第132話―決行の日―

約束された当日。

すべて把握してはいないが引きこもる不死川紬を連れて私は通学路を並んで歩く。

自分で言うのもなんだが広岡花恋私という美少女は、とーーっても話すのが得意なのだ。

なので変な沈黙とか期限を損ねさせないよう言葉を選んで順調に友好的に進んでいる。


「へぇー、ブイチューバーも大変なんだね。知りたいな。詳しくない私にも分かりやすく、もっと教えてよ!」


「へへ、いいよ。もちろんカナカナの為に吝かじゃないからね。いいよ。

夏休み中にはマナマナと兄ちゃんたちで動画撮影をしていたのだけど」


話を上達法には語彙力も必要ではあるが、それだけではないのは子供でも知っている周知の真理。

上手くなるには複数とあり答えは一つだけでは決して無いというもの。

たとえば上手くなるには実践して経験から身につけるというのもあるが計画性がなく失言や過失してしまったこと分析するための客観性が必要。逆も然りで、ポジティブと笑顔になってくれた話なども磨くためとかも。

話を飽きさせないよう言葉を多くを知ることも大事ではあるが勉強するのは得意じゃない。なので難しそうな言葉を見つけるため私は冬雅さんや真奈さんなど雑談して学んだ。


「そうなんだね。どういうことか理解するの大変だけど紬が凄いことは分かったかな」


大人では無い私たちは堅苦しい敬語をする人種と、そうではない側で分裂されている。

まだ大人の話し合いという話術は未習得ではあるが後者なら得意分野だ。

話したことが少ない紬をナチュラルに苛立ちをもたないよう下の名前で親しく呼んだり

これも自然と褒めたりする。

露骨すぎないよう気をつければ好感を持たれる。

その効果はあった。そうなれば流れは私に吹かれて後は存分に発揮して楽しむだけ。

人聞きの悪いそうな言葉を思ったけど損得ではない。

道を歩いていくと街から並木道にと入って歩く進む。あまりコミニュケーションを撮っていない人と話すのは独特な緊張感があったが話が合うところを探して言葉をさりげなく広げる。

そうした談話の主な話題となったのは東洋お兄ちゃんや真奈さんだった。

いつもよりも賑やかで平穏な暮らしをしていたと夏季休業かききゅうぎょうを話をして。

あっ、ちなみに夏季休業って夏休みの正式名称らしい。すこし前に真奈さんがそう言っていた。


「なんていうか……根暗なボクのために時間を合わせて面倒くさいよね。

ごめんねカナカナ」


「何を言っているの。そんな気遣い、辛気くさくなるようなこと今さらだから」


「そう。改めてお礼を言わせてほしい。

ありがとうカナカナ」


「べ、別にいいよ。

いつでも頼ってくれてもいいから」


面と向かって感謝されるのだけはなれない。

私のクラスメイトはお世辞でもそういうことを平然と素直でするような人は少ない。


「あっ、ツンデレ時期が残っているカナカナ」


「誰がツンデレなのかな?ツムギちゃん」


「目が据わっているよ。怖いんだけど」


苦笑を浮かべて引き気味になる不死川紬。

楽しくなり追い詰めていくと不死川紬は名案を浮かべたような顔をする。

もしアニメ風な表現されたら照明器具が照らすようなものを付けていた表現だった。


「それよりもカナカナ。兄ちゃんの好みの女性とか興味ない」


「は、はあぁっ!?いきなり何、なんなの。

でも聞くだけ聞いてあげる」


好奇心に抗えず私は耳を傾けて話を促す。

そんな様子の私が面白かったのか不死川紬は、ゲララと笑うのだった。

ムカついたので頬を引っ張ってみせた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る