第8話城側の損害と今後の方針の巻

 ―犬丸に潜入された城側―



「殿…兵の被害は甚大にござりまする‥兵士4割は死亡、5割は重軽傷を負いました。無事なのは僅か1割程…被害者の人数は死傷者合わせておよそ877名…一体あやつは何者なのでしょうか?」


 犬丸による被害は凄まじかった。

 城内、城外、犬丸と戦った形跡のある場所は、夥しいおびただ量の血が流れ、一面血の海となっていた。


「分からぬ…ただ忍びである事は間違いあるまい、忍装束だったのと、わしの寝所へわし以外の誰にも気づかれる事なく侵入してきた事からも、忍びで間違いあるまい…ただ気になるのは、あの忍びの存在だ…誰かに雇われて来たのか…いや…雇われていたのなら、あの一方的状況で引くという判断はあるまい…であるなら…売り込む為に来たのか…もし売り込みに来たのなら…危険ではあるが召し抱えるべきだろう…」


「そうでございますな…あの忍びが他国に召し抱えられると危険極まりない」


「よし! 方針は決まったじい! 急ぎ近隣の忍びの里へと接触を! あの忍びを他国の手に渡してはならん! それと金に糸目はつけるな!それだけの価値があの忍びにはある!」


「御意!」





 こうして城の主は犬丸を召し抱える為に動き始めるのだった…



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