耐えれるので勝利は確定的です」
「ただ、トレーニングをしている人には負けます。相手を選ぶか、ハンデをつけて挑戦してください」
「え? 『卑怯だ』ですか。いえいえ、これは戦術です。知識を使ってスマートに相手に勝つ方法を提案しているのです」
「相手にバレずに自分の土俵に巻き込むのは、ただのテクニックですよ。へっへっへっへ……」
「勝利と言うのは、頭を使えば簡単に得られるのですよ。……ふふっ」
「ということで、今回は『友達が多い奴は痛みに強い』のお話でした。読者様の参考になれば、私はとても嬉しいです」
「最後までお付き合いいただきまして、本当にありがとうございます。高評価や応援コメントはどんどんお願いします。質問やリクエストも待ってまーす」
「それでは、次回の『筋トレの後に冷水を浴びると損する』で、またお会いしましょう。バイバーイ」
参考文献
Pain tolerance predicts human social network size
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