第47話
阿鼻叫喚の地獄。
当然だ。魔物がいきなり現れ、暴れだしたのだから。
だけど、そんな混乱状態はすぐに収まる。
ここには歴戦の騎士が、強者がここにいるのだから。
「『凍血樹』」
僕は僕の周りにいる数体の魔物を魔術によって作られた氷の樹が突き刺しにする。
「これで最後かな」
僕の周りにいる魔物はこれで全部だ。
辺りを見渡せばほとんどの魔物が倒されている。
空で同士討ちをしていた飛龍も相打ちという結果に終わり、全員地面に落ちてきている。
これでこの騒動の前哨戦は終わりかな。
「ふー」
僕は息を吐く。
ガチャガチャ
金属のうるさい音が聞こえてくる。
「同行してもらおう」
「はぁー」
僕は深々とため息を吐く。
そして、僕を囲む騎士団の皆さんを眺める。
彼らは僕へと槍の穂先を向けていた。
「どうしたんですか?平民よりも魔物を倒せず活躍成されなかった騎士団の皆さん?」
僕は煽るような言葉を呟く。どうやら煽り耐性は壊滅的にないのか、僕のたった一言で全員に動揺が走リ出す。
「……黙れ。お前は我々に大人しく従えば良い」
「はーい」
僕は手に持った氷の剣を破壊し、頷いた。
遠くの方から第二皇女の大声が聞こえてくる。
捕まっているのは僕だけじゃなく、第二皇女陣営全員だろう。
「……動揺はしないのだな」
「はんっ」
僕は鼻で笑う。
「する必要がないからね。さっさと歩きなよ」
僕は騎士団の人たちに命令を下し、歩き出した。
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