第82話 帰宅後……

 翌日、俺とソフィアはリビングにて、帰る前に俺が告白した事、そして付き合う事になった事を報告した。


「そうか。おめでとう」

「おめでとうございます……よかったですね、ソフィアちゃん」

「二人共……ありがとう!」


 あれ、もっと驚かれるかと思ってたんだけど、想像以上にすんなりと受け入れて祝福してくれたな……。嬉しいけど、ちょっと予想外だ。


「めでたい事であるし、浮かれるのもわかるが……学園ではハレンチな事は慎むように!」

「は~い! わかってま~す!」


 絶対にわかってない。そもそもこれで俺へのボディタッチが減れば苦労なんてしない。


 ……まあ、俺としては彼女になったソフィアにくっつかれる事自体は嬉しいんだけど。恥ずかしかっただけで、嫌ではなかったし。


「それで、磯山君はソフィアさんのどこが好きになったんだ?」

「あ……ゆいも気になります。ぜひ聞きたいです」

「え、なにその公開告白みたいな!?」

「いいじゃんアタシも聞きた~い! 代わりにアタシも好きなとこ言うから! 大丈夫、三時間位は余裕で喋れるから!」

「お前には昨日言っただろ! って、三時間もいけんのかよ!?」


 なんだこの嬉し恥ずかしな展開!? 多分俺も昔の事を交えれば、それくらいはいけるとは思うけど……恥ずかしすぎて爆発するわ!


 こういう時は……逃げるが勝ち!


「ふっふっふ~……」

「ちょっ、離せソフィア!」

「絶対逃がさないんだから! えへへっ!」


 逃げる前にソフィアに腕に抱きつかれた俺は、ソフィアの嬉しそうな笑顔を前にして、まあ良いかなと思ってしまった。


 その後、俺は地元に帰るまで、ソフィアのどこが好きなのかとか馴れ初めを聞かれまくるという、恥ずかしい事になってしまったとさ。



****



「やっと着いた~!」

「疲れたなー」


 西園寺家の別荘を出発し、家に帰ってきた頃には、外がほんのり暗くなり始めていた。


 行きはそんなに疲れなかったけど、帰りはたくさん遊んだあとだから、移動だけでもかなり疲れを感じるな。


「っと、疲れてる場合じゃないよね! 愛するハルのために、愛情たっぷりのごはんを作らないと!」

「ソフィアも疲れてるだろ? 今日くらいは出前でも取らないか?」

「ん~……アタシとしては、アタシの料理を食べてほしいけど……せっかくのハルの好意だし、たまにはいいよね!」

「それじゃ決まりだ。何が食べたい?」

「ピザ!」

「よしきた」


 久しぶりに俺もピザが食いたかった俺は、特に拒否することなく提案を受け入れると、スマホを使ってピザを注文した。


 さて、届くまで少し暇だな。今のうちに荷物の片づけをしておくのもアリか。


「ねえハル、届くまで暇だからさ、今のうちにシャワー浴びちゃいたいんだけど」

「ん、ああ。行ってくればいいんじゃないか?」

「それじゃ、ハルも脱いで!」

「は、えぇ?」


 反論も拒絶もする間もなく、俺は脱衣所に連れていかれて服を脱がされてしまった。


「いやソフィアさん!? なに遠慮なく脱がせてるんですか!? ついでになんで自分も脱いでるんですか!?」

「なんで敬語? 別にアタシの裸なんて見慣れてるでしょ? それにハルのだってこの前見ちゃったし、今更だよ~」

「そういう問題じゃないだろ!」

「まあまあ、付き合ってるんだからノープロブレム!」

「無茶苦茶理論すぎる!」


 俺の抵抗など一切受け入れてもらえるず、風呂場に放り込まれた俺は、ささやかな抵抗として股間を隠しながら、椅子に座った。


「いつも思ってたんだけど……ソフィアってなんでそんなに裸を見せるのに抵抗がないんだ?」

「え? だってついてるのって、大小はあっても同じものじゃん? だからハルなら見られてもいいかなって。それに、このおっぱいやおしりだって、ハルをメロメロにする武器だしね!」


 俺だけ……嬉しいやら恥ずかしいやら……まあメロメロにするのは、ある意味大成功だと思うが。


「どうでもいい質問だけど、仮に俺以外の男がいたら、普通にいつも通りやるか?」

「やらないよ~。あくまでやるのはハル! それ以外の男の子なんて興味ないし!」

「そうか……」

「はい、それじゃ座ってジッとしててね~」


 そう言いながら、ソフィアは体を洗うタオルにボディソープを浸みこませると、丁寧に俺の体を洗い始めた。


「かゆい所は無いですか~?」

「それ、床屋の台詞じゃないか?」

「細かいことは気にしな~い!」


 ソフィアは俺の右手から、丁寧に洗い始めた。なんともこそばゆいけど、やってもらうのは想像以上に気持ちが良い……。


「背中洗うね~」

「おーう……おうっ!?」


 返事をした矢先、俺の背中にはとんでもなく柔らかいものが、ムニュっと押し付けられた。


 え、ちょ……これ、ソフィアのおっぱいが俺の背中にダイレクトに当たってるんだよな!? なんでこんな事をしてるんだ!?


「よいしょ……こうするとよく洗えるってネットで見たんだ~! 触れあえるし、一石二鳥!」

「そんな変なものを見てはいけません!」

「変じゃないよ~! ほらジッとしてて……んぅ……あっ」

「ど、どうした急に」

「ううん、なんでもないよ!」


 背中を向けてるから、どうなってるのかはわからない。でも背中のフワフワモチモチの中に確かにある突起物の感覚、そしてソフィアの色っぽい声……これらが合わさり、俺を緊張の極致にまで連れてきた。


「これじゃアタシの方が先……よし、それじゃ前洗ってあげる!」

「いややらなくて――」


 制止する前に俺の前に来たソフィアは、思わず俺の足当たりを見て固まってしまっていた。


 し、仕方ないだろ! ずっとずっと我慢に我慢を重ねて……付き合ってもない男女が不純異性交遊をしてはいけないと思ってたのに、付き合うようになったらタカが外れたのか……こうやって表に出ちゃうんだよ!


「ぐすっ……もうお婿に行けない……」

「うんうん、ハルも男の子だもんね。こうなっちゃうのも無理はないから。アタシ、理解ある方だから気にしないで!」

「うぅ……」

「それに、アタシで興奮してくれたって事でしょ? それ、なんかちょっと嬉しいっていうか……アタシが変なのかなぁ? えへへ」


 ソフィアは優しい……のか? よくわからないけど、ここは優しいって事にしておこう。そうじゃないと、今の思考状態では、答えを見つけられそうもない。


「前は自分でやるよ。今度は俺が洗ってあげるから」

「いいの? あ、でも……恥ずかしいから、優しくしてね……?」

「っ!!」


 な、なんだその上目遣いでのお願い! いつの間にそんな高等技術を学んできた! ソフィア……恐ろしい子!


「ほら、背中からいくぞ」

「ひゃん! はうぅ……」

「変な声出すな!」

「だってぇ……」


 普通に洗っているだけなのに、ソフィアは色っぽい声を出し続ける。また俺のが刺激されちゃうから、勘弁してほしい。


「前は自分でやってくれ」

「駄目ー。前もやって!」

「マジかよ……」

「ハルなら何されてもいいから……ね?」


 ずっと大切で、恋人になった幼馴染にそんな事を言われたら……俺だって我慢の限界が来る事だってあるんだぞ。まだ大丈夫そうだけど!


「んじゃ……洗うぞ」

「う、うん」


 俺は腕から順番に、体の中心に向かうように洗っていく。すると、当然俺を迎え撃つのは、ソフィアのモチモチ特大おっぱいだ。


 何度も見てしまったし、触ってしまった物だけど、改めて見ると……迫力が凄い。


「下を洗いたいから、持ち上げるぞ」

「うん……あんっ……んにゅ……」

「だから変な声を上げるな……」


 右手でおっぱいを救うように持ち上げながら、おっぱいのせいで汗が溜まりそうな所を洗ってあげた。


 おっぱい片方だけで、こんなに重たいんだな……改めて実感した。そしてなによりも、すごく柔らかくて……ずっと触っていたいくらいだ。


「ほら、洗い終わったぞ!」

「えーもう終わり? あと三十年くらい続けてほしいのに〜」

「そんなにやったらすり減りすぎて、ソフィアの体が無くなるぞ」

「ひぃ!? それはやだー!」


 顔を青ざめさせながら、ソフィアは俺に抱きついてきた。


 あ、マズイ。そろそろ限界だ。これでも一応思春期真っ盛りな男子高校生が、恋人にこんな事をされたら、我慢なんて出来るはずもない。


「ソフィア……!」

「んむっ……ふぁ……」


 たまらず俺はソフィアの唇を奪うと、そのままソフィアの口の中に舌をねじ込む。すると、最初は驚いてたソフィアも、応えるように舌を絡めてくれた。


「ソフィア……俺……」

「うん……」


 トロンとした目で俺を見つめてくるソフィア。もう言葉はいらない……そう思った矢先……ピンポーンという音が聞こえてきた。


「「……あっ」」


 来客……多分ピザ屋か? 思ったより早くないか? 別に速いのが悪い事じゃないけど、もう少し空気を読んでくれ!


「……俺が出るよ」

「うん」


 はぁ……思わぬ邪魔が入ってしまったけど……俺達が頼んだものなんだから文句は言えない……そう自分に言い聞かせながら、俺は風呂場を後にした。

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