第228話 衆議院選挙の公示と魔道訓練生の今 10月中旬

今日は衆議院選挙の公示日。


朝から徳済さん達が日本に出かけて行く。


今回の衆議院総選挙では、日本人異世界転移組から5人。日本にいる異世界転移組の関係者から10人出馬する。主に三角系や病院系らしいけど。

元々のアマビエ新党の衆議院議員が6名いて、今回はプラス25人の候補者を小選挙区と比例で出す。

総勢46名だ。


なお、勝ち馬に乗ろうと寄って来た野党の方達は全て断ったようだ。こちらの候補者は全てアマビエ新党独自の候補者ということになる。多少、医療関係者とかいるけど。


なので、アマビエ新党は野党共闘は無し。変なイメージを植え付けられたらいけないということらしい。


俺は選挙戦陣営には加わらないから、生活は至って普通だ。

今日の午後は魔術訓練組を五稜郭建設予定地に連れて行く予定にしているが、午前中は少し自由な時間が出来た。

と、いうわけで、朝からオキタと湘南の海へ行く。

今日は少しサーフィンをやってみる予定だ。


ツツは角が邪魔なのでお留守番。オキタは角が小さいから異世界人だとはばれない。護衛のために連れてきた。普段は帽子、サーフィン中はウォーターヘルメットを被るので、ばれる心配はないだろう。


朝から、砂浜に人だかりが出来ている。

徳済さんだ。


話題性抜群らしく、いろんな人に話かけられ、談笑している。


「まあ、大丈夫だろ。俺たちは俺達で遊ぶか」


「うん。僕も久々に泳ごう。ここ、本当にサーペントとかいないんだよね」


「おらん。日本に恐竜がいたら大発見だ」


・・・・


今日は天気が穏やかなので初心者向けだ。

俺は浅いところでボードがすぃ~と進むのを楽しんでいる。本当は魔術を使えばどうとでもなる気がするけど、それはしない。あくまで波を楽しむ。


で、やっぱりヤツは別格だった。


「いやっほおううう~~~~~~~! 楽しいね。おじさん!」


オキタは半魚人の娘(魚のクオーター?)だから、泳ぎというか水の動きを掴むのが抜群にうまい。


相当沖まで泳いでいって、器用にボードを操っている。


・・・


2時間くらい楽しんで撤収。

普通に、そのままの格好でボードを持って歩いて帰る。


家が海の側ってなかなか楽しい。台風の時とか怖そうだけど。


「ただいま」


「お帰りなさい。お風呂にします? 御飯にします? それとも、私とエッチ?」と言って、はいていたスカートをぴらりとめくる。


この方、ユーレイさんじゃないはずだ。雰囲気が違う。名前も知らないまこくさんに、ネタっぽいギャグを言われるが返答に困る。


「あのう。冗談ですからね? 何で黙るんです? いや、別にやっても良いし、お風呂も御飯もいいですけど」


「いや、何でも無いっす。お風呂入ります。ボード塩抜きしてるんで、お湯入れてくれたら嬉しい」


「はいはい」


今は10月後半。ウェットスーツを着ているとはいえ、そこそこ寒い。

オキタと2人してボードを洗って、専用のボード置き場に干す。

一応、水魔術は使わない。どこで見られているかもしれないし。オキタも帽子は外さない。


風呂に入って、着替えて清洋建設へ。

水着とウェットスーツはまこくさんが洗ってくれるらしいから、任せた。



・・・・

<<清洋建設特別室>>


「いらっしゃい。多比良さん、焼けましたね」と言って、ベクトルさんが出迎えてくれた。


「湘南で遊んできました。それはそれとして、どんな感じです?」


「五星には話を通しました。共同記者会見にも出るそうです。私のお国にもちゃんと話は通してあります。そちらの情報も可能なら教えていただいても?」


ベクトルさんの言う、お国とはもちろんアメリカだ。仕事が早いことで。


「三角さんと冒険者ギルドも動くって。今日中に情報発信するって言ってますね。病院の方は当面秘密主義らしいです」


「なるほど。こちらも急いだ甲斐がありました」


「さて。このままテレビ見ていればいいのかな?」


・・・・


『ただ今情報が入ってまいりました。清洋建設が記者会見を開きます。異世界に関する重要な発表のようです。繰り返します・・・・』


「おお、やっと来たか。さて、どうなるかな・・・」


番記者なんていないだろうに、よく準備したものだ。いや、マスメディアから元々取材依頼とか来ていたのかもしれない。俺が知らないだけで。


穴熊社長がカメラの前にやってきた。


『それでは、発表させていただきます。我々は、異世界で建設事業に参入します』


ぱしゃぱしゃぱしゃとフラッシュが点滅しまくる。

気分が悪くなりそうだ。


『最初の建設事業は、旅館になるでしょう。以上です』


これが俺とベクトルさんの悪巧み。


そこまで悪くは無い悪巧み。


今までこそこそ動いていたけれど、どうも他国のスパイが入り込む程度は情報が漏れている。ならば、こちらからばらしてしまおうというわけだ。


ここで、異世界ビジネスを発表することで、異世界積極ムードを出し、積極派であるアマビエ新党を援護しようという作戦なのだ。

すでにゲートは繋がっている。今更反対や禁止にしたところで、もう取り返しが付かないのだ。


「さて、これでお祭りモードになってくれたらいいんだけど」


「まず間違い無くそうなりますよ。きっと株価もストップ高でしょう」


『質問させていただきます。あなた方は、すでに異世界の仕事を受注できる立場にあるということなのでしょうか』


『建設の仕事はなにも受注産業だけではありません。我々で企画、設計、施工、そして維持管理と運用を行うこともあります』


本当は俺からの依頼なんだけど、表に出るのが面倒なのでそういうことにしてもらった。


『補足しましょう。旅館経営ノウハウに関しては、我々五星リゾートが力になるでしょう』


『質問です! その旅館はどこにできるのでしょうか。そこを利用するにはどうしたらよいのでしょか。その建設事業の認可はもうすでに降りているのでしょうか』


記者も興奮しているようだ。


『はい。旅館の位置は異世界としか説明のしようがありません。住所もありませんからね。それから利用するにはどうすれば? でしたっけ? そこを利用するには予約が必要ですね。もちろん、まだ先の話です。最後に、建設事業の許可ですか? 当然、降りています』


『質問です。どうやって異世界に行くのでしょうか。やはり徳済候補が動かれているのでしょうか?』


『異世界に行く手段は秘密です。徳済候補は関係ありません』


『質問です。こちらの世界と異世界の建築技術の違いとかあるのでしょうか。いきなり参入して勝算はあるのでしょうか』


『あちらは魔術で工事します。それが違いです。それから勝算ですか? ありますね。異世界に行った日本人600人の中にはすでに向こうで工務店を立ち上げていらっしゃる方達がおられます。我々だって出来ます』


『質問です。貴方たちは、すでに異世界に行っていると、そう理解してよろしいのですね?」


『今は少数、行っております。本格的に行くのはもう少し先です。今は人員を選別しております』


『質問! 魔術とは具体的どういったものでしょうか・・・・・・・・』


『質問! 噂されている異世界由来の病原菌なのですが・・・・・・・』


「いや~。うまくサプライズ演出になっていますね。流石です」


「いえいえ。これで、一気に異世界が真実で自分たちもひょっとしたら行けるかもしれない、という期待が出てくるでしょう」


「そうですね。これで異世界規制派をくじく事ができると思います」


「しかし、良かったんですか? これから造る旅館、といいますか五稜郭が、まるで我々の企画で、造ったら我々のものになるかのようないいぶりになってしまいましたが」


「いいんじゃないですかね。俺に旅館経営なんて無理ですし。一人でやったって、きっと不細工でつまらない物ができるでしょう。自分で出来ないことは、プロに任せます」


「そうでございますか」


ベクトルさんは嬉しそうな、感心するかのような笑みを見せる。


俺には他にやらないといけないこともあるしね。ディーを少し怒らせてしまっているし。

さらに、俺、実はもう一つ造らななければいけないのだ。それはイセの城。五稜郭だけにかまっていられない事情もあるのだ。まあ、それは今度考えよう。


テレビを適当にザッピングする。


ピロリロリン♪ピロリロリン♪

ニュース速報を知らせるアラームが鳴る。


『三角商会、異世界事業参入を発表』


「きましたか。まあ、三角系は異世界に行かれた600人の中にも多かったですからね。これは予想されていたことではありました」


「単に発表するタイミングを伺っていただけですよね。日本政府がなかなか異世界認めないから」


「あはは。実は、公式には未だに認めていないんですよ。法的定義も閣議決定すらしていない」


「そうなんですね。本当にのんびりしているなぁ」


ピロリロリン♪ もう一度アラームが鳴る

そして、『○○警備保障、異世界事業参入を発表』というテロップが流れる。


「おや、お次は冒険者ギルドですかな?」


「そうですね。冒険者ギルドは、さらにサプライズでネットで職員を募集するらしいですけど。採用は極少数の予定のはずです」


今、『パラレル・ゲート』は、東京の病院に付いている。先日警備保障と前田さんを繋いで今では直接やり取りをしているはずだ。

ネットは以前から活動しているけど、実はあまりうまくいっていない。


「ほう。ネットですか」


「いや、結局は大手さんと組むので、ネットは話題作りですね」


「なるほど」


俺は手元のPCをかちゃかちゃと操作する。


「あ、ほら、すでにネットに出てます・・・冒険者ギルドのホームページ。でも、全然来訪者数が伸びていない。広告が下手すぎるなぁ」


「あははは。そうだ、少し話をさせてみましょう」


「話ですか?」


「はい」


・・・

<<清洋建設の質疑応答>>


『その件に関しましては、現地の日本人の法人、冒険者ギルドに協力を仰ぎます』


テレビ越しの穴熊社長が、何かの質問の回答として冒険者ギルドの名前を出した。


『あの、冒険者ギルドとはどういった組織でしょうか』


『異世界に転移してしまった600人の日本人達が作った法人組織です。護衛や拠点防衛任務の他、人類未踏の地に入って、素材や食材などを収集する仕事を請け負う組織です。ちなみに、そこは求人も出していますので、我が社としても社員を何名か出向させたいと考えております』


その瞬間、ネットがざわつき出した。


「逆に希望者が殺到しそうだなぁ」


「ま、そこまで多比良さん達が気負う必要もありませんよ」と言った。

今、冒険者ギルドには双角族がバイトで人物鑑定業務を行っている。そんなに変な人物は入ってこないだろう。


・・・・


しばらく、テレビやネットをチェック。記者会見も終わったところで、異世界に帰ることにする。

まだお昼前だ。昼食は軽空母でいただく予定にしている。


「じゃあ、私とオキタは帰りますね。今日から防衛訓練生を五稜郭建設予定地に連れて行くんです。そこで本格的な戦闘訓練を行う予定です」


「心得ております。補給の準備はお任せください。困ったことがございましたら、何でもお申し付けください」と、ベクトルさんは言った。

補給物資の輸送は俺が行うけど、物資そのものの調達は清洋建設がやってくれる。



・・・・

<<メイクイーン男爵領>>


『パラレル・ゲート』で軽空母へ。

そこから外へ出ると、メイクイーン城壁外の荒野だった。

ポケェと突っ立っている糸目を見つけて話かける。


「よ、糸目やってる?」


「あ、ダーリン、訓練の方は順調よ。もう未踏の地に出てもやっていける程度だと思う」


「早いな。まだ訓練数日目だというのに」


訓練風景をみると、何だか人数が多い。


そして・・・


「そこ、火3,風2,土1で!」と、ノーラさんが叫ぶ


「はい。ファイヤーランス!」 「火が少ない!」


「はい! ファイヤーランス!」 ドン! 「よし!」


「次、土10,風10,水2,雷3!」


「ブラスター!」 シュバー! 「雷が少ない!」


「次、反重力10、土10、雷10,水3」


「ビーム!」 チュビィィイイン・・・・ドン! 


「よし、OK! 貴方達、ビームは上手よね。何で?」


先日来たばかりの日本人達が、ビシバシと攻撃魔術を放っている。


「・・・なにあれ」


「何って、エンパイア式攻撃魔術みたいね」


「え? 土10とかの数値は?」


「魔術を込める強さを数値化して覚えさせているみたい。術式が組みやすくなるんだって」


「俺、そんなの習ってないけど・・・」


「そうね。この国の魔術って、かなり大雑把だから」


俺だけではなく、ラメヒー王国自体が習っていないらしい。そんな馬鹿な。


「数日でちゃんとした攻撃魔術を打てるようになるとは・・・」


「これ、ラメヒー王国も取り入れた方がいいのかしら」と、糸目が言った。


「何で今まで取り入なかったんだよ・・・」


「その辺、私に聞かれても・・・まさか、これもアレなのかしらね・・・」


「アレってなんだ?」


「この国ってね。なんか変なの。まるで、わざと弱くしているというか。武器を手にしていないというか・・・」と、糸目が人差し指を顎に当て、斜め上を向いて言った。


「ううむ。日本の自衛隊もいろんな制約があるけど、それみたいなもん?」


敵基地能力を持たないとか、殺傷力が大きい兵器は持たないとか。


「うちの国の魔力判定方法が妥当かどうか。この魔術訓練方法も併せて考察してみようかしら」


「ふうん。強くなるなら、俺も習ってみようかな・・・ビームは俺も撃ちたいし」


「はい? 貴方はすでに十分強いじゃない。どんだけ強くなろうとしてるのよ」


「え? 俺、魔術なんてまともに習ったこと無いから、一度ちゃんと習おうかと」


「そういえば、ダーリンって、Dランクとして無視されていたわね。もし、貴方がちゃんと魔術を習ったら・・・」と、糸目が言って、細い目をさらに細くする。


「あら。貴方って強かったの? 私はてっきり単なるお金持ちかと・・」と、教導官役のノーラさんがやってきて言った。


「ほう。是非一手どうですかな?」「ではその後に私も」と、知らない人達がやってきた。どう見ても日本人ではない。


いや、あなた達は一体何者? 見知らぬ人がわらわらとやってきた。糸目の方を見て助けを求める。


「ああ、彼らはこの街の住民ね。訓練していたら、寄って来たのよ」


「寄って来たって・・・そういえば、この街って戦闘狂が多いとモルディが・・・油断してた」


「じゃあ今度は、五稜郭とかいうお城の方まで出ましょう・・・ここは狭いし、ね?」と、ノーラさんが怖い目付きで俺の肩を掴んできた。


ノーラさん、目が怖い。この人、戦闘狂だったのか。



・・・・

<<五稜郭建設予定地>>


訓練生を軽空母に乗せて、五稜郭建設予定地に移動する。


何故か、訓練に参加していた地域住民10人くらいの方も一緒に付いてきた。

補給の問題もあるし、やんわりと断ったんだけど、彼らは自分たちの街は自分たちで守りたいと言って食い下がってきた。メイクイーンは集団疎開になりそうと聞いたけど、ノーラさんと相談し、彼らの心意気を汲んで応援してあげることにした。

ノーラさん曰く、洗浄魔術や炊き出し要員として役に立つとか。それから床屋もいるらしい。


と、言うわけで、希望者全員で五稜郭建設予定地に移動。総勢約30人になってしまった。


五稜郭建設予定地に到着して、ぞろぞろと降りていく。今日からしばらくは、彼らはここで生活することになる。


「さて、ここが五稜郭建設予定地なんだけど・・・なんか様子が変だな」


「あ! 草食恐竜が入ってきてますね。小さなヤツも」とはツツさん。


「そうだよな。こいつら、ここが安全だと思って寄ってきたのか」


よく見ると、小さめの草食恐竜やら大根ほどの大きさのトカゲやら鳥類やらが大量に堀の中の土地に入って来ていた。最近、開発をサボっていたから、安全地帯だと思ったんだろう。


「どうします? 食べますか?」と、ノーラさんが物騒なことを言う。


「いや、こいつら食べるの?」


「こいつなんてアホウトカゲですよ? 触っても逃げませんから。ほら」と言って、ノーラさんが、大根くらいあるトカゲをおもむろに掴みあげる。


本当に逃げない。捕まえられてもじっとしている。


「・・いや、こいつなんだか可愛いし、逃がしてあげましょう。というか、無視でいいですよ」


このトカゲ、よく見ると指が可愛い。こいつはヤモリではないだろうか。それならば、昆虫を食べるから益獣のはずだ。


「おいしいんですけどね。まあ、いいです。それでは、訓練場を造っていきましょう」


ノーラさんはトカゲをペッと放り投げて、変な事を言う。

ええ? まだ仕事するの? 今日はバーベキューでもしようと思っていたのに。


・・・・


その日は日が暮れるまで、ノーラさんにこき使われて、五稜郭内部をバトルフィールドに改造していった。


ここには、五稜郭用の石材を大量に野積みしていた。

それらの石をノーラさんの指示で起伏を付けたり、シェルターを造ったり、大きな岩をランダムで転がしたり。


今日中に、少し移動するだけでも結構大変なバトルフィールドが出来上がった。まさに、風雲多比良城が出来上がってしまった。


「まあ、このくらいでいいでしょう。戦場では、このくらいのフィールドを自由に動き回る必要がありますから」と、ノーラさんが腰に手を当てて言った。


この人、最初は初級魔術までしか教えないとか言っていたような・・・何時の間にかノリノリになっている。まあ、弟子入りしないと教えられないのは、あくまで『魔術の奥義』であって、戦闘方法などは別なのかもしれない。


ちなみに、日本のパンと小麦粉は、ベクトルさんにお願いして大量に買って来てもらって、渡してある。


明日からの補給にも、パンと小麦粉が入ってくるらしい。東京のパン屋さんのレベルは高いからな。どこのお店も美味しいのだ。


「では、今日の所は御飯にして休みましょうか」とノーラさんが言った。やっと許してくれたようだ。


「じゃあ、早速バーベキューを始めましょう」


「そうですね。あ、朝食のパンは私が焼きますよ。お代はいただきますけど」と、ノーラさんが微笑んだ。


「はいはい。いいですよ。うちのも休めるんで喜ぶでしょう」


ノーラさんの特訓は続く。

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