第101話 レギュラーメンバーみたいだな
「さぁ、着いたぞ。ダーリンとその他ミジンコ共!!」
「 「 「 「う、うぇぇぇえええええええ!!!! 」 」 」 」
「ルッ、ルイルイてめぇ……な、なんて運転をするんだ!? 全員、車酔いしたじゃないか!!」
それに直進の時は、めちゃくちゃピード出しやがってよぉ……マジで何度も命の危険を感じたぞ!!
「ハァーハッハッハッハ!! すまんすまん。まぁ、初心者だから許してくれっ!!」
「許せるか!! 初心者だったら初心者らしい運転をしろよ!! 舞奈を見てみろ!! 舞奈の奴、食べたお菓子を全部吐いてるじゃないか!!」
見てたら俺まで吐きそうになるっうの。
「ダーリン、何を言っているだ? 普通あれだけのお菓子を食べていたら誰だって吐いてしまうぞ。これは私の運転の問題だけでは無いだろぉ。これはマイマイの食欲にも問題があると思わないかい?」
「うっ……」
う―――ん、なんとなく当たっている様な気がするから何も言い返せねぇ……
「しっかし、やはり夏だな。暑すぎるぞ。まぁ、車の中はエアコンが効いていて上着を着ていたから余計に今は暑いんだが……さて、現地に到着したし、そろそろ上着を脱ぐとしようか……」
えっ!!??
「ルルルルルイルイ、何て服装をしてるんだよ!? ほとんど水着みたいな服じゃないか!! そんな服を着て、そそそれでも教師かよ!?」
「何を言っているダーリン? 私はダーリンが一番好きそうなファッションをしたまでだぞぉ。どうだダーリン? ダーリンはこういうファッションがお好みなんだろぉ? アイドル時代の私はいつもこんな格好をしていたからな。それに私は知っているぞ。ダーリンの部屋に、アイドル時代の私のポスターが未だに貼っている事をな♡フフフ……」
ドキッ!!
「べべべ別に、すすす好きじゃねぇしっ!! っていうか、なんで俺の部屋の壁にルイルイがアイドル時代のポスターが貼っているのを知っているんだよ!?」
「フフフフ……ダーリン、『元人気占い師』の私をあなどってはいけないなぁ。私は何でもお見通しなんだよ……」
「な、何が『人気占い師』だ!! 『アーカイ部OB』から情報を搔き集めていただけで、タダの『インチキ占い師』じゃねぇか!! それに俺の部屋の情報まで知っているなんて、ある意味『犯罪』だろ!? 違う意味で俺はルイルイがとても怖く感じてきたぞ!!」
「ハッ、ハッハッハッハ!! ダーリン、まぁ、そんな事はどうでもいいじゃないか? それよりも私とダーリンが同じ部屋になる方法でも考えよう!! 今はそれを考える方が先決だな♡」
「そそそそれこそ、どうでもいい事だわ!!」
――――――――――――――――――――――――
「テルマ~ちょっとあんた、舞奈ちゃんの背中をさすってあげたら?」
「なっ、なんで私なの!? そんな事言うなら菜弥美がさすってあげればいいじゃないの!! 私は絶対無理だわ……『もらいゲロ』をする自信があるもの!!」
テルマ先輩、そんな可愛い顔をしながら『もらいゲロ』なんて言葉を使わないでくださいよ!!
「私だってそうよ!! きっと『もらいゲロ』をするわ!! あっ、そうだ。子龍、あんたは顔が横に向いているんだから、舞奈ちゃんの悲惨な光景を見ないで済みそうだし、あんたが舞奈ちゃんの背中をさすってあげてよ!!」
菜弥美先輩、えらい無茶ぶりだなっ!!
「かっ、勘弁してくれよ!! ぼぼぼ僕は舞奈ちゃんの事は少しだけ苦手なんだよぉ……出発前にもバックで顔面を殴られてるしさぁ……」
それはあんたが舞奈に余計な事を言ったからだろが!!
「ここはやはり、クラスメイトの一矢君が舞奈ちゃんを介抱するべきだと僕は思うなぁ」
「しっ、子龍、てめぇっ!!」
しまった。また先輩の事を呼び捨てに……
「ゴ、ゴメンなさい、ボス!!」
「ボスじゃねぇよ!!」
こうなったら美代部長にお願いするしかないな……部長だし、従姉妹同士だし、一番妥当だよな?
「あ、あのぉ、美代部長……?」
「一矢君、みみみ見てください!! なななんて豪華な別荘なんでしょうか!! 私達、こんな素敵なところで合宿が出来るのですね? わわ私は今、とても興奮しています!! この興奮がおさまらない限り何一つ手につきそうにありません!!」
美代部長、はっきり嫌だと言ってください!!
「わ、分かりましたよ……俺は女子の背中をさするってのが、とても恥ずかしくて抵抗があるんですが……誰もあの舞奈に近付けないんじゃ、俺がやるしかないですね……」
しゃあねぇな。舞奈のところに行くか……
「一矢君、ちょっ、ちょっと待って!!」
「そうよ、一矢君、少し待ってくれないかしら?」
えっ!?
菜弥美先輩とテルマ先輩、急に慌てた感じで俺を呼び留めて一体どうしたんだ?
「一矢君が舞奈ちゃんの介抱をするくらいなら私がするわ。一矢君が舞奈ちゃんの背中をさする必要は無いから」
「そうね。舞奈ちゃんの背中をさする事によって、一矢君が変な気持ちにでもなられると大変だし……」
「テッ、テルマ先輩、何て事を言うんですか!? なんで俺が舞奈の背中をさするだけで変な気持ちになるんですか!?」
でもまぁ、実際は女の子の体になんて今まで触れた事無いから、めっちゃくちゃ緊張はするのは間違いないだろうけど。
「び……びどや~っ……だ、だずげで~っ!!」
(ひ……一矢~っ……た、助けて~っ!!)
「あっ、やっぱり舞奈のやつ俺に助けを求めてるみたいなんで俺が舞奈のところに行ってきますよ!」
「ダッ、ダメーーーッ!!」
「えっ!?」
「私が舞奈ちゃんを介抱します!!」
ビュ―――――ンッ!!!!
「えっ!? い、今のは何??」
「舞奈ちゃん、大丈夫ですか!?」
「み、美代お姉ちゃん……」
今、凄い勢いで舞奈のところに行ったのは美代部長だったのか!?
っていうか美代部長もさっき舞奈を介抱するのを嫌がっていませんでしたか!?
「あぁ、良かったわ。美代部長が舞奈ちゃんの介抱をしてくださるんなら私達も安心だね。ふぅ……悩み事が増えなくて良かったわ」
「そうね。一時はどうなる事かと思ったわ。私も合宿早々に気になる事があるといのは、とっても疲れるし……」
ん?
この2人は一体、何を言っているのだろうか?
言っている意味が全然、分からんぞ。
「フフフフ……今回の夏合宿でこのミジンコ共、いやライバル共を蹴散らしてやるか……」
ルイルイも何意味の分からんことを言ってるんだよ!?
ガチャッ ギー……
「あなた達!! いつまで別荘の入り口でごちゃごちゃしてるのよっ!? 早く中に入りなさいよっ!! 私達、すごーく待ちくたびれたじゃない!!!!」
えっ!?
こ、この声はまさか……
「ななななんで、花持先輩達、エグゼクティ部がここにいるんだよ!!??」
「あ、当たり前でしょ!! 私達は布津野君の『傘下』なのよ!! だから『傘下』である私達が布津野君を、この夏合宿で『おもてなし』するのは当然の事じゃない!!」
はっ?
はぁ―――っ!?
な、なんてこった!!
この人達との絡みは『ドッチボール対決』だけで終わりだと思って安心していたのにさぁ……これじゃあまるでこの人達は、この小説の……
「レッ、レギュラーメンバーみたいじゃねぇか――――――――――――っ!!!!」
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