第60話 冒険者ギルドでの手続き開始

 翌朝、冒険者ギルドの前に集合。

 ちょっと早いかな?と思ったのだが、既に全員集まっていた。

 因みにティーデとヒセラは俺と同じ宿だ。だから一緒に来たのだ。

 まあ兄弟だし、今の所俺が保護者みたいなもんだからな。


 しかし10歳と11歳の子供を、子供だけで宿泊させる宿ってどうなんだ?


 え?日本じゃないから金次第?さよですか。


 早速7名で中に入る。

 セバスチャンはパーティーに加入しないとはいえ、同行してくれている。

 俺達7人は冒険者ギルドの建物に入ったのだが、朝の為ギルド内は賑わっている。

 朝一番で依頼を確認し、行動する事が多いからだ。

 尤も何日もかかる依頼はその限りではないし、あとは俺がよく、というよりほぼ毎日引き受けている薬草採取のような、常に依頼がある場合も朝ダッシュはあまり意味がない。


 依頼の中でもよくあるのが、魔物の退治や調査だ。

 山に魔物が出没して、木こりや鉱山での採掘等、彼等の仕事が出来なくなるので冒険者に魔物を退治してほしいといった依頼があったりする。


 また王都より少し離れた村なんかでの依頼がある。

 何々が欲しい、護衛をお願い、といったお願いやら畑を荒らす獣を仕留めてほしいとか。

 個人から領主の依頼まで様々。


 まあ今の俺にはあまり関係がない。


 だが俺は見落としていた。


 ずっと掲示板に張り付けたままの依頼があるのだが・・・・報酬が低かったり条件が悪かったり、又はスキルで対応できなかったり等々色々理由があるが、得てして人気のない依頼はずっと掲示板に張り付いたままだったりする。

 そう言った依頼の中に、王都の壁の補修があったのだ。

 俺は知らずに補修していたのだ。

 これは後になって分かるのだが、それは今ではない。


「おはようございます、本日はどうされましたか?」

 いつものお姉さんが対応してくれる。


「おはようございます。実はパーティーを結成する事にしたので、申請をしに来たんだ。」


 すると受付のお姉さん、

「それはおめでとうございます!いよいよクーン様もパーティーとして活動するのですね!」


 おめでたいのか?パーティーの結成って。


「それでどうしたらいいんだ?」


「クーン様はパーティーのメリット・デメリットをご存知でしょうか?」

 どうしたらいいと聞いたのに、何故別の質問を返されるんだ?


「さあ、知らん。」

「分かりました。では皆さまご一緒に、奥のお部屋にお越しください。説明いたしますわ。」

 書類に記載するんじゃないのか?何故か奥の部屋に通された。


 ・・・・

 ・・・

 ・・

 ・


 受付のお姉さんの話だと、冒険者というのは個人とパーティーのランクがあるらしい。


 まあそれぐらいは知っているんだけどさ。

 まあ一応簡単に一から説明してくれるみたいだ。

 もしかしたら間違った事を教えられている可能性もあるから、らしい。


 大雑把に言えば、色々な依頼や戦闘で得た経験を・・・・経験値というようだが、具体的な数値を示す魔道具は相当高価なので、普通は何となくしか把握しないらしい。

 で、その経験値とやらをパーティーメンバーで均等に得る事が出来るようなんだ。


 これは前衛で直接武器で戦う戦闘職や、魔法を使う職業であれば魔物なんかを仕留めやすいが、回復や防御専門だったり、戦闘以外に活躍する人には魔物を仕留めるのが困難だ。

 そうなると同じパーティー内でレベルの差が激しくなり、トラブルに発展しやすいんだとか。

 それを回避するための仕組みらしい。


 脳筋がごねそうだが、サポートあっての戦闘職だからな。


 後はダンジョン。

 俺はダンジョンの事は知らないが、ダンジョンで活動するには最大6名での活動が推奨されているそうだ。

 何やら転移陣なる特殊な魔法陣があり、6名まで同時に利用できるので、これがダンジョンでのパーティーのメリットと、パーティーが最大6名というのはここからきているらしい。


 何だか以前にもそんな事を聞いた気がしたが思い出せん。

 まあ、復習みたいなもんだな。


 それにもしかしたら、俺の頭の中にある知識は、ゲームの記憶かもしれないしな。






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