第155話―あざといエルフとの甘々ストラテジー8―
この日は冬雅が手料理を振舞ってくれる。
あざといエルフ年上の女性、まだその設定は続行中でエプロンを付けて台所に回る。
「ふーん、ふぅーん」
鼻歌交じりで楽しそうだ。
ここまで創作ためのデートを行ったから、この辺で切り上げるのもいいかと言ったものの。するとかぶりを振り、とことんやるべき一晩中もやります!と夜までも続けることを述べた。
もう収穫はそれでいいと思うのだが。
「夕食しますよ東洋。
頑張るのは、この辺りにして。パソコンを閉じてグラタンを一緒に食べましょう」
「ああ。もう出来たのか……今日はグラタン」
「ええ。彼女に作ってほしいランキング上位に入るようなのですよ。
と、東洋を一途に想って作ったのよ。
わたしの愛を受け取ってください」
だから大げさだよ。
内心だけツッコミを叫んでからテーブルの手前に置かれたグラタンに視線を向ける。
香ばしい匂いに期待を
それぞれ息を合わせるように両手を合わせる。
「「いただきます」」
食事を始める際にする挨拶を言葉をかぶる。
ホコホコ湯気が立つのを眺めていたグラタンを口に頬張る。
こ、これは……別格だ。
過去に食べてきたグラタンとは超越した蕩けてしまう味が広がっていくなんて、ここまで上達して成長していた。
「えへへ、お味の方はどうですか?」
「率直な意見を述べるなら……驚いたよ。
初めて冬雅の料理を食べたときには、挑戦しすぎて失敗した創作料理ような味だった。
研鑽を積み重ねて上達していたのは分かってはいたけど、ここまで美味しいものを作れたのは、スゴいよ冬雅」
「はい。お兄ちゃんのた、こほん。
これはサプライズだよ。デートする時間を割った時間を腕を上げてきたのです。それだけじゃなく他のスキルも時間を活用してねぇ」
「へぇー、それは凄い。
年下に向けるのは可笑しいのだろうけど尊敬の念を抱くよ。いや今は年上だったね」
「ええ、そうですよ。
こうして褒められるのも幸せですけど。それでは東洋スプーンを拝借しても?」
「え、ああ。どうぞ」
何故スプーンを自分のではなく俺の方を貸してほしいと言ったのだろう?
訝しんで見ていると冬雅は、受け取ったスプーンでグラタンを
「なあっ!?」
グラタンをしたためた冬雅は、咀嚼そして
……関節キスしたのかったのかな?
また食べようとして掬う。
そして掬ったスプーンを冬雅はコチラに向ける。
「お、お兄ちゃん。いえ東洋あ、あーん?」
「まさかの関節キスを俺にもしろと」
「そうです。でも関節キスではありますが、ある意味わたし達がやろうとしているのは口移しのようなものです」
「それ絶対ちがう」
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