4部 入学したいなぁ

第46話 なにこれ!?

 僕は朝に目が覚める。


 ここ数日は揉みくちゃにされて大変だったよ……。


 でも、皆僕の回復を喜んでくれて嬉しかった!


 中毒マッサージが目当てだとは思いたくないけど!


 一応──


「マッサージはこのメンバーにしかしないから誰にも教えたらダメだよ? 教えたら二度としないからね!」


 とは言ったものの、皆気になるようで──


「なら、どうして気持ちがいいの? (性的に)」


 と質問された。誰が言ったかわからない最後に付け足された小声もしっかり僕の【聴覚】さんが仕事をして聞こえて来たけど……。


 やっぱり、あの未来を回避する為にはとする方が都合が良かったので、ある程度作り話をしておいた!


 この中に僕の隠蔽を見破る人はいないからね!



 ここで僕は決断を迫られた。


 その結果──


「実は──スキル『絶頂』を持っているんだ……『感度操作』の力は扱えなくなったけど、僕自身の底上げをしてくれたみたいだよ? 前とそんなに変わらないし」


 ──と『絶頂』を身代わりに使う。


 そして『感度操作』の力は無くなったけど、それまで使っていた効果は僕に残っている事にした。


 これなら僕が前のようにある程度、力を使っても問題ないはずだ。


 性的に気持ち良いのは『絶頂』のせいだと言い張る事により、皆は納得する。


 実はこのスキルは習得条件が不明のスキルの一つらしく、そんな効果もあるのか──となった。


 今まで通りマッサージが行えていた事も後押ししてくれたようだ。


「別にマッサージのが変わらないならいいわ」


 と母さんに言われ、周りは頷いた。


 効果とは何を指しているのか知りたかったけど藪蛇だと思って聞かなかった。


 そして──


 その時の僕に対する目線が何を訴えかけているのかも瞬時に理解した。


「この事を内緒にしてくれたらマッサージは継続して行います……」


 この言葉で皆は満面の笑みを浮かべていた……。


 結局、この状況からは抜け出せなくなってしまったのが決定した瞬間だった。


 母さん達に重要なのはのようだった。戦闘中に『アイギス』を使いこなした事は凄く褒められたりはしたけど、詳しくは追求されなかった。


 師匠は聞きたそうにしていたけど……。



 まぁ、そんな事があった。



 僕の今後についてもまとめよう。


 僕は冒険者には憧れているが、それは生活が出来れば良いと思っている。当然ながら強さにも憧れているし、力はあったらあったで理不尽な事を打破出来るかもしれない。だから僕なりの最強を目指すし、冒険者にもなる。


 ただ、目立ちたくないのでひっそりとしていく。『脳ある鷹は爪を隠す』ってやつだ。特に『感度操作』はバレたくない……。学園に入学しても大人しくする!


 とまぁ、そんな感じで生きていく。




 さて、まだ皆は寝ている。


 仕方がないので自分のスキルを確かめる事にした。



 名前:ロイド


 性別:男


 一般スキル:『危機察知』『気配察知Lv8』『魔力察知Lv8』『痛覚耐性』『毒耐性』『威圧耐性』『回避』『アクロバティック』『盾術Lv8』『隠蔽Lv10』『魔法耐性』『刺突耐性』『打撃耐性』『魔力操作Lv7』『剣術Lv1』『魔力譲渡』『味音痴』『臭い耐性』『挑発』


 上位スキル:『予測(極)』


 特殊スキル:『鑑定』『直感』『絶頂』『見切り』『無音』『魅了』『精霊使役』


 ユニークスキル:『感度操作』『無限収納』


 エクストラスキル:『アイギス』



 上から順に眺めていく──


 ……うん、軒並みレベルが上がっているな! 見事に『剣術』以外が! でも、このスキルレベルは過信したらダメだな。高くても使いこなせなければ全く意味ないし!


 まぁ、でも実戦はスキルレベルが上がりやすいのはよく分かった!


 ──って、『精霊使役』とかあるんですけど!?


 これってやっぱりエレノアさんの主になってるの!?


 うわぁ……なんか精霊王さんぶっ飛ばすとか言ってたから凄く不安になってきたぞ?


 これ僕凄く関係者なんじゃ?


 良しッ! これも『隠蔽』して棚上げだ! 気にしてても仕方ないしね!



 でも嬉しいのは『無限収納』スキルだな!


『アイテムボックス』は時間経過するらしいけど、『無限収納』は時間停止しているし、容量も無制限と聞いている!


 とてもありがたいけど──


 何でこれ習得してんの? しかも『無限収納』ってユニークスキルなんだね……。


 僕は目立たないと決めたんだ。厄介事の臭いしかしないし──早急に『アイテムボックス』スキルを習得して『隠蔽』せねば──


 って……上位版の『無限収納』があったら統合されて表示されないんじゃなかろうか?


 ふとそんな事を思う。ラノベとかなら大体統合されてたような……。


 考えろ、考えろ、考えろ──


 ──そうだ!


 この状況を打破するにはあれしかないッ!


 すばり『詐称』スキルだッ!


 大先生出番です!


 ────


 ────────


 ────────────


 ふっ、中々手強かったな……お陰で何回かぜ……。


 でも無事に『詐称』スキル──ゲットだぜッ!


 ……犠牲になった布達は後で処分しよう……。



 後で、スキルは使うとして──


 すんごく気になる事がユニークスキルの下に記載されてたんだよね……。



 改めて見てるけど間違いではないようだ……。


 ユニークスキルの下の欄でエクストラスキルの文字がある。


 エクストラスキルって、ラノベとかじゃ唯一無二のスキルとかじゃなかったか?


 自分に関係ないからほとんど調べてなかったけど、これって特殊な称号スキルも含まれていたような……。ユニークスキルよりも更に希少なスキルという認識で良かったはずだ。


 確か『開花の儀』で授けられた人が過去にいたはず……その人は直ぐ国に囲われたって聞いたぞ?


 こんなのバレたら狙われる未来しか見えないんだけど!?


 な・に・よ・りッ!


 何故かわからないけど『アイギス』さんがスキルになっていた件について!


 これ魔道具じゃないの!? 何でスキルになってんのさ!?


 こんなもん即『隠蔽』だよッ!



 ……でも、吸魂剣ソウルイーターの【暴食】がどうなってるのか気になるな。スキル欄に表示はされていないから危険はないと思うけど。


 ……『鑑定』でとりあえず『アイギス』調べてみるか……。



『アイギス』:実は田中太郎が作った魔道具には──適正者にするよう仕掛けがしてあった!


 ──ちょっと待てぃ!


 何で物語風に記載されてんだよ!? これ書いてる奴誰だよ!?


 しかも融合されちゃってるの!?


 即座に腕輪を外そうと行動するが、全く離れない!


 これ呪いのアイテムじゃね!?


 落ち着け……まだ続きがある……呪われているかはその後に判断しよう……。



 ────


 元々、『アイギス』は神々と田中太郎が太古に存在した魔物の脅威から守る為に作られている。適正者にはそのままエクストラスキルが与えられるようになっており、腕輪が無くても使用する事が可能。


 スキルスロットもそのまま使用可能。付属効果で連動している『無限収納』が習得される。その中に入れているアイテムの付与されているスキルをスロットに装着可能。



 ……後の文章はつっこむ所はあるけど、まぁ普通だった。ただ──前はこんな事書いてなかったけどねッ!


 まぁ、昔は大変だったんだな……昔って今とは違って伝説級の魔物ばっかりいたって話だしな……。


 というか太郎さんって神々と知り合いなのが凄いな。


 とりあえず、呪われているわけじゃないというのはわかった……『無限収納』を習得してた事もね。


 ……何故か適正者扱いされてるけど……。


 スキルスロットもそのまま使えるみたいだし、この腕輪の効果がスキルに分かれて付与されている感じなのかな?


『無限収納』を念じてみると、『鑑定』のように文字が出てきた。


 ふむふむ、この中にスキルもされているっぽいな。


 ジャンル分けみたいに[アイテム][武具][魔道具][スキル][その他]と表示されている。


 ……ふむふむ、中に入れてる物がわかるのね……それと──ゲームみたいにフォルダ分けも可能か……。


 とりあえず中身を見てみよ〜っと──


[武具]

吸魂剣ソウルイーター


 武具はまぁ、これしかないしね……。アイテムと魔道具は文字の表示が無い。


 スキルは──


 ──!? なにこれ……けっこうある……。


 あの時に魔物を大量に殲滅したからかな?


 スロットに装着出来るスキルがこれだけあったら助かるな。時間があったら試そう……。


 次は、その他か──表示──


[その他]

『ブレス』×235発


 ……ん? ブレス?


 ブレスってドラゴンから放たれたやつ?


 確かに【暴食盾シールドグラトニー】で吸い込んでたけど──


『収納』されてたの!?


 これ──スロットに装着出来るのかな?


【アイギス】

[スキルスロット]

 ①『暴食』(吸魂剣ソウルイーター

 ②『ブレス』

 ③無し

 ④無し

 ⑤無し


 ……出来たな……。


 まさか、盾からブレスが出るの?


 それが出来るなら僕は余裕で冒険者出来るんじゃ──


 いや、ダメだダメだ。僕は目立たないと決めたんだッ!


 これはいつか試すとして──


 あの新しい未来通りになったら、僕はきっと幽閉されてしまうかもしれない!


 なんとか対策をしていかないと──せめて手出しが出来ないぐらい強くならないとダメだ……。



 うん、でも『無限収納』は凄く便利だわ! これで時間停止機能、収納無制限はチートだな!


 運び屋が出来るぜッ!



 とりあえず、やらないとダメな事は──


 スキルの『詐称』だな!


 ふむふむ、書き換えも出来るっぽいな!


[『アイテムボックス』]と[『魔力盾』]書き足して──


【『隠蔽』】【『詐称』】【『魅了』】【『精霊使役』】【『感度操作』】【『無限収納』】【『アイギス』】を『隠蔽』っと──




 名前:ロイド


 性別:男


 一般スキル:『危機察知』『気配察知Lv8』『魔力察知Lv8』『痛覚耐性』『毒耐性』『威圧耐性』『回避』『アクロバティック』『盾術Lv8』【『隠蔽Lv10』】『魔法耐性』『刺突耐性』『打撃耐性』『魔力操作Lv7』『剣術Lv1』『魔力譲渡』『味音痴』『臭い耐性』『挑発』【『詐称』】[『アイテムボックス』]


 上位スキル:『予測(極)』


 特殊スキル:『鑑定』『直感』『絶頂』『見切り』『無音』【『魅了』】【『精霊使役』】[『魔力盾』]


 ユニークスキル:【『感度操作』】【『無限収納』】


 エクストラスキル:【『アイギス』】



 こんなもんでしょ!


 さて、母さん達も起きてきたし──


 このを処理せねば──

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る