第1章3部

作戦No.0036 謁見

ーーーーーまえがきーーーーー



今までのまとめを書くといったな。あれは嘘だ。



ーーーーーほんぺんーーーーー



ちょっと前の出来事の振り返り

ストル達は、本部の要請で首都に戻る。

別任務に当たっていたドラード、リアンは救助対象者5名と共に、迎えに来たレンホスとダリアと遅れて首都に向かっている。


そして現在の状況を軽くまとめてみよう。

グランティオ大陸を統治している国家オリコス。

その首都であるカルボに、約14日後に100万の敵軍が襲ってくる。

それに対抗できる戦力を今全力で集めているそうだが、どれだけいるのか…


最後に今回の舞台であるカルボについて少し話しておこう。


この街にはレクスドームという最高行政機関兼軍本部が、大体真ん中あたりに設置されている。

そこへ向かう巨大なメインストリートが、外に向けて一直線に伸びていて、このメインストリートはさまざまな施設が隣接されており非常に賑わっている。超巨大な商店街をイメージしていただければ分かりやすいだろうか。


他にも名物はあるが、とりあえずこれだけ知ってもらえればいいだろう。



そして、ここまでの長い話に付き合ってもらったら、あとは時間を進めよう。





カルボに着いたストル達は、現在そのメインストリートにて、たくさんの賞賛を浴びながら見せ物のように歩かされ、レクスドームへと向かっていた。


「おいおい、どういうことなんだよ」


隣にいるラークがクレルの耳元に大声で聞く。

なぜ大声なのかと言えば、歓声が凄すぎて小さい声だと全てがかき消えてしまうのだ。


「さあ?分からん!」


クレルはありのままの気持ちを伝えた。

大した活躍などしていないのだが…

ふとストルの方を見てみると、ひきつった笑みを浮かべていた。どうやらこうなることを知っていたらしいが、実際に起こってみると受け入れたくないのだろう。


なぜならば先ほどから、


「よし、歩く速度を速…」


「いけません」


「ぐっ」


逃げようとしていた。


しかし逃げるわけにはいかない。

なぜなら後ろにピタリと張り付いているメイドが2人いるのだ。

彼女達はこの国の最高指揮者レクスのお側人であるヴァイエとアウート。

この状況を意図的に作った(と、ストルが言っていた)彼女達はスキあらば逃げ出そうとするストルに目を光らせている。


「国民に緊張を与えない為です。我慢してください」


「くっ」


そんなことをわざわざ言われずともストルは理解している。これが、絶望的な状況であるということ悟られないためにしているということを。


だが、彼女はこういったことが得意ではない。


この雰囲気を全力で楽しんでいるイストリア、ヒストリアや、我関せずなガスポートが羨ましい。



はあ…

憂鬱な気分は抜けないまま、ストルはレクスの待つレクスドームへと向かう。



ーーーーーーーーーーーーーーー



「よく来たの」


レクスドーム内最重要の場所である、レクスの部屋。

その手前にある謁見の間にて、ストル達はレクスと対面していた。

謁見の間はただ広いだけの空間が広がっていて、その部屋が崩壊しないように等間隔に柱が設置されている他、ストル達が入ってきた場所のちょうど反対側に数段高い場所があるのみという、非常に簡素な場所だ。


本来はその少し高くなっている場所に玉座がありそうだが…


その玉座がありそうな場所にレクスと、左右にメイド2人がいてその段差の下付近にストル達は並んでいた。


この部屋自体が、なぜか神秘性を感じる。


「今回の活躍、聞いておる。試験的に基地の防衛を任せたが、思わぬ戦果だ。良くやった」


「はっ!」


代表して、ストルが答えた。

特にルールなどないが、やはり立場が1番偉いものが答えるのが普通だ。


「まだ魔法は使いこなせていないと聞いたが?」


「はい、まだ実用化には程遠いかと…しかし、あと一歩ではないかと思います」


「敵が来るまでに間に合いそうか?」


「おそらく…」


しばしレクスは考え込んだ。


「よい。ならば急ぎ魔法を使えるようになるのだ」


「はっ」


レクスはそう言うと踵を返して歩き出した。その先には、この大広間にしては小さめの扉がある。おそらく、レクスの部屋なのだろう。その扉を開けて、レクスとメイド2人は入って行った。


話が終わった雰囲気だったので、ストル達はこの部屋を出ることにした。


レクスと同じくくるりと踵を返し、そして歩き出した。



何の気なしにクレルは隣にいるシェーロに目を向ける。


すると、彼女だけじっとレクスの入っていった扉を見つめていたのだ。

クレルもそれを見て釣られ、同様にその扉の方を見てみると…



「……!?」


ギョッとした。


見つからないようにそっと扉を開けてこちらを見つめる目が3つほどあったのだ。

隠れているつもりでもこちらからしっかり見えていて、レクスとメイド2人だというのがばっちり分かる。


「…い……行こう、シェーロ」


彼女の手を取り、急足でこの場から去ることにした。



ーーーーーーーーーーーーーーー


「どうやら…」


うむ、とレクスは頷く。


シェーロを直接見て、彼らは確信したのだ。


「どうやらあれは偽物じゃの」


「私たちのことを覚えてなさそう」


「偽物ゆえに、私たちを見て何か引っ掛かってるみたいだけど…」


3人は確信して頷き合う。

そして、彼らは扉を閉じた。



ーーーーーあとがきーーーーー



前書きの通り、予定を変更してしまい申し訳ない。

まとめるの…むずくね?となったので諦めました。


今回は一般人も住んでいる街でのお話。

なので日常回多めにしようかと思います。(硬い意志)


今回はいろいろ重要なお話になるのではないでしょうか


でわ!


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