第27話ゲート




俺はテレビで日本政府からの重要な報告があると知り見ていた。


それはアメリカの報告を承認する形で始まった。




ゲートの魔物について衝撃の事実らしき事を知った。


それは、アメリカ政府の正式な発表で世界にまたたく間に広がった。


海兵隊によって犠牲者を出しながら魔物の捕獲がなされていた。




DNAの解析の結果、地球上の生物でない事が判明。


捕獲の種類は2種類だが、その2種類とも生殖器がない生物であった。


魔物を同じ檻に居させても何の反応も無かった。


モルモットを投入すると一転して襲い食べてしまう。




それを何度か行なって、日々の観察を行なっていた。


ある日、急に魔物が口から黒い物体を吐き出す不思議な光景が観察された。


そして急に黒い球体に変化して2時間後に魔物になって檻の中を徘徊をしている。


その魔物のDNAを解析した結果、同じDNAで魔物のコピーだと言う真実。




その事から今戦っている魔物の中に、そうやって増えた魔物が大半らしい事実。


その行為は魔物としての本能がそうさせているのだろう。




赤い魔石と紫の魔石は、原因は分からないが回復してくれる未知なる物質が使われ今も研究中。




それと中国の例の問題だが、とんでもない発表がされた。


それは一部の学者の説だが、中国の巨大魔物の出現はゲートへの水爆が原因でないかと囁かれている。


水爆エネルギーを吸収して、ゲートが大きくなったと言う仮説であるが人工衛星のゲートの画像が証明している。


それに伴ない、ゲートへの直接な攻撃は控えるべきだと国連で審議されている。




・  ・  ・  ・  ・  ・




あれから1週間、畑仕事とDIYと防衛魔法の特訓それも結界を中心にやり続けていた。


結界内に2時間以上こもり続けて、飛行する事もできるようになった。


速度は50キロだが使い勝手はいい。


結界を使い続けて、俺はある作戦を練っていた。


条件が揃ったのでそれを決行しようか止めるか悩んだ。




そして赤穂へ行こうと決めた。


今度の戦いは従魔からも被害がでるかも知れない。




赤穂の城跡には、1万以上の魔物の気配が感じられている。


俺は今回の遠征戦に行く従魔を集め、念話にて作戦内容を知らせた。


そして飛行部隊を先行させる。一斉に飛び立ち凄いスピードで飛んで行ってしまった。


俺は気配探知で飛行部隊の移動地点を把握し続ける。


そして頃合だと判断して俺は決意と共にゲートを2度掛けして開いた。


チューゴらが先頭で入って行き、ゲート付近の魔物倒してゆく手筈になっている。


続々とゲートへ入って行く従魔達を見続け最後に入った。




強襲によってスキを突かれた魔物には、抵抗らしい戦いもなくアッと言う間に終わってしまう。


魔物が弱かったのでなく従魔が強かった。




俺は強そうな魔物を選びゴーレムに代えてゆく。


それと俺の防衛の為、強化された土塀を分厚く作ってゆく。


あの光線に耐える程に幾重にも作り続ける。


そして完成させると、気配探知で岡山駅を調べる。


1万以上の魔物が居たが、ゲートから次々と魔物が這い出している。




3時間後、敵が動き出した。


4万以上に膨れ上がった魔物達がここに向かって行動を起こしている。


ゲートの周りには、魔物が居ない状態になっている。




俺は念話にてあとは頼むと従魔達に送ると、結界を自身に発動。


空中に浮かせると海の方へ移動。


従魔が俺の気配が消えた事で作戦の目的が遂行された事を分かったのだろう。


一部の従魔が海の方を見ている。




今日の海は穏やかであったが、赤穂では緊張が続いている。


ここからは、海沿いに移動しながら戦いの瞬間まで気配探知に集中。


やはり俺の動きに魔物は気付いていない様で作戦は順調に進んでいる。




やっと魔物が赤穂に到着。そのまま戦いが始まる。


今回は守りに重きをおいた戦いを指示している。


連携さえ上手くいけば、たいした被害がでないと思っているが実際はどうなるか分からない。


俺はそんな心配をしながら移動を続ける。




鹿久居島かくいじまを通過。


しばらく飛行が続き川を発見。


1つ目の川を過ぎ2つ目の川も過ぎた。


3つ目、これがお目当ての旭川あさひがわに間違いない。


この川を北上して行く。もうすぐ岡山駅に到着するだろう。


周りには俺に向かう魔物の気配は感じない。




ここからが大変になってくる。


陸の上を低空で上陸。道路上の散乱した車両を避けながら進む。


建物の崩壊も激しく、全焼した地域も見受けられる。


この先はトラックの衝突で塞がっている。


迂回道を探しながらゲート付近の探索は怠らない様に注意する。




あ! 10人のゴブリンがゲートから出てきている。


そして周りをうろうろと探し物をしている。


急に10人が東に向かって駆け出してゆく。




あと5キロに迫っている。移動スピードを20キロに落とし慎重に進む。


良さそうなホテルを発見。ゲートに気付かれないよう屋上へ浮上。




ゲートが見えた。高さ4メートルで横は3メートルもあった。


そして禍々しい感情のような物が辺りに漂っている。




俺は鑑定を発動。


一気に負の感情が脳に入ってきた。


そしてゲートの向こうの魔王とリンクしてしまった。


俺は一直線にゲートへ最大限のスピードで飛行。


ゲート前で結界を解除。ゲートに向けて結界を発動。


ゲートから魔王の虚ろな記憶が凄い勢いで俺の中に入ってくる。


そうだったのか魔王の正体を知ってしまった。




額や体から汗が噴出し気力がなえてくる。魔石でMPを回復しながらゲートの力に耐える。


この時にゲートを消滅させないとチャンスはないだろう。


結界にパワーを送り込み縮小させ徐々にゲートを圧迫している。


ゲート消滅に精神を集中し続ける。


結界の球体が半分になると、球体の中には黒い渦がうごめき足掻いていた。




やっとゲートの消滅を完了。安堵した瞬間、俺は意識を失ってしまった・・・・・・。






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