第135話 実力がわかるためのテスト
楽しいゴールデンウィークもいよいよ終盤。思い起こせば、特に何処かへ行く事なく、行ったといえばインドカレー屋さんとその近くにある大きな公園くらいだった。そして、ほぼ毎日庭でバーベキューをしていた気がする。
都会ではない場所に家がある我が家の庭は、ちょうど外から見えにくくなっていて、バーベキューをした後に焚火スタンドで焚き火を焚いても、誰にも何も言われない。この焚き火を楽しむ為にバーベキューをするようなものだと思うくらい、焚き火を楽しんだ。
元々、キャンプも好きだけど、何より焚き火が大好きな私と愛するパパは、子供がいても、いなくても、焚き火の前から離れない。一度座って仕舞えば、薪を追加するまでは席を立つことがないし、なんなら恋人同士のように仲良く二人で寄り添って、うっとりと焚き火を見つめてしまう。
あの、ゆらゆらと同じ形には二度とならない揺らめきの形。頬に伝わる炎の熱。そしてパチパチと鳴らす音。はううん。思い出しただけで、今すぐにでも焚き火をしたくなってしまう!
しかし、今日は焚き火ができない。なぜならゴールデンウィーク中はお休みだった塾が昨日から再開し、今から中学生達は夕飯を食べて塾へ行くのだ。
「はあ? 私たちがいないのに、バーベキュー? マジでありえんし!」と一番が言う。
「「信じられん、俺たちいないのに、焚き火?」と二番も言う。
五番辺りが、何か言い返そうものならば、「お前はまだ小学生で中学生の気持ちなんてわかんないだろ! 勉強もしてないくせに!」と非難轟々になるわけだが、母は言いたい。
「君たち全く勉強してなかったぞー! 月曜日は実力テストじゃー!」
実際に何度も言っているけれど、実力テストは、今の実力を試すためのテストだから勉強してない方が実力がわかるらしい。ん? なんだかおかしな話である。
「実力テストは、今の実力を知るためのテストだから、勉強してない方が実力がわかるらしい」
もう一度、鉤括弧付きで書いて見た。
「うんとさ、テスト前に勉強しないのであれば、いつするのだ? いつだってしてないじゃないか? 」
「もう! うるさいなぁ! ご飯中だって!」
と、今年受験生に叱られてしまう母なのだが、そんなものなのだろうか。絶対違う気がする。でも、まぁ、実力がわかるためのテストらしいので、そのご自慢の実力とやらを、とくと見せていただこうかと腹を括った私であった。
その結果、中三の娘がどうなったのか、またこの妄想日記で書きたいと思います。実力がわかるためのテストで、うちの子が塾にいっぱい課金しているのにどんな結果だったのか、一生涯ここに残してやろうと、思う母なのでした。
おっと、少し真面目に書いていたら、もう塾へ送りに行く時間です。ゴールデンウィークもあと一日。世の中のお父さん、お母さん、お疲れ様です。親になって見て初めてわかった大変さを噛み締めて、本日はこの辺で。今日もお読みいただき、誠にありがとうございました。
二〇二二年のゴールデンウィーク最後の日が、素敵な休日になりますように。
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世界中に平和な日々を。
――黙祷。
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