第179話 自信喪失中、な本日?

 指にできたマメも完全に復活し、朝から元気に執筆中の私、のはずだった、本日。


 少々、いいや、だいぶ? 自信を喪失中らしい。


「あああ、五分で読書の子供からのお題、泥棒がえしのネタが思いつかないっ!」


 三番ちゃんからもらったお題、『泥棒がえし』泥棒から泥棒を仕返すということなのだと思うけれど、それは何を盗んで、どうやって盗み返すのか、それを考え出してからはや数日。全くいいアイデアが浮かばないのです。


 なんなら今日も一作書いたけれど、推理というよりは、謎解きというよりは、どっちかというと短編なのにまたシリーズっぽくしちゃって、新キャラを登場させたかった、的な感じになってしまいました。


「だって、虎次郎くん、もうちょっと書きたかったんだもん」


 名探偵ヒカコシリーズ。五分で読書の探偵シリーズだけど、泥棒がえしのアイデアを考えていたら、なぜか、もう一人くらいキャラ欲しくない? って声が聞こえてきて、書いてしまいました。


 自信喪失中です。多分、これはそういうことだと思いました。


 自分の書いたものを俯瞰して考えてみようと思いました。


 例えば、伝書猫。あんなに夢中で書いていたけれど、俯瞰してみると、謎は簡単だし、ホラーでもないかも? あぁ、独りよがりで書いている感満載だ……。


 関川君のお話。……この後の流れを書いてみないとだけれど、もう自分の書きたいままにまた書いているけど、それって面白いのかな?


 ガッチーズ。……関川君を書いてからの手直し予定だけど、そう考えると一番いろいろ考えて謎を盛り込んだ気がする。


「………… ! 」


 そうか、気付きました。思いついたら書きたくなっちゃうから、深みがないのだということに。思いついて、温めて練り込んで育てて書かなくちゃ、お話に深みがないのだ、きっと。


「あったりまえじゃん!」


 自信喪失中の理由がわかった瞬間を書き留めておきました。


 そうとわかれば! 「泥棒がえし」ですよね。うんうん。泥棒に何かを盗まれて、それを盗み返す。


 例えば、こんな風に?



***


『泥棒返しにご用心』


私は泥棒一家の娘、ゆーこ。


今日もとある家から金銀財宝を盗んできた。


「へへ。こんだけあれば、お父さんもお母さんもきっと褒めてくれるよね!」


私はその金銀財宝を持って家に帰ってきた。


でも、何かがおかしい。

いつもと家の様子が少し違うのだ。


「あれれ? こんなところに、こんな変な置き物あったかな?」


今までなかった金色の猫のお置き物が置いてある。

それも三つも。


「あれれ? おかしいな、こんなところにこんな変な絵画があったかな?」


今まで何にもかかってなかったリビングの壁に、大きな絵画が飾られていた。それも三つも。変な模様みたいな絵だから、きっと現代アートなんだろうとは思うけども。



「あれれれれ? おかしいな? こんなところに、ソファ、あったかな?!」


いつもはちゃぶ台が置いていある古い和室なのに、豪華な革張りのふかふかするソファが置かれている。



「うっそ。これ、本当に私の家?!」


私は不安になってお母さんやお父さんを呼んだ。

車は駐車場にあったから、きっと家の中にいるはずだと思って。


「お父さん? お母さん? どこにいるの?」


でも返事はなくって、私はだんだん不安になってきた。

ふと見ると、金色の猫の置き物の目がきらりんと光った気がした。



「んん? 今、光った?」


近づいてみてみると、目の中にガラスの様なものが入っている。


「これは、もしや?」


私は猫の置き物をひっくり返して、下から上から、横から全方向を調べた。でも、どこにも変なものはついていない。


「こうなったら! えい!」


そう言って、壁に思いっきり叩きつけてみたら、猫の顔がぼろっと取れて、中からカメラの様なものが出てきた。


「カメラだ……一体、誰が?」


そう思って、カメラを手に取ると、残り二つの金の猫の目が光って、壁に映像を映し出した。


「え? ちょまっ? これ、何!?」


映像の中には、シルクハットをかぶった変なおばさんの姿が写っていた。


「泥棒一家の娘、ゆーこ、だね?」


「それがどうしたっ?!」


「お前の一家が今までどれだけのものを、それも誰かの大事なものを盗んだか、覚えているか?」


「そんなの覚えてるわけないでしょ!」


「だろうな。だからお前達一家からも全てを奪ってやった」


「何を盗んだていうのよ! 盗まれたものなんて何にもないはずよ! 逆に増えたくらい!」


「あーはははは。気づかないのか? 馬鹿な娘だ」


「何に気づかないっていうのよ!」


「よくみてみろ。もうそこはお前の家じゃない。お前の家は古い和風住宅だが、もうそこは和風な住宅じゃないはずだ」


「た、確かに畳はフローリングになってるし、座布団はソファになってるけど、ここは確かに私の家よ! 家を間違うはずがないじゃない!」


「家の場所は間違ってはいない。だが、もうそこはお前の家ではない。なぜならその家には、もうお前の家族はいないし、思い出の品々だってないはずだ」


「ま……まさか……」


「そう、そのまさかさ」


「泥棒業界にまことしやかにささやかれている……、家族泥棒?」


「そうさ!私こそが都市伝説の様にささやかれている家族泥棒! もうお前の家族はどこにもいないし、家族の家もなければ、そのうちお前の中から記憶も消えてしまうだろう。それが、家族泥棒の華麗な盗みなのだ。お前はこれから一人、彷徨い歩きながら、今まで働いてきた数々の悪行を悔い改めて生きるんだな!」


「そんな! なぜ私が! それに父さんと母さんを返してよ!」


「もうこの世界には存在しないのさ。あーははははは」


「ちょ、ちょっと待ってってばっ!」


家族泥棒は映像を映し出す光ごと、ブチっと消えてしまった。



「嘘でしょ……」



おかしい。こんなはずじゃなかった。今日も家族みんなでお好み焼きでも食べてたはずなのに。


でも、あれ?

おかしいな?


誰とお好み焼きを食べるんだったけ?

それにこの手に持っている金銀財宝は?



私は、いったい誰なのか?

どなたかご存知ないですか?



****


やっぱり、才能が感じられない。

あぁ、どうしてしまったんだろうか。


こういう時は瞑想だと、深呼吸をしたら思えてきたので、本日は、この辺で。






自信喪失中……かも、しれません。

でも書きたいということだけは、喪失しないんだよな……。






洗濯をたたみながら、自分の心と向き合ってみることにします。

本日もお読みいただき、誠にありがとうございました。





***


心を穏やかに。

深呼吸。


大事なものは何かをイメージしたら、あたたかい愛をイメージできました。

まずは、自分を癒さなくては。



そして、



世界が優しい光に包まれて、愛の溢れる世界になります様にと、祈りたいです。



















――黙祷。

















世界が平和になります様に。




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