第168話 苦情?そんなの無視だ!

【絶対領域】が謎の出店をしていたという驚愕の?事実が発覚してから1週間ほど経過した。


 この頃には王都から頻繁に苦情が来ていた。

 差出人は王族だったり国王自らの場合もある。

 ディーデリックとサスキアで何とかならなかったのか?


 で、苦情の内容は多岐に渡る訳だが、そのうちいくつかは無視をした。

 自分達で何とかしろ!というのが俺の言い分だ。


 そして今悩ませているのは、あの魔族の扱いだ。

 肉体と精神を別々に引き渡したからな。その後はどうしようとも知らんぞ。

 一応情報を引き出すように伝えてあるのだが、果たしてそれを守っているのか。

 魔族に関しては色々分からん事だらけだからな。

 王都の襲撃を唆した本人だから、何か重要な情報を持っているはず。

 だからお城に送り届けたんだよ。


 それなのに、扱いに困るだのとかそもそもどうにもならんからそっちで対応してくれとか。


「なあヤーナ、これどう思う?」


 最近ヤーナに丸投げな俺。

「ちょっとなんでいつも私に見せるのよ!クーンはクランの代表なんだから、自分で何とかなさい・・・・・・!」

 とうとう見捨てられてしまったようだ。


 さて、どうするか?

 何せあの魔族、一言も喋らないそうだ。

 自白させてしまえば後はどうでもいいのだがなあ。


 うーん・・・・

 こういう時はどうすれば?多分拷問の類は駄目なんだろう。

 それならば・・・・

 よし決めた!

 俺はある考えがあったので、城へ向かった。

 今は王都に居るんだよ。王都の拠点は既に出来上がっているのだ。だが中身がどうしようもない状態だから、色々手を加えているんだよ。


 ・・・・

 ・・・

 ・・

 ・


 俺は今、あの魔族と対面している。

 魔道具で全てのスキルや魔法を封じられている状態だ。


「よお、俺の事が分かるか?」

 一応声を掛けるも、反応なし。

 聞けば一切の痛覚に反応がなく、くすぐっても反応が無い。

 音や光には反応があるが、だからと言ってそれで情報を引き出せる状況ではないらしい。


 きっとこいつはまだ隠し玉があるのだろう。

 もしここで死んでも、何か復活出来る方法があるんだな。


 そこで考えたのは、昔日本で聞いた事のある音と光の拷問だ。

 どんなに屈強な精神の持ち主でも、これをやられると一晩持たないとか。

 何それ怖い。

 脳に直接影響が出る方法なんだが、この世界にはそんな便利なものはない。それに俺の知っている情報も、そんな手の込んだ事はある意味していない。


 今回は音だ。

 真っ暗な状況に閉じ込め、ひたすら同じ音を聞かせる。ただそれだけ。


 俺は【土】で囲いを作り、魔族のおっさんを閉じ込めた。

 そしてある魔道具を起動させた。

 具体的にどんな音を聞かせるのかは秘密だが、この方法は絶対にやられたくないと思う程えげつない。


 ちなみにこの魔族のおっさん、僅か3時間ほどで音を上げたぞ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る