第65話

 円卓に並べられている料理とジュースが並べられ、みんなでワイワイと過ごしていた……。


「うーん。そろそろ真面目に会議しようかぁー」

 

 三時間くらいみんなでダラダラと喋って後、僕は告げる。


「そうね」


 僕の言葉にアインスが頷く。


「まぁそのまま楽にしていていいけど。ぶっちゃけ会議とか言っても僕の作戦を話すだけだからね。……もうこれ以上勝手に動かないでね?」

 

 ジト目で円卓のメンバーを見つめる。勝手に動いてくれたせいで諸々の予定が崩れてしまった。

 最初はローオス帝国を完全に潰す予定だったんだけど……ここまで僕が表舞台に出ているとそれがし辛い。

 王位継承戦している間に国をめちゃくちゃにして内戦状態を引き起こしてそれを全世界に波及。混乱の中、帝国を乗っ取ろうとしていたのだけど……王位継承戦に引き込まれてしまいそうな現状を考えると、王位継承戦を世界大戦にまで波及させるのはマズそうだ。

 僕の領地も巻き込まれてしまう。それは避けなければならない。


「わ、わかっているわ」


 それに対して視線を反らしながら回答する。


「あ、あなたを冷遇していた家族も……領民も見返す事ができたしもう納得しているわ」


「別に僕は家族も領民も嫌っていないぞ……」

 

 僕はアインスの言葉に率直な本音を漏らす。

 僕を産み、育ててくれた父と母には感謝している。むしろ僕が転生者であり、好き勝手に裏で動いているせいで色々と気苦労させてしまっていることに申し訳ないと言う気持ちでいっぱいだ。

 そして、弟も妹も愛しき我が兄弟だ。……残された兄弟なのだ。嫌いになるはずがない。


「まぁ良い……ここからは繊細なんだから本当に想定外の動きはしないでくれ。何か状況が変わった場合は別だが……さて、と。では……まぁ作戦を話そうとしようか。まず。僕の敵は何だ?」


「「「「「「「「「「「「私たちの敵は教会にございます」」」」」」」」」」」」

 

 僕の質問にさっきまでの緩んだ空気は吹き飛ばし、キリッとした様子でみんなが声を揃えて告げた。

 そこはちゃんとやるのね。君達。

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