第83話
各国は慌ただしく動き始める。
世界は、神国メシア派、プロテスタント派に分かれた。
数多の国がプロテスタント派を支援したことによって、未だに神国メシアはプロテスタント派を鎮圧しきれていなかった。
特に大きかったのが、イグニス公爵家の支援だ。
イグニス公爵家がプロテスタント派たちに送った魔法武器は協力で、神国メシアを大いに苦しめた。
そんな中、ようやくグニギラ連合国内部が動き出していた。
第二皇女とオラキエ公との間に会談が設けられたのだ。
議題内容は今後どう動いていくか、についてである。
この会談で、グニギラ連合国の今後の動きが決まってくるといっても過言ではなかった。
そんな重大な会議に僕は出席していなかった。いつも大体の会談、会議に出席している僕が、である。
しかし、僕はその会談の代わりに別の場所に訪れていたのだ。
「ここが……」
僕は一つの街に辿り着く。
ここはグニギラ連合国の辺境地に存在する一つの、かなりの大きさを持っている街だった。
「……何奴」
「行商人ではないな?何をしに来たのは知らぬが、さっさと立ち去るが良い」
街へと入る門。
そこを守っていた二人の門番が僕に向かって、ボロボロの槍の穂先を向けてくる。
彼らの持つ警戒心。それを僕は手にとるように理解することが出来た。
「同胞です。あなた達と」
僕は魔法で一度氷を作ってから、それを燃やすこと水を作る。
そして、その作り出した水を被り、髪を染めている染色液を適当に洗い流す。
別の色に染められていた僕の髪は、トイ民族特有の髪へと、その本来の姿へと戻る。
「なっ!?同胞だったのか……!」
それを見て、門番の二人は驚く。
「どうぞ、入場認めましょう」
「ありがとうございます」
僕は門番二人に頭を下げ、街の中に入った。
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