猫さんの、なにげない日常を、猫さん目線でつづられております。とても素敵な作品です。
無駄のない整った文章で、作者は懐かしい山里の風景(棚田…僕の故郷の風景にそっくりなのです)と、そこに住む人々(おばあさんと猫、その他数人)の のんびりとした暮らしを描いている。 猫が律儀で、如何にも猫っぽい。(猫は律儀な動物なのです) ペットと暮らしている人なら、きっと泣いてしまうだろう。 やさしさに満ちた小さな物語である。
山村で静かに暮らす猫とおばあちゃん。孫が大きくなれば帰省の足も遠のいて、二人きりの日々が多くなる。互いを思いやり、優しく話しかけて温め合って。山の暮らしは穏やかです。けれどある日ーー。優しいひだまりにやわらかな笑顔が溢れるような。でもやっぱり涙が出てしまう。そんな素敵なお話です。