一章を読んだ感想になります。基本的に文章は読みやすく、テンポもいいです。ありがちな設定ではありますが独特な雰囲気と個性的なキャラクターが魅力的です。読む際の注意点としまして―タグにあるようにほのめかす程度の性描写、現代の闇を取り扱っているため全体的に暗い雰囲気、不条理なお話のため万人受けはしないものとなっております。ですが刺さる人には刺さる怪作、といった仕上がりかと。時間のあるうちに少しずつ読み進めていくのもいいかもしれません日本特有の妖しい雰囲気がすきなかたにおすすめです。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(376文字)
表現がとにかく綺麗なのが、この作品の魅力です。人の欲望というようなドロドロとしたものを描いているのに、とても耽美で、欲望は否定するものじゃなく、向き合うものなのだと思わせてくれました。あの世でもこの世でもない場所にある桜雲館が、どこか身近に潜んでいるのではないかと感じるとても素敵な雰囲気の作品です。