はばたく過去の翼
第64話―比翼記(ひよき)―
なかなかどうして、人はどんな驚嘆や慣れないことでも次第に順応していく。
けど慣れないものが世の中にある。
絶対にこれだけは順応するはずがないと思っていたが順応していた。
サファイア家の本邸、その邸内には豪華な食堂がある。火急の要件がない限りは、ここで一族は朝のメニューを取る決まりがある。
「うふふ、ごきげんよう我が妹」
「……おねえさま熱病でも掛かったのですか」
フォークやナイフを使って冗談を口にしたのはペネロペおねえちゃん。
つややかなロングの金髪、宝石のような碧眼。
わたし
「なかなか
「どうも言葉遣いがおかしいことに」
そしてペネロペおねえちゃんよりも歳が離れた小学生の妹がいる。キラキラした金髪を結った妖精のような女の子は年齢的から、わたしの妹となる。
ここへ養子として迎えられたときは警戒されえいたが今はおねえちゃんのおかげで懐かれたのだ。やはり似ている目の前にいる姉と。
奔放すぎる活力、独特すぎる言葉。
そんな常識を捨てたような姉妹の一員となってからかサファイア家の領主――わたしが勝手にそう呼んでいる。領主こと義理の親は
暖かい家庭環境を与えただけではなく高品質な教育を受けさせてくれた。
「ほら、ソースが口元ついていますわよ。
拭きますから動かいように」
「委細、承知なのです」
おかしい。小学高学年にもなったというのに言語能力が拙いである幼児みたいだ。
「比翼わざわざ席を立ってそんなことされなくてもいいのですよ。誰か!妹の口元をお拭きに」
「いやいや、そんなことで使用人を迷惑をかけるのは良くないから」
「これも使用人たち業務内容わけなのよ」
「そうだけど雑事をなんでやらせるのは賢いとは思わないけどね。
妹の教育にもよくないんだし、使用人であってもコキを扱うのは影響よくないから」
「ムチを打つような扱いは決してサファイア家ではしていませんわ。雇っているのに役目を少ないとモチベーションの低下がさせることもあるのですわね」
「ケンカはダメだよ。おねえちゃんたち仲良くしないとダメだから」
熱が上がって口論を繰り広げていると義妹が横に割り込んで止めようとした。
自分のことで争っていることに見て見ぬふりが出来ない義妹を目にすると、口論することがバカバカしくなってきた。
「あー、そうだねぇ。ごめん言いすぎたよ」
「こちらこそ」
「おねえちゃんたち争うことは不毛なことしか起きないのですの。だから心にゆとりを持たないと、あやまちを犯してしまうのですわ」
小さい子が時々こうした鋭い言葉を使うことある。これならサファイア家として恥ずかしくない子に育ちそうだ。
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