第62話 パーティー結成のお食事会?

 クランについては一旦保留とした。

 何故なら俺の独断で決めるような内容ではないからだ。


 ここで言うクランの結成は、俺達出来立てホヤホヤのパーティー【ワンチャンス】とニールスにい率いるパーティー【雲外蒼天】そして?セバスチャンが同じ組織に所属する、という事を指す。


 しかしこんなに早くそんな大きな組織を作っていいのだろうか?

 また管理はできるのか?


 この場合セバスチャンに任せればいいのか?


「一度ニールスにい達と話をするよ。まあ結成するとしてもずいぶんと後になると思うけどね。」


 俺は受付のお姉さんにそう伝え、ギルドを後にした。




 俺はパーティーを結成した事で、何かお祝いを・・・・と思ったが、その前にパーティーとしてどう活動をするのか、パーティーの規律をどうするか等、決める事が多いと気が付き、この際だから飲み食いしながら話し合う事で、お祝いを兼ねる事にした。


 実際フロリーナとヤーナの薬草採取に付き合いつつ、当然ながら自分でも薬草を採取していたから、それなりにお金はあるんだ。


 ・・・・

 ・・・

 ・・

 ・


「まずはパーティーの結成ありがとう。そしておめでとう!」

 俺は皆に言われ挨拶をした。

 そして無意識のお礼。何で俺はありがとうって言ったんだ?まあ気にするほどの事でもないか。


 因みに場所は、普段であれば絶対に行かないような高級料理店だったりする。

 フロリーナとヤーナも、幼い頃に来た事があるという話で、貴族が利用するような店だから無理かと思ったんだが、どうやら店主が2人を覚えていたようで、別室に案内された。


 まあドレスコードが存在するような店に行った事が無いから、そんな気張った服なんか持ち合わせていないし、子供の姿だから無理だと思っていたんだ。あと値段的にも。


「そんなに畏まらなくてもいいのですよ。」そんな事を店の人に言われたが、場違いだよな。

 後で聞いたのだがこの店はフロリーナの父、公爵が後ろ盾になっている店なんだとか。

 王都で公務があれば必ずこの店に立ち寄るのだとか。

 あれ?そんな店だとやっぱりお金が足りなくならないか?

 そもそもフロリーナとヤーナは金が無かったんじゃ?


 そう思ったんだが、どうやら俺はカードの中を確認していなかったようだ。

 気が付けば日本円にして100万円ほど溜まっていた。


 それにティーデとヒセラもそれぞれ50万円ほど溜まったらしい。

 別行動が多かったから知らなかったのだが、凄いな2人とも。


 そんな訳で俺の奢りで無礼講・・・・セバスチャン以外は未成年なんだから皆ジュースだ。


 最初は俺達だけで、と思ったんだが、セバスチャンがニールスにいに声を掛けてくれていたようで、もうすぐ来るんだそうな。


 その間に色々と・・・・


 まあそんな大した規律も活動方針もないのだが、無理せず命を最優先で、規律は仲間を信じ・裏切らない事。

 後はお互い切磋琢磨していこうと。

「まあ最初はこんなのでいいのよ。それに私達はずっと一緒という訳ではないから、いつかは別れがあるのよ。それに新たな出会いも。ただ今日は私達の新たな出発、そうでしょ?」

 リーダーはヤーナだったのか?

 俺的にはそれで全く構わないのだが。


 だが違ったようだ。

「私もそう思うわ。最終的にはクーンさまがリーダーとしてどうすべきか決めてくれるといいのではと思うの。パーティーって、良くも悪くもリーダー次第なのですわ。」

 フロリーナもそれらしい事を言っているが、俺に丸投げか?

 ティーデとヒセラは俺に丸投げだ。

「ぼ、僕もそれでいいと思います。ぶっちゃけるとその、クーンさんが聖人とは思えませんが、悪い人ではありませんし、どちらかといえば善人でしょう。それにクーンさんにはどう言ったらいいのか分かりませんが、何か魅力があります・・・・って何を言っているのだろう。僕が言いたいのは、クーンさんに何処までもついていきます!それに万が一道を踏み外そうとしても、きっとヤーナさんが正しい道を示してくれると思っていますから。」

 マースもそれらしい事を言っているが、言いたい放題だな。

 まあ悪人になったつもりはないが、聖人でもないしな。

「まあマースさま、そう思います?」

 フロリーナはいつの間にかマースと仲が良い・・・・よすぎじゃないか?

「ちょ!マース!なんて事言っているのよ!恥ずかしいじゃないの!」

 ヤーナ、そこは否定はしないんだ。


 だが俺が道を踏み外す事って・・・・ありそうで怖い。

 誘惑に負けて闇落ちとかありえそうだな。

 気を付けないと。


 そんな事を話していると、ニールスにい達がやってきたようだ。






  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る