30:School Trip
来週から修学旅行だ。定番と言えば定番なのかもしれないが、場所は京都。そしてこれから、行動する班決めなどをする。ざわざわと周りの奴らは、どうする?とか言いながら楽しそうに話をしていた。
俺と碧は生徒会組という事で同じ班になった。ありがとう先生。
更に人数が合わないとかで、宿泊先の部屋まで同じになった。
学校の帰りに、碧と一緒に修学旅行用の荷物などを買いに行くことにした。お互い一人暮らしということもあって、必要最低限の物資しか持っていなかった。
隣駅にあるショッピングモールにやって来た。
まずやって来たのは、ランジェリーショップと言うやつだ。
「ちょうど新しい下着ほしかったんだよね」
「そ、そう。じゃあ俺はそとで待ってるよ」
「えー、似合ってるか見てほしいんだけど」
「え、店の中入るの?」
「うん」
仕方なく入ってみたが、目のやり場に困るな。どこを見ても、下着だらけだ。ジロジロしてるのも変に見られるんだろうけど、こういった店は、どこ見てれば変に見られないんだろうか。
「これとかどうかな?」
そう言って碧が体に当てていたのは、黒色の下着だ。
「どうかなって言われてもなあ……」
「似合ってる?」
「似合ってることは似合ってると思うけど」
「じゃあ、これ買おっと」
黒色の下着って、ワイシャツの下に着ると、透けちゃわないか?とか言おうと思ったが、回りの客に変なことを思われるのは嫌だったから辞めておいた。まあ、ジャケット着てれば大丈夫か。
「はい、わたしはこれで終わり」
「ん?これだけでいいのか?」
「うん、外いるときは制服だし」
「ああ、そっか」
「何か、買いたいものある?」
「俺は特にはないかな」
「じゃあ、帰ろっか」
そして迎えた修学旅行初日。東京駅集合。勿論、同じ家に住んでるので、一緒のタイミングで出発し一緒のタイミングで到着。ただ、同じ生徒会と言う事で、相変わらず気にされない。それはそれでありがたい。
新幹線の席も隣。碧はどう思ってるのか知らないが、俺得である事には変わりない。
「ずっと近くに居れて嬉しいね……」
と、碧が誰にも聞こえないように耳打ちしてきた。それに対し俺は首を縦に振り、返事をする。
京都に到着。初日は決られた場所を全員でまわる。
今日は八坂神社に行くらしい。八坂神社は縁結びのご利益があると聞いたから、めちゃくちゃお祈りしておこう。
移動もあった影響でかなり疲れたが、宿泊施設に到着して、ようやく一息つける。しっかりお祈りをしておいた。碧もしてくれた。そして、同部屋である。普段から一緒に住んでるから、あまり特別感はないが、修学旅行と言うのもあって、少し不思議な感じはする。
色々と用事を終え、今から入浴。生徒会メンバーはちょっとした会議があったので、他の生徒より遅い時間に入る。俺たちは、会長と副会長なので、他の生徒会メンバーよりも更に遅く入る。従って俺たちが最後だ。
修学旅行と言う事でテンションが上がっていた俺は、調子に乗って
「一緒に入る?」
などと言ってしまった。
「え?う、うん。いいけど……」
碧は、顔を赤くしながら、小声で応える。
「え、いいのか?」
「うん、いいよ」
マジか、いいのか。
いざ、一緒に入浴してみると、かなり恥ずかしい。
恥ずかしさがありつつも、ちらっと碧のことを見ると、『エッチ……』と照れながら言われてしまった。俺の彼女可愛すぎないか…?
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