第6話 幼馴染とお好み焼き②
「おえぇ、気持ちわるい」
「飲み過ぎなんだよ。ちゃんと加減を覚えなきゃだめだぞ」
「だって、頼んだら、出てくる、から、おろろろろろ」
「そりゃ、お店だからな」
「お水なら、あのくらい、飲んでも大丈夫、おろろろろ」
「水ならな。水飲むか? とりあえず口ゆすげ」
「ビール飲んだ、のに、お好み焼きの味が、おろろろ」
「いろいろ混ざってんだろ。あんまり言うな、そういうこと」
良子は、お店で口の中に入れたものをあらかた出したら、少し楽になったようで、俺の肩に寄りかかって再び歩き出した。
もう歩けないと言い出したときに、ずいぶん酔っていることに気づくべきだった。仕方ないからタクシーを呼んで、彼女の自宅の住所をざっくりと聞き出し、そして向かった。なんだかんだで、乗ったところまではハイテンションで元気だったのだ。しかし、タクシーを降りたところで、急に静かになり、この有り様。まったく世話がやける。
「それにしても、
良子が示した住所は俺の住むアパートの近所だった。世界は
「ほら、しっかり歩けよ。おまえのアパートの近くだろ。どこか教えてくれよ」
「はー!? 女の子がねぇ! そう簡単に家の場所教えるわけないでしょ!」
「いや、女の子が、男の前でこんなへべれけになっちゃだめだろ。いいから言えよ」
「えっち! トーシロのえっち!」
「あ、もう、その辺に捨ててくぞ」
「え? 私を捨ててくの? 何でそんなひどいことするの? 私のこと嫌いだから? ぐすん。私が元ヤンだから? ぐすん。ひどい。え、え、えーーん!」
「あー、もう、めんどくさい」
「私、めんどくさい女なんだ。えーーーーん!」
まったく文字通りその通りなのだが、そう言うといっそうひどく
「俺の家も近くなんだ。だから、見捨てて帰ったりしないから。ちゃんと部屋にまで運んでやる」
「え? トーシロの家も近くなの!? じゃ、そっちがいい!」
「絶対だめだ。あと、おまえ、男と二人きりで飲むなよ。ソッコーでお持ち帰りされるぞ」
ゲロインに手を出す
「やだぁ! トーシロの家に行く! お泊まり!」
「騒ぐな。近所迷惑だろ!」
「おー
「だーめだ。さっさと家の場所を
「う、う、おぇぇえ」
「そっちじゃない」
「だって、うちに来たら、トーシロ、私にえっちなことするじゃん」
「いや、しないし。さらにいえば、うちに来ても
バカなんだろうか。そういえば、酔っぱらっているのだった。冷静な判断力というものが
良子の
一つ目は、このままほったらかして良子を
二つ目は、もう一度タクシーを
さて、では、残る選択肢は一つしかない。
いや、他にも選択肢はあるような気もする。だが、俺も酔っているのと、眠いのと、めんどうくさいのとで、判断力がいささか
だから、このとき、俺はひどく
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