第135話

「いい案かも知れないわね」


「んんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんん!!!」


 僕は皇帝陛下の言葉に絶叫する。


「このままこの子を放牧しているわけにはいかないわよね」


 え……?何?放牧……?僕は馬か何か?


「考えればいい案ね。りー……ガイアを神として崇めているような人間もいるという報告を受けているし……このまま私の下に置くのもちょっと問題だったのよね。それに、トイ王国の復興についても考えなければいけないし……」


「いや、トイ王国はアリシアに任せよ?女王一人心細いでしょ?」


「何も問題ないわ。私はもとより皇帝となることを目標としていたのだから」


 問題あれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇええええええええええええええええええ!!!


「世界平和。そのためにあなたが世界の頂点となり、世界全体が一つになるのが一番良いと思うのよね……あんたなら汚職しないでしょうし。というか汚職なんてする必要なんてこれっぽちもなさそうだし」

 

 ……うん。まぁ、そうだね。ローオス帝国の大規模な商会は全部僕が一枚噛んでいるし、僕が汚職をして手に入れられるものなんて自費でなんとかなるね。


「それに私はあなた好きだもの」




「は?」

 



 僕は皇帝陛下の言葉を聞いて硬直する。


「正確に言うとリーエがだけど。初めて私の隣に立ってくれた子だからね……ミリアもいいだろうし、問題はアレシアだけど……」


 皇帝陛下がアレシアへと視線を向ける。


「え?いや……わ、私は……トイ王族は近親婚しなきゃだから!結婚しないわけにはいかないよね!」


 アレシアは顔を真っ赤にしながら告げた。

 答えは出ていた。

 ……あれ?なんで?確かに僕の好感度が高くなるように動いてはいたけど……こんなに高くするつもりなかったよ?ましてやアレシアとの関わりなんてほとんど少ないよね?

 というかミリアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!僕のこと嫌っていただろう!?あの頃の自分はどこに行ったァ!?お前が言い出したせいで話がァ!!!


「決まりね。戦後処理については決まったも当然ね。どうせ戦後処理をどうするかなんて元々決めているでしょうし」


 うん。確かに決めているね。


「後はとんでもないことをやらないように私たちが見張るだけよ。妻としてね」

 

 うん。不要だね。


「……えぇ。変わってなかった……」


「決定!!!」


「う、うん!!!」

 

 僕の意見なんかフル無視で全てが決まった。

 ……え?こんな最後の最後でガチで読みミスるってマ?……恋愛なんて彼女いない歴=年齢だったクソ童貞にはわからないんじゃあ……。

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