第67話 さよなら Part.5
本日3回目の更新です。お気を付けください。
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私は、実家の自分の部屋に戻って優太君の部屋の様子を確認した。
明かりがついていない。
大丈夫だろうか。
天満梨花のアカウントから、IMで何回か連絡をしたが返事もない。
しばらく様子を見ていると、家のインターフォンが鳴った。
……優太君だった。
優太君は、力強い、真剣なまなざしで私を見つめると、
「真理。力になれなくてごめん。辛かったよね。苦しかったよね。ごめんね。でもありがとう。感謝してる。真理と一緒にいれて幸せだったよ」
「…………なんで」
そんなに優しいの?
なんでそんなに強いの?
「真理が浮気したとか本当はどうでもいいんだ。幸せって、積み重ねたものだから。無くなったりしないんだ。今、例え酷い言葉を浴びせかけられたとしても、昨日かけられた優しい言葉がなくなるわけじゃない。だからありがとう。感謝してる。僕は幸せだったよ。それだけ伝えたかった」
うん。ありがとう。
私も幸せだったよ。
「さよなら」
私は、部屋に帰って一人で泣いた。
前の時は、お別れすらできなかったけど、今度はちゃんとお別れ出来た。
さよならできたね。
優太君。
いままでありがとう。
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