第5話 あ〜あ……私も、もう一度学生時代に戻って『恋』してぇな〜←作者の声

 ……はっ! ……と、狭間さんが、急に我に返ったように僕から離れて……


「ご……ごめんなさい……輪音りんね

……降ろして……!」……と言った。


 ……? トイレかな?


 ナメくんに、校門の前で降ろして貰った。


 ……二人がナメくんバイクから降りると、ナメくんは元の大きさに戻って、僕達を見上げていた。


 僕は、ナメくんを手のひらに載せて……「ゴメン……狭間さん……急に飛んだりしてびっくりしたよね!」……と言って頭を下げた。 ……ナメくんも僕の真似をして狭間さんに頭を下げている。


「確かに、少しだけびっくりしたけど……私は、それより、2人も乗ってたらナメくん……が重くて疲れちゃうと思ったから」……と言って、頭を下げているナメくんの頭を、可愛い笑顔でポンポンしている。


 ……狭間さん……思ったより良く話すし……とても優しいんだな。



 ……今日のところはここまでにして、これからたまにお話したりデートしたりする約束をして教室に戻った。 そして、ナメくんに『時間停止の解除』をお願いした。



 それぞれの席に着く。 ナメくんは、またコクーン状態になった。 ……僕は教科書、狭間さんは……僕の知らない本を読み始めた。


 振り返った僕と狭間さんは、一瞬目があって、微笑み合う。



 ……2人だけの秘密……って……何か良いな。 ……今迄感じたことが無い、暖かく、ちょっと胸が苦しいような痛いような……そんな感じがしていた。

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