084_睡眠不足を解消して、成績を上げる一言 #睡眠 #頭脳

「『時には常識や知識から開放され、思いつきというものを大切にしてみてはどうだろうか』と松下幸之助は申しています」


「やっほー、今日もぐっすり眠って絶好調な世界一の美女サクラです! 最高にハイってやつです。今回は『睡眠不足を解消して、成績を上げる一言』のお話をしたいと思います」


「では、よろしくお願いします」


「読者様は、睡眠の質をたった一言で改善する方法を知っていますか?」


「え? 『そんな都合のいい方法は存在しない』ですか。いいえ、そんなことはありません」


「夜にスマホを触らないようにしたり、寝る2時間前に深部体温を上げたり、空気を入れ換えたり、メラトニンを摂取したり、様々な睡眠の質を高める方法が世間には流通しています」


「睡眠の質を高めるルーティンも大事ですが、もっと手軽に睡眠の質を高める方法があるのです」


「超簡単です。知りたくないですか?」


「安心してください。ちゃんと教えますから」


「今回のお話はコロラド大学が行った実験となります」


「集められた164人の被験者は、まず前日の睡眠の質について1~10の段階で評価しました」


「その後に、5分程度の睡眠と認知機能の関係の授業を受けました」


「授業内容は、『成人の睡眠時間の内、20%~25%がレム睡眠になっています。レム睡眠の時間が20%より少ないと成績が下がり、25%より多いと成績が上がります』などが伝えられました」


「読者様、信じてはいけませんよ。この情報は嘘っぱちです」


「被験者に偽の情報を与えたのです。どうして、そんなことをするの? という疑問は一旦横に置いておいてください」


「授業を受けた被験者は、脈拍、心拍数、脳波を調べる機器を取り付けられました」


「研究者は被験者に対し、『この機器であなたのレム睡眠の時間を計ります』と伝えました」


「ここでも、研究者は嘘をつきます。実際に測定したの脳波だけです。脈拍や心拍数は計測しておりません」


「そして、ようやく実際に眠ってもらいます」


「被験者が朝起きた時、研究者からレム睡眠の時間を伝えられます」


「ただし、実際の数値ではなく、16.2%~28.7%の間で嘘の時間を伝えました」


「研究者が何をしたかったのかと言いますと、『睡眠の質って、思い込みで改善するんじゃね』ということです」


「被験者に嘘の情報を伝えたのはこのためです。レム睡眠の時間が長いと成績が上がると間違った情報を与えて、さらにレム睡眠の時間が長かったと伝えることで成績が実際に上がるか確認したのです」


「面白いですよね。睡眠の質が、ただの思い込みに左右されるかもしれないのです」


「嘘のレム睡眠時間を伝えられた被験者は、その後に認知テストを受けました」


「実際にテストの成績が上がるのか確認したのです」


「結果ですね、どうやら研究者の仮説は正しかったようです」


「レム睡眠の時間が長かったと伝えられた被験者は、認知テストの成績がよかったのです」


「効果はテストの成績だけではありません。被験者はいつもよりよく眠れたと報告をしていたのです」


「思い込みの力ってのはすごいですね。驚きの一言です」


「しかも、研究者に伝えられたのは事実とは異なる嘘です。嘘でOKです」


「逆にレム睡眠の時間が短かったと伝えられた被験者の成績は平均以下の成績になっていました」


「うーん、残念。思い込みの力はマイナス方面にも発揮されてしまいました」


「これには気を付けないといけません」


「読者様も朝起きたら、まず『昨日はよく眠れたあー』と思い込んでください」


「いえ、思い込むだけでは不十分かもしれません。口に出しましょう」


「実際の睡眠の質に関わらず、読者様のパフォーマンスの向上が見込めます」


「朝に『昨日はよく寝た』と思い込むだけでいいのです。こんな簡単な手段で、睡眠が改善するなら、やらない手はありません」


「明日の朝から、是非実践してみてください」


「睡眠の質を高めるナイトルーティンと組み合わせると、効果は抜群です」


「本当に気を付けたいのは、『昨日は眠れなかった』と思ってしまうことです。実験でも認知テストの成績はよくありませんでした」


「思い込みの力はマイナス方向に働くことを忘れてはいけません」


「読者様の周りにもいませんか? 『今日、全然寝てないわー』と寝てないアピールをする人が」


「実際は寝ていて、ただのアピールだとしても能力が下がっている可能性があります」


「仕事を任せるとミスされるかもしれません。不用意に重要な仕事を任せないようにしましょう」


「寝不足アピールは百害あって一利なし、です」


「もし見かけたら、能力が下がっちゃってるかわいそうな人として扱ってあげてください」


「それでは、今回のまとめでごわす。被験者に睡眠に関する授業をして、実際に眠ってもらったよ」


「そして、実際の数値に関係なく睡眠の質がよかったよ、と被験者に告げたら、その後のテストの成績がよくなったぞ」


「嘘でもいいから、『昨日はよく眠れた』と思い込むと睡眠の質が上がるぞ」


「寝てないアピールをすると、逆に睡眠の質が下がるから気を付けてね」


「いやー、本当に面白い結果となりました。人ってのは思い込みがっつり左右される生き物なんです」


「思い込みの力を上手く使えば、困難なことも成功しそうですね」


「特に今回のことは、思い込むという超お手軽な方法です。1分もかかりません」


「どんなに忙しい人でも実践できます。むしろ、忙しい人ほど実践しないとなりません」


「是非、明日からお試しください」


「読者様が最高のパフォーマンスを発揮できることが一番です」


「ということで、今回は『睡眠不足を解消して、成績を上げる一言』のお話でした。読者様の知識になれば幸いです」


「お付き合いいただきまして、ありがとうございます。高評価や応援コメント、質問やリクエストも待ってまーす!」


「次回の『スマホが視界に入るだけで、集中力は奪われる』で、お会いしましょう」


「もしくは、読者様の気になるお話でお待ちしております。バイバイ」



参考文献

Placebo sleep affects cognitive functioning

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