第119話―異世界マナさん3―

溶けるようなりの強さ。

続ける街路樹のある道路沿いの歩道は、ミンミンと鳴いている蝉時雨セミしぐれの降り注いでいて今日も夏の盛りをひしひしと感じれる。

この盛夏せいかの下で、もしも熱中症で倒れないように適宜ドリンクを飲むことを忘れずに進み歩く。

そして今日は、会う約束していた。待ち合わせ場所である時計台の下に近づくと派手に垢抜けた彼女が俺に気づいて睨んで待つ。

行きたくないなあと思いながら重たい足を引きずる。


「ほんとう炎天下の中で平然と、この私に待たせるなんてオーク顔も随分と偉くなったものだわね」


「……あはは、待たせてしまったんだね。ごめんよ、香音かのんの意図を読めなくて」


外見は、落ち着いたギャル風な大学生の羽柴香音はしばかのん。彼女の外面とは裏腹に内面は、いつだってトゲトゲしている。

いつもなら変態とかロリコン野郎とまで罵られるときはあらどオーク顔とまで呼ばれる日が訪れるとは予想もしなかった。

そして精神的にダメージもある。

ふむ、香音は現役ユーチューバーの異世界から帰った男の物語を読んでいる?定かではではないが単にオークという作品でも見たとか。


「ほら、さっさと行くわよ変態オークマン」


香音は、腕を引いて連れていこうとする。

ふむ相変わらず強引ですね。もうそれをされても驚かない自分がいて驚いています。


「呼び方がパワーアップしているッ!?」


いや、それよりも呼称または蔑称でもいいが香音の言葉がより酷くなってきている。

せっかくオシャレをして清楚感のある女子大生になっているのだから言葉を改めないといけないぞと注意するべきかと悩んだ結果、やめることにした。

急かすようにする香音の横顔は、反して頬が緩めて愉しげであったから。


「もう!数時間後には真奈さまとお会いするんだから少してもマシにしないと。

一応ロリコンドワーフに訊いてもムダだとは思うけどコーデのオーダーはあるわけ?」


ふむ。言っていることと表紙が真逆だ。

曲がり角にまがってから香音は、ゆっくりと肩を回して振り返る。照らすような笑顔、不機嫌さを隠そうともしない低い声と相反している。なので、つい微苦笑を浮かべて黙っていると香音は怪訝そうな顔をして「これだからヘタレという奴は」と何か呆れさせたのであった。

――さて、連れていかれたのは洋服屋でした。


「ふふーん、なにを着せようかな。これなんか着るのもいいかもね。よし、シスコンお兄さんはこの中でどれがいい?」


本やドラマやアニメの中で散々と見てきた定番のセリフを尋ねられる日がこようとは。

右に掲げるは桃色のシャツ。

左を持つのは赤色のシャツ。

どれも同じ半袖のシャツで、おそらくサイズも一緒だろう。どれか選択させるとしたら、二つのシャツの違いは色が違うというのみ。


「そうだね。どれもいいと思うよ」


「どれもいいなんて困るんだけど。

これだから判断能力が欠如しているオタクお兄さんは。なら、これ選んでおくとして。

次を選ばないと。ふふ、なんかワクワクする!」


代わりに選んでくれたのが赤のシャツ。

たぶん俺はこれを愛用するようになり四国の中学校で教頭の地位に就くだろう。そして物腰柔らかさあり一部から赤シャツと呼ばれて最終的には制裁を受けてしまうのだろう。

それはそうと【坊ちゃん】に登場する赤シャツはフランネルの赤いシャツを通年に着ていたらしいけど。そんな夏目漱石は舞台を道後温泉としているが元来、歯に着せぬといった漱石は温泉の悪く書いている。

まあ毒舌の主人公の個人的な意見とはいえ衝撃な内容ではあった。


(言葉は辛口だけど、ときどきインテリジェンは似ているのかもしれないなあ)


とはいえそんな偉大な方と比較したら、いくら香音でも恐縮してしまうだろう。


「異世界を変に憧憬している変態が好みそうなものが見つけたんだけど。こういう穴の空いた手袋とかは」


「いやいや香音さん。

そんな格好は俺には似合わな……いや。このシンプルデザインなんだかカッコイイ!」


と、香音が直々にコーデを選んでもらいながら俺は思ったことを述べるのだった。

うん薄々と気づいていた。こういう接し方をするべきは大人の俺がやるべきの行動である。

なんだか子供みたいだなと肩を落としながら会計を済ませようとレジに向かおうとして香音に引き止められる。

香音はスマホを取り出すと、済ませに行ってくると手短に言って会計を済ませようと向かう。

さすがに貴重な時間をこんなことに使ってもらいながら奢ってもらうのは施しの受けすぎだ。

なんとか香音を思い留めさせて会計を済ませる。なかなか折れようとせず苦戦を強いられる羽目になり真奈の影響が大きくとみた。

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