31:Free Action
修学旅行二日目。今日は班での自由行動だから、好きな場所に行ける。
つまり、碧と京都デートと言うことだ。まあ、適当にぶらぶらするだけだ。だが、それでいい。デートなんて、そんなものだろう。
まず、嵐山に来た。まだ、色づき始めた所だから見頃とは言えないだろう。ただ、それでも観光客はたくさん来ているし、充分綺麗と言えるだろう。
「わたし、京都って初めて来た」
「そうなのか。でも俺も、最後に来たのは十年くらい前だから、あんま記憶にないな」
「なんか、回る場所沢山あるから、時間足りないね」
「確かにな、また今度二人で来ようか?」
「うん、行く!」
これでまた、楽しみが一つ増えた。
「あ、あれ、みづきじゃない?」
「え?あ、ほんとだ」
みづきもいた。と言うか一人で何やってるんだ。
「よお」
「ん?ああ、君か碧も一緒か」
「うん、で、何やってるんだ?」
「何って、観光だけど」
「なんで、一人なんだ?」
「ああ、皆トイレに行ってるんだ」
「なんだ、友達がいない訳じゃないのか」
「流石に友達くらい、いるさ。なんたって、わたしはテスト学年一位なんだからね」
ぐぬぬ…次こそは俺が一位を取ってやる
「で、そう言う君たちは二人?」
「ああ、見ての通り」
「班って最低でも四人いなきゃいけなかったと思うけど」
「なんか、人数が合わないとかでな」
「そうだったのかい。と言うか君たち付き合ってるの?」
「はい?」
「昨日夜にホテルで喉乾いたから自販機に飲み物買いに行ったら君たちが二人きりで仲良くお風呂に入ってたのが見えたから、付き合ってるのかなって」
「見てたのかよ……」
「で、付き合ってるの?」
「ああ」
「へ〜、どっちから告白したんだい?」
「確か、わたしからだったかな」
「碧から?意外だね」
「まあ、ほぼ同時みたいなもんだったけどな」
「まあ、末永くお幸せに」
「どうも」
「じゃ、みんな帰ってきたから、わたしはここで」
「おう、またな」
「うん、また」
「なあ、碧」
「ん、何?」
「みづきってテスト学年一位だったけど、前からあんなに頭良かったのか?」
「うーん、昔はどうだろう。よく分かんないや」
「そうか」
「と言うか、付き合ってるの、バレちゃったな」
「別にいいんじゃない?」
「まあ、いいか」
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