第15話

 国外酔街にたどり着いた者たちに生きる術なんてほとんど無きに等しい。

 なんて言ったて国外酔街は作物がほとんど育たないような不毛の土地にあるのだ。そこに住む人たちに出来るのは自らの体を売り、どんな仕打ちにも耐えることだ。

 奴隷には一応非人道的な行為をしないようにと法律によって定められている。

 だから奴隷に対しては奴隷が死んでしまうようなひどいプレイや拷問が出来ないのだ。身も毛もよだつようなプレイや拷問をするために国外酔街に人が訪れ、お金を落とす。他にも奴隷には出来ないような非人道的な人体を実験を行うために研究者が訪れたりなんかもする。

 そのお金で性行為のために国外酔街に訪れる行商人から食料品を買って生きるのである。

 それでも飢えている彼ら、彼女らはプレイや拷問の果てに死んだ人間の死体を食らってでも生きる。

 そんな地獄が国外酔街だ。

 

「えぇ……」

 

 僕はパルちゃんの言葉に絶句しているが、国外酔街の実態についてあまり多くを知らないお坊ちゃま、お嬢様であるニーナとガンクスは首を傾げている。


「……っ」

 

 そして、アーレスは僕を睨みつけている。

 まるでさもお前らが元凶だろ……と言ったような視線だ。

 いや、別に僕は何もしてないし、基本的に吸血鬼は人間の生活エリアだろうが行きたければ普通に出向くので生存圏の争いには加担していないよ?無実よ?

 それに国外酔街に対してひどいことをしているのは人間でしょ?

 僕を恨むのは筋違いなんだけど……?

 ひどいひどいと僕は涙をとして抗議したい。


「……久しぶりに会いたいです!たくさんご飯もあるのでみんなに分けてあげたいです!」


「そうか……じゃあまた一緒に行くか」


「……また?」 

 

 僕はアーレスの言葉に引っかかる。


「そういえばアーレス……。パルちゃんのお母さんと知り合いみたいな感じでパルちゃんが話しているけど……」

 

 僕はアーレスに向かって外道を見るような視線を向ける。


「ちょっと待て誤解だ……俺は」


 アーレスは口を開く。 


「終焉騎士団のお兄ちゃんはお母さんと夜の遊びをしていたです!」

 

 パルちゃんはアーレスの口を塞いだ。

 強烈な言葉で。


「アーレス……」

 

 僕はアーレスに犯罪者、外道、畜生を見る視線を向けた。


「誤解だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああ!!!」


 終焉騎士とは思えないゴミのような人間であるアーレスの絶叫がこの場に響き渡った。

 うるさいよ……僕が声を遮断する魔法を再現していなかったら周りから驚かれていたよ?

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