第160話 精霊のささやき(意味深)
さて、どう干渉してやろうか!俺は色々と考え始めたが、これと言って思いつかん。
視覚や聴覚といった五感に訴える事になるのか?
但し、どうやったらいいのか分らんぞ。
相手の精神に干渉させるとして、物理的なのは有効なのか?
後は刺激か。
魔族に効果のある恐怖って何か分からん。それとも快楽か?
何か違うな。
「精霊のささやきはどう?」
いきなりヤーナが提案したのだが、なんのこっちゃ?
「ヤーナ、精霊のささやきって何の事だ?」
「その名の通り、精霊がささやくのよ。」
精霊がささやくとどうなるんだ?
「すまんがさっぱりわからん。」
「ほら、欲望に対してささやくのって、【悪魔のささやき】って言わない?」
何か聞いた事があるような。
「精霊が似た様なささやきをするのよ。相手の頭の中に直接ね。」
何それ怖い。
「だが相手は魔族だぞ。出来るのか?」
「出来るのかじゃないわ。やるのよ!」
おお!再びヤーナのやる気スイッチが入った!
そう言えばここに捕獲した魔族って、以前はどうやって脱出したんだ?
俺は物理的に拘束し、そのまま引き渡したと思ったのだが。
その後も逃がしたという連絡はなかった。
つまり乗っ取られた体はずっと拘束されているって事だよな?
で、精神体とでも言うのか?魂?そのような存在となって逃げだしたのだろう。
だがそんな状態に精霊は通用するのか?
試してみないとわからんな。
という訳で、まずは物理的に処理してみようか。
今の囲いを3重にする。
先ずは今囲っている壁を別の【土】で覆ってしまう。間に精霊に留まってもらう。
更に密閉したり加工を施す。勿論間には精霊を。
今回は酸欠狙いだ。
肉体が酸欠になれば、意識が朦朧となり、時間が経つにつれて思考能力が低下し、やがて活動できなくなる。
俺はやった。やり切った。
囲いを密閉させた。
呼吸をしないと普通の人は死ぬ。
何らかの酸素を供給するアイテムを持っていれば別だが、そう都合よく持っているとは考えにくい。
俺の思惑通り、壁を叩く音や悪態をつく声が聞こえていたが、それもやがて収まった。
そのうち完全に動きが無くなった。
だが相手は魔族だ。
ここでヤーナの言う精霊のささやきが発動。
精霊が囲いの中にいる魔族へ、しかも頭に直接語り掛けるようだ。
暫くすると囲いに変化が表れた。
俺の囲いにひびが入ったのだ。
今回は【強度マシマシ】をしなかったからな。
いたって普通の壁だ、壁だよな?
そのうち何やらもわっとしたのが出てきた。あれが今回居合わせた魔族の本体か?
フラフラと漂っているようだが、あれは捕獲できるのか?
【捕獲はたやすいが、何処に向かうか興味はないか?】
ジンがそんな呼びかけを。
本体がどこにいるのかは知っておきたい。
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