第130話―閉ざされた世界と心3―
無秩序へとなった会話は三十分間ほどで収まりをみせる。なかなか酷い会話だった。
怒りとかの負の感情などのぶつかり合いというものではなく素直に向き合えない思春期によくあらわれる特性が我を失わせた。
話の途中でもあろうが彼女たちは自分を優先し、それぞれ質問や独白などと繰り広げていた。
もちろんそんなことしたら話がすれ違って交差はせず、段々と指数関数的にと今はなにを話題をしていたかと分からない始末。
「はぁ、はぁ……ヤバッ。もう何をしているのかとか忘れてしまったんだけど。
終わりにしねぇ?」
生気が失ったように、そう提案する不死川さん。
「そうだね。平行線しかないし……賛成」
げっそりとした花恋は頷き。
「もう、それが賢明な決断ですね」
首を傾げて猫塚さんはニッコリと笑って応える。おそらく疲れているのを表面に出さないようにしているのだろう。
これがアイドルか……俺はその技術的なものに凄いなあと戦慄めいたものを覚える。
「です、わね」
日本のサムライのことで高揚していないペネお嬢様。さすがと称するべきかペネお嬢様は疲弊されても磨いた優雅さを残して苦笑を浮ぶ。
今まで様子見をしていた俺は疲れていない。せめて避けていたこと罪滅ぼしとして彼女たちにお茶を出すとしよう。
「不死川さん台所を借りるよ」
「あーい。どーぞー」
賑やかで騒がしいこと絶えない彼女でも三十分間の戦いによって不死川さんの声音ぞんざいなものだった。
こんな簡単に返事をするのも信頼が多分にあるだろう。
そうなったのは彼女たちとの交流する場というのが山脇家か不死川さん家であって長い月日が過ぎれば自宅のような馴染みを感じる。
(そういえば茶葉は切れていて補充していなかった。補充していないだろうけど確認でも)
無くなっていたら代わりの物と考えていたが補充されていた。こんなこと失礼だと分かっているけど不死川さんガサツなので本当に補充するとは思わなかった。
まさか彼女がと思いながら台所から一瞥すると不死川さん顔は疲れで従来の精彩を落ちていた。
ここで料理を何回かもしていたので道具や食物などの配置は把握している。
すぐ茶を人数分を注いで運ぶ。ちなみに俺たちが訪問する回数が多いからと不死川さんが一人一人のマグカップ用を購入していた。
おそらく俺達がここへ訪れていることを発覚しないようにカモフラージュを窺えれる。
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